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「白髪・薄毛・コシがない」など、髪の悩みにはこのミネラルを!

OurAge世代の女性のお悩みとして多いのが髪に関すること。髪は顔の印象を左右する大事な要素。白髪や薄毛は「老け見え」の大きな原因です。健康で豊かな髪を維持するためには、やはり亜鉛や銅をはじめとする、ミネラルの力が必要なのです。では、そのミネラルは何で取ればいいでしょう?

♦毛髪が抜ける、細くなる、コシがなくなるのは〇〇不足のせい!?

 

私たちの毛髪は何からできているかご存じでしょうか?

(イメージphoto/element5-digital on unsplash)

 

それは、タンパク質。

髪の毛の80~90%はタンパク質でできています。

 

そして、タンパク質にもさまざまな種類がありますが、髪の毛はケラチンと呼ばれるタンパク質からできています。

 

タンパク質は、筋肉や皮膚、骨を作る材料になるということはよく知られていますので、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品など、タンパク質を多く含む食品を意識してとっているという人も多いでしょう。

 

でも、タンパク質さえきちんととれていればそれでOKかと言うと、そうではありません。

 

「ミネラル」が不足していると、髪の毛や頭皮を正常に保つことができません。

なぜかというと、食物から摂取したタンパク質は、体内で一度、「アミノ酸」や、複数のアミノ酸がつながった「ペプチド」に分解され、それから再び臓器や筋肉、髪の毛に、タンパク質として再合成されます。

そして、こうした分解や再合成の過程でその働きをサポートするのがミネラル。

中でも、「亜鉛」は髪の健康維持に大きく関与しています。

 

亜鉛は、細胞のDNAの複製やタンパク質の合成にかかわるミネラルで、体中の細胞の新陳代謝を促し、古くなったタンパク質を生まれ変わらせる働きがあります。

 

厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日当たりの亜鉛の摂取推奨量は40代、50代の女性で8mgとされています。

これに対して、実際の亜鉛摂取量は、同じく厚生労働省が行った「令和元年 国民健康・栄養調査」によると、1日当たりの平均摂取量は、40代女性で7.8mg、50代女性で7.5mgといずれも推奨量を下回っています。

 

♦食生活の乱れ、ストレスでも亜鉛不足になる

 

現代人は亜鉛が不足している傾向にありますが、亜鉛が不足しがちな食生活とはどのようなものでしょうか?

 

亜鉛不足を招く食生活 その1:偏った食事や、極端なダイエット

亜鉛は肉類や魚介類などに多く含まれているので、食事量を極端に減らしたり、カロリーを気にしておかずを食べず、簡素な食事にすると、亜鉛の摂取量が減ってしまいます。

 

亜鉛不足を招く食生活 その2:ベジタリアン、ビーガン

肉類や魚介類を食べないと亜鉛が摂取しにくくなるうえに、「食物繊維」や「青菜に含まれるシュウ酸」は亜鉛の吸収を阻害するので、摂取しすぎには注意しましょう。

亜鉛は、肉や魚介を食べずに野菜を多くとる、ベジタリアン、ビーガンの人に不足しやすいミネラルといわれています。

また、フィチン酸も亜鉛の吸収を阻害するため、フィチン酸を多く含む、穀類(玄米など)や豆類を過剰にとるのも亜鉛不足の原因に。

 

亜鉛不足を招く食生活 その3:加工食品やレトルト食品が食事の中心

加工食品やレトルト食品が毎日の食事の中心になっているという人も要注意。

亜鉛の摂取量が足りないのはもちろん、これらの食品に含まれる食品添加物は、亜鉛の吸収を阻害するので、亜鉛不足にさらに拍車をかける恐れがあります。

 

亜鉛不足を招く食生活 その4:アルコールの過剰摂取

お酒は適量であれば問題ありませんが、毎日、大量に飲むという人はやはり控えめを心がけて。

アルコールの代謝にかかわる酵素は、亜鉛を材料としているため、お酒を飲むことで体内の亜鉛が消費されるとともに、尿中への亜鉛の排泄が促されます。

 

食事によって摂取した亜鉛は、おもに十二指腸や小腸の一部で吸収されますが、その吸収率は摂取した亜鉛の約30%。

吸収率は比較的低いといえます。

さらに、ストレスなどで十二指腸にダメージを抱えていたりすると、吸収率はさらに低くなってしまいます。

 

また、中高年になると、若い頃に比べて胃腸の働きが悪くなり、食事全体の量も減り、栄養の吸収力も落ちてくることから、亜鉛の摂取量はさらに減ってしまいます。不足しないよう注意しましょう。

 

〈亜鉛を多く含む食品〉

牡蠣、煮干し、ウナギ、カニ

牛肉、豚レバー、ラム肉

高野豆腐

ヘンプシード

カシューナッツなど

 

♦黒髪を作るメラニン色素の生成には「銅」を

 

美しいグレーヘアであればよいのですが、生え際にチラ見えする白髪は、どんなにきれいにセットしていても、ぐんと老けた印象、やつれた様子に見えてしまいます。

 

白髪を予防し、美しい黒髪を維持するために必要なミネラルが不足しないよう気をつけたいものです。

 

そもそも、なぜ、白髪になってしまうのでしょうか…。

 

実は、白髪は「黒髪が白くなったもの」ではありません。

 

私たちの髪の毛はもともと、生まれた瞬間は白。

「毛母細胞」で、ケラチンと呼ばれるタンパク質から作られた髪は白なのです。

そしてその後、「色素細胞(メラノサイト)」で色がつけられます。

 

つまり、髪が白い状態のままになっているというのは、白い毛に色づけをする「色素細胞」の働きがうまくいっていないのが原因です。

 

 

黒い髪色の元になるメラニン色素の原料は、髪の毛の原料である18種類のアミノ酸の中のひとつ、「チロシン」。

チロシンは「チロシナーゼ」と呼ばれる酵素によって、黒いメラニン色素になり、白い毛を黒く染める働きをしますが、このチロシナーゼの働きを活発にするのが「銅」です。

銅が不足していると、チロシナーゼが正常に機能せず、黒いメラニン色素を作ることができないのです。

 

〈銅を多く含む食品〉

エビ、イカ、タコ、牡蠣、干しエビ、牛レバー

豆類(そら豆、グリーンピース(揚げ豆)、きな粉)

ナッツ類(カシューナッツ、くるみ、アーモンド、ピスタチオ)

ココア、小麦胚芽、チアシード

 

普通に食事がとれている状態であれば、不足することはあまりありませんが、下痢が続いたり、ピルを飲んだり、鉄剤を摂取したりしていると、銅が体内で消耗してしまう要因となりますので気をつけて。

 

なお、亜鉛、銅に加えて、鉄やカルシウムも、丈夫で生き生きとした髪を作るために欠かせないミネラルです。


【教えていただいた方】

登坂正子
登坂正子さん
医学博士。日本循環器学会認定循環器専門医。日本抗加齢医学会専門医。
公式サイトを見る

東京女子医科大学卒業。医療法人 淳信会 ホリスティキュア メディカルクリニック院長。米国コロラド州NTI認定栄養コンサルタント。米国PHYTOMEDIC LABS認定栄養&酵素セラピスト。産業医。 2014年、米国ベストドクターズ社日本支部から「医師が自分自身や家族が病気になった場合受診したいベストの医師」として、Best Doctors in Japanに選出される。

 

 

取材・文/瀬戸由美子

 

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