食事でできる「骨貯金」
骨に必要なのはカルシウムだけじゃない
骨粗しょう症を防ぐには、まずは栄養バランスのとれた食事をとること、そして骨をつくるのに欠かせない栄養素を積極的にとることが不可欠。では、どんな栄養素がよいのでしょうか。
「骨に必要な栄養素というとカルシウムを思い浮かべると思いますが、それだけでは骨はつくられません。骨をつくるにはカルシウムのほかにビタミンD、タンパク質が必要です。また、骨を強くするための4大栄養素であるビタミンK、マグネシウム、亜鉛、カロテノイドも必要ですし、骨をしなやかに保つために葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12も必要。これらの栄養素が骨の形成にどんな役割を果たしているかを知って、これらを含む食品を普段の食事にうまく取り入れていきましょう。
サプリメントでとるのもひとつの方法ではありますが、有効性がはっきりしていないのと、特定の栄養素を過剰にとることになり、よくない作用がある場合もあります。例えばサプリメントでカルシウムが過剰に体内に入ると高カルシウム血症になり、便秘をしやすくなったり、吐き気、腹痛などが起きることがあります。ですから、やはり基本は食事で補うことを心がけましょう」
骨に必要な栄養素はこれ!
●骨をつくる栄養素
●骨を強くする栄養素
●骨をしなやかに保つ栄養素
市販の健康食品もうまく活用を
●大豆イソフラボンから作られる、エクオールを手軽に補える
女性の健康や美によいとされるエクオールは、大豆イソフラボンが腸内細菌によって変換されて作られる成分。日本人女性の50%は腸内でエクオールを作れないけれど、エクエルには大豆イソフラボンを乳酸菌で発酵させたエクオールが含まれ、1日当たりの目安量の4粒でエクオール10㎎を補給可能。
エクエル 112粒¥4,320/大塚製薬
●骨密度を高めるMBP®配合の、機能性表示食品の乳酸菌飲料
骨密度を高めるMBP®を配合した機能性表示食品の乳酸菌飲料。MBP®は牛乳にごく少量含まれる稀少なタンパク質。骨の新陳代謝を担う骨芽細胞と破骨細胞に働きかけ、骨からカルシウムが溶け出すのを防ぎ、カルシウムを骨に定着させる働きがあり、骨密度の増加をサポート。爽やかな風味。
「MBPドリンク」(100g)¥151/雪印メグミルク
骨量を減らすリンが多い食品に注意!
とりすぎると骨量を減らしてしまうのがリン。「骨の主要成分のカルシウムはリンとくっついてリン酸カルシウムになり、これが強い骨質をつくります。ただ、近年、リンを過剰にとっている人が多数。リンはタンパク質や食品添加物に多く含まれますが、これらをとることが増えたからです。リンをとりすぎるとカルシウムの吸収が妨げられ、骨量が減ってしまいます。スナック菓子やインスタント食品、加工食品、レトルト食品、冷凍食品、清涼飲料水などに多いので控えめに」
日本産婦人科学会専門医、日本骨粗鬆症学会認定医、日本抗加齢医学会監事・専門医。日本の女性医療をリードするパイオニア。骨粗しょう症分野の第一人者
イラスト/本田佳世 取材・原文/和田美穂