水溶性食物繊維が豊富なもち麦を味方につける!
極端な糖質制限で炭水化物をとらないようにしていませんか?
「確かに糖質をやめると、痩せるし、血糖値を下げることはできます。しかし、炭水化物まで制限した極端な糖質制限をすると、逆に血糖値を上げてしまうことがあります。
※糖質制限と血糖値については第1回参照。
炭水化物は糖質だけでなく、食物繊維も豊富です。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、特に水溶性食物繊維は水分を吸収して、胃に長く留まり、糖の小腸への移行スピードが遅くなります。そのため、血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。食べすぎを防いでくれる効果も期待できます。
砂糖をたっぷり使ったスイーツなどは食べないほうがいいのですが、ご飯などの主食は抜かないことが大事です。
特に私が推奨しているのが、白米に水溶性食物繊維が豊富なもち麦を加えることです。そのまま食べてもプチプチした食感がよく、少しパラパラしているので、炒飯にしてもおいしいですよ」(大坂貴史先生)
もち麦で不溶性食物繊維アップ&油量を抑えたヘルシー炒飯
「油揚げをフライパンで焼くと、じんわり油が出てきます。この炒飯は、このときに出た油を利用し、油を最小限に抑えて作ります。油揚げの植物性タンパク質に加え、じゃこで動物性タンパク質とカルシウムをプラス。白米に加えたもち麦も加わり、食感豊かな香ばしいひと皿に!」(沼津りえさん)
油揚げとじゃこのもち麦炒飯
カリカリに焼いた油揚げで食べ応えたっぷり。じゃこの旨味と塩気で、味つけはしょうゆ少量でOK。十分においしい炒飯になります。
エネルギー250㎉・タンパク質12.7g・脂質7.0g・糖質29.2g・食塩相当量0.9g
【材料 1人分】
もち麦ご飯:120g
※白米2カップにもち麦大さじ100g(米カップ2/3)、水200㎖を入れて炊いたもの。もしくは市販のもち麦ご飯パックでもOK。
油揚げ:1枚
じゃこ:10g
小ねぎ:5g
しょうゆ:小さじ1
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【POINT】
油揚げは油をひかずにカリカリに焼くと、油の量を最小限にすることができます。
【作り方】
1 油揚げは横半分に切り、幅1㎝に切る。小ねぎは刻む。
2 フライパンに油揚げを入れ、中火でカリカリに焼く。
3 もち麦ご飯とじゃこを加えて炒める。
4 仕上げに、しょうゆを回し入れ、全体を混ぜながら炒め、小ねぎを散らす。
油揚げを炒飯の具にするというのが新発想。ご飯量が少なくてすむので、無理なく糖質を抑えることができます。じゃことの相性も抜群で、ランチの一人ご飯にも重宝しそうです。
【教えていただいた方】

京都府立医科大学卒業。京都南病院、京都第二赤十字病院を経て、京都府立医科大学大学院博士課程で医学博士を取得。現在は綾部市立病院 内分泌・糖尿病内科部長、京都府立医科大学 内分泌代謝内科学講座 客員講師。糖尿病と筋肉、糖尿病運動療法が専門。YouTubeやXで医療情報を発信。著書に『血糖値は食べながら下げるのが正解(KADOKAWA)、『75歳の親に知ってほしい! 筋トレと食事法』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。
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【レシピ・料理】

管理栄養士・調理師、料理教室COOK会主宰。大手食品メーカーで管理栄養士として勤務。その後、製菓・製パン専門学校に通いながら、老舗洋食レストランで料理の基礎を徹底的に学ぶ。結婚を機に子育てをしながら料理教室COOK会をスタート。シンプルでおしゃれなレシピに定評があり、各メディアで活躍。管理栄養士の知識を生かして、企業向けのレシピ開発も行う。最近ではYouTubeが好評で、著書に『母から娘に伝えるはじめてのLINEレシピ』(ART NEXT)、『からだとこころがととのう滋養菓子』(日東書院本社)、『ごま油さえあれば さっぱりもコク旨も、いつもの家ごはん98』(小学館)など多数。… 続きを見る
撮影・スタイリスト/沼津そうる 取材・文/山村浩子