骨をつくる3つの栄養素の骨に対する働きと、どれくらいとればいいか、どんな食品からとることができるかをご紹介します。
骨の新陳代謝に欠かせない
カルシウム
(1日の目標量800mg以上)
●不足しがちな栄養素なので意識して摂取を
カルシウムは骨の主成分で骨の新陳代謝に不可欠。「カルシウムの摂取推奨量は女性は1日650㎎ですが、これは適正な骨量を維持してきた人を目安に作られているので、上乗せして800㎎をとるのが理想的。コップ1杯の牛乳を飲めば約220㎎のカルシウムが補えるのでおすすめ。就寝中に吸収が高まるので寝る前に飲むと特に効果的です」
- ・牛乳1杯/200㏄→220㎎
- ・プロセスチーズ1切れ/25g→158㎎
- ・煮干し/10g→220㎎
- ・小松菜1/4束/95g→162㎎
- ・乾燥ひじき/10g→100㎎
- ・木綿豆腐半丁/150g→129㎎
カルシウムはチーズやヨーグルト、豆腐や納豆などの大豆製品、小魚、海藻、小松菜などの野菜、切り干し大根などに豊富
不足すると骨の強度が低下
タンパク質
(1日の推奨量50〜60g)
●消化力が弱い日本人には魚や大豆製品が◎
骨をつくるタンパク質の約8割がコラーゲン。「タンパク質が不足すると、コラーゲンでつくられた骨組みがガタつき強度が不十分に。タンパク質が多い肉や魚、乳製品、大豆製品、卵などをとりましょう。女性は1日に50〜60gはとって。日本人は消化力が弱いので、魚や大豆製品のような低脂肪で消化がいいタンパク質を選びましょう」
- ・牛肉、豚肉、鶏肉/各100g→20g前後
- ・卵1個/50g→6.3g
- ・サバ/100g→20.6g
- ・マグロ/100g→26.4g
タンパク質はとりすぎると体液が酸性に傾き、体はそれを戻そうとアルカリ性のカルシウムを使い、骨がもろくなるので適度に摂取を
効率よく補給するなら魚!
ビタミンD
(1日の目安量8.5㎍)
●カルシウムの吸収を高めて骨を丈夫にする栄養素
ビタミンDはカルシウムの吸収を高めて骨を丈夫にし、免疫力を高める働きも。「効率よく補給できるのは魚で、特に鮭に豊富。1日の目安量は8.5㎍ですが、鮭1切れ(80g)で25.6㎍が補えます。手軽にとるなら鮭フレークもおすすめ。ほかに、いわし丸干し、サンマ、じゃこ、ウナギ、アン肝、きくらげ、天日干しの干ししいたけなどにも多く含まれます」
- ・鮭1切れ/80g→25.6㎍
- ・干ししいたけ2個/6g→0.8㎍
- ・乾燥きくらげ2個/1g→1.7㎍
- ・ウナギ(かば焼き)1切れ/100g→19.0㎍
- ・いわし丸干し1尾/30g→15㎍
日本産婦人科学会専門医、日本骨粗鬆症学会認定医、日本抗加齢医学会監事・専門医。日本の女性医療をリードするパイオニア。骨粗しょう症分野の第一人者
イラスト/本田佳世 取材・原文/和田美穂