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骨を強くするための運動と、圧迫骨折を防ぐストレッチ&マッサージを習慣に!【更年期の骨活】

閉経後になりやすくなる骨粗しょう症。そのリスクをできるだけ減らすには、今のうちから運動を習慣にすることが不可欠。そこで、骨粗しょう症や骨折を防ぐためにおすすめの運動を、「骨活」に詳しい、「女性のための整形外科 かおるこHAPPYクリニック」院長で整形外科医の伊藤薫子先生に教えていただきました!

骨に衝撃を加える運動をすることで、骨をつくる骨芽細胞が活性化!

ウォーキングしているところ

骨がもろくなりつつある40代、50代の私たちが取り入れるとよいのは、どんな運動なのでしょうか。

整形外科医の伊藤薫子先生に伺いました。

 

「骨は、衝撃が加わると、骨をつくる骨芽細胞が活性化し、それによって強くなっていきます。

ですから、骨粗しょう症予防におすすめなのは、骨に衝撃を加える運動です。

 

代表的なものに、かかとをストンと床に落とす“かかと落とし”があります。

また、ジャンプやウォーキングなども効果的です。

 

ただし、骨が弱くなっていく更年期以降は、無理をすると続けられないばかりか、悪い姿勢で行うと膝や腰などに負担がかかって、ケガや骨折などを招き、逆に運動ができなくなってしまうことも。

 

無理のない範囲で行うことと、よい姿勢で行うことが大事なポイントです」(伊藤薫子先生)

 

「骨活」におすすめの、かかと落としやウォーキング、ストレッチ、マッサージとは?

かかと落としをしている人

「かかと落としは、よい姿勢で、一度につき10回程度、1日5回くらいに分けて行うのがよいと思います。

電車の待ち時間や、歯磨きの時間など、毎日行うことに組み込むと習慣化しやすいと思います。

 

また、ウォーキングをするときは、みぞおち(胸とへその間にある、上腹部の中央にあるくぼんだ部位のこと)から恥骨(骨盤の前面に位置する、おへその下側にある骨)までをしっかりと伸ばして、下腹部やお尻にキュッと力を入れてよい姿勢で歩きましょう。

 

骨を支える体幹の筋肉が鍛えられ、腰や膝へ負担をかけずに、骨に適度な負荷を加えることができます。

 

また、骨が弱くなってくると背骨が丸くなりやすく、圧迫骨折の原因になるので、背中が丸くなるのを防ぐストレッチやマッサージを取り入れるのもおすすめ。

 

骨を強くする、かかと落としやウォーキングなどと組み合わせて行いましょう」

 

ここからは、伊藤先生おすすめの運動の、具体的な方法をご紹介。

さっそく実践してみて!

 

記事が続きます

立って「かかと落とし」

かかと落としを立って行うときは、姿勢をよくすることが大事。

体がぐらつく人は、椅子などにつかまって行いましょう。

 

【1】

立って、かかと落とし

背すじを真っすぐにし、みぞおちから恥骨までを伸ばして立ち、両足のかかとを上げてつま先立ちになります。

体がぐらつく人は椅子などにつかまって行いましょう。

 

【2】

真下にかかとを落とす

そのまま真下にストンとかかとを落とします。

【1】→【2】を10回、繰り返します。これで1セット。

 

一日のなかで、この運動を5セットほど行います。

計50回くらいの「かかと落とし」をすることを目標に、こまめに行って。

 

記事が続きます

座って「かかと落とし」

かかと落としは、座っているときにもできます。

仕事の合間や、テレビを見ているときなどに取り入れましょう。

 

【1】

座ってかかと落とし

足の裏が床につく高さの椅子に、背すじを伸ばして深く座ります。

そのまま、両足のかかとを高く引き上げます。

 

【2】

座った状態で、かかとをストンと落とす

そのまま真下にかかとをストンと落とします。

【1】→【2】を10回、繰り返します。これで1セット。

 

一日のなかで、この運動を、立って行うのも含めて5セットほど行いましょう。

計50回くらいの「かかと落とし」をすることを目標に、こまめに行って。

 

記事が続きます

肩回し

肩が内側に巻き込んだ猫背姿勢になっていると圧迫骨折を起こしやすくなるので、肩を肩甲骨からよく回して猫背を改善します。

肩まわしを行う

背すじを伸ばし、脇の下あたりの肋骨を、反対側の手でつかんで押さえます。

そのまま肩をゆっくりと大きく回します。

内回し、外回し、各4回ずつ行いましょう。

肩甲骨から大きく回すのがポイント。

 

肋骨ほぐし

背中が丸くなっていると、肋骨まわりが硬くなり、余計に前かがみ姿勢になりやすくなって、圧迫骨折の原因に。

肋骨まわりを手でよくほぐして、姿勢を改善しましょう。

肋骨ほぐしを行う

両手の親指を後ろに、ほかの指を前にして左右の肋骨に当て、そのまま横に動かして肋骨をさすります。

1カ所につき10回ほどさすったら、手を当てる位置を替えて同様に。

肋骨全体に対して行いましょう。

 

記事が続きます

鎖骨ほぐし

猫背姿勢が続くと、鎖骨まわりが硬くなってリンパの流れが滞り、余計に背中が丸くなりやすくなります。

よくほぐすことで背すじが伸び、圧迫骨折の予防に。

鎖骨ほぐしを行う

鎖骨の下の中央に手の指先を当てて、細かくさすってほぐします。

鎖骨の下のラインに沿って、指先を少しずつ外側にずらしながら同様に行いましょう。

左右とも行います。

 

【終わりに】

上で紹介したような運動を続けることで、骨粗しょう症や圧迫骨折の予防につながります。

 

食事や栄養摂取での「骨活」とともに、ぜひ習慣にしましょう!

 

 

【教えていただいた方】

伊藤薫子
伊藤薫子さん
整形外科医
公式サイトを見る

いとう・かおるこ●「女性のための整形外科  かおるこHappyクリニック」院長。日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医。東京女子医科大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部整形外科学教室へ入局。関連病院勤務、アメリカ留学を経て、慶應義塾大学病院骨粗しょう症外来を担当。2021年7月、東京・帝国ホテル内に「女性のための整形外科  かおるこHappyクリニック」を開院。「いくつになっても背筋を伸ばしてハイヒール」をモットーに、女性一人一人の骨と関節の悩みに寄り添う診療に定評がある。院長が伴走するオンライン講座「4カ月の骨活プログラム」も全国から受講されている。

 

イラスト/きくちりえ(Softdesign) 写真/Shutterstock 取材・文/和田美穂

 


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