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【ぽっこりお腹/腰痛】反り腰を直すのが近道! 骨盤を正しい位置に戻す呼吸で悩みを改善!【動画あり】

太っているいないにかかわらず、40代以降に増えるぽっこりお腹、そして慢性的に感じている人が多い腰の痛み。これらもまた、「呼吸」によって改善できるはずだと言うのは、呼吸の専門家「呼吸コンサルタント」の大貫崇さん。今回もまた、悩めるOurAge世代を救ってください!

ぽっこりお腹や腰痛の改善策は、「反り腰」を直していくこと

京都で呼吸専門サロン「ぶりーずぷりーず」を主宰する大貫さんによれば、今回の悩みは本当によくあるパターンだそう。

下腹がぽっこり目立ってきた方、年齢とともに腰痛が出てきた方。実はそれ、『反り腰』が原因になっていることが多いんです。
これがスタイルに影響したり、腰にも大きな負担がかかり、痛みにつながっている女性が少なくありません」

 

「反り腰」ってどんな状態でしたっけ?
次のイラストを見てみましょう。

 

背骨はブロック状の骨が積み重なってできています。背骨は緩やかなS字カーブを描きますが、お腹の圧が抜けると背骨が腰のあたりから反り返り、骨盤が前傾していきます。これを「反り腰」と呼びます。

 

なぜそうなってしまうのでしょう?
「きっかけは、お腹のまわり、特にお腹の前側の圧力が抜けること。つまり、お腹の筋肉が働かない状態が続くことです。特に出産を経験されている女性の方は、お腹が大きくなった時間が長いので、お腹を使うことを忘れてしまう場合もあると思います。

腰は反っていないけどぽっこりお腹、という人は骨盤が前に移動してお腹が出てしまっているという人が多いのではないでしょうか?よく『骨盤が後傾している』と言われるケースですが、これも実は骨盤が前傾したまま前に迫り出していることで、下腹部の圧力が漏れて『ぽっこりお腹』の原因となります。

 

骨盤が前傾した状態が続くと、骨盤の後ろ側についているハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)がいつも伸ばされた状態になってしまい、骨盤が下からの支えを失ってしまうのです。

それなら、もともとの原因である腹筋を鍛えればいいのでは? と思われるかもしれませんが、それだけでは骨盤を正しい位置に戻し、背骨の反りを改善するには力不足。

実は背骨(腰椎)にくっついている横隔膜を味方につけることで、腰や骨盤の負担を減らして修正するのが呼吸の役目なんです!」

 

 

膝と股関節を90度に曲げた姿勢で「きほんの呼吸」を!

では、実際にどんな呼吸で背骨や骨盤を正しい位置に戻していくのかといえば、まず何はなくとも「きほんの呼吸」です。

きほんの呼吸」は、息をすっかり吐ききって肋骨を下げたまま、お腹と胸に同時に空気を入れます。これをマスターしてからのほうが断然効果が上がります。

 

今回、反り腰改善のために覚えたいのは、あお向けに寝て膝と股関節を曲げた状態で行うきほんの呼吸」です。

肋骨を下げたまま呼吸ができるようになると、まずお腹にしっかり力が入り、骨盤を下から支えるハムストリングス太ももの裏側の筋肉)のサポート力も高まります。結果、骨盤の前傾が自然に戻り、背骨の反りが改善されていきます。

 

では、大貫さんの実演を参考に、実際に始めていきましょう。
必要なのは壁のある場所、エクササイズボールかタオル。低い椅子があると理想的です。

 

【反り腰に対抗する呼吸エクササイズ:90-90ヒップリフト】

PRI 90-90 ヒップリフト
Copyright © 2000-2022 Postural Restoration Institute®
Used with permission from PRI Japan LLC

 

【ポイントをCheck!】

 

①あお向けになり、膝と股関節をどちらも90度に曲げて足の裏を壁につけた姿勢を取ります。写真のように低い椅子やボックスなどをかかとの下に入れると、よりやりやすくなります。

膝の間に、エクササイズボールか、たたんだタオルなどを挟みます。内転筋(太ももの内側の筋肉)を感じやすくするためです。

②頭から腰までがベターっと床についていることを感じて。かかとを下(床側)に押しながら、尾骨(尾てい骨)を少し浮かせます。このとき、ハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)を使っている感覚があればOK。

 

③ ②で使ったハムストリングとボールを挟んだ内転筋を感じたまま、「きほんの呼吸」をします。肋骨を下げてキープしたまま、鼻から息を吸い、ゆっくり吐いて、吐ききったところで止めます。これを4〜5回繰り返しましょう。

 

【NGあるある・その1】


姿勢をキープしようと力んでしまうと、腰を反らせたまま呼吸してしまいがち。腰はべったり床に付けたまま、自分の体重を感じましょう。

【NGあるある・その2】


お腹に力を入れて尾骨を浮かせる必要はありません。こんなふうに無理に上げるのではなく、かかとを下に押す力を加えるので、結果的に尾骨が上がってくる程度で十分です。

 

この呼吸エクササイズを2、3セット、1日1回やってみましょう。
継続していくうちに骨盤が自然な角度に戻り、反り腰も改善していけばラッキー。ぽっこりお腹や腰痛の改善も見込めそうです。

 

■■まとめ■■■■■■■
腰痛原因の多くが「反り腰」。ぽっこりお腹の原因にも。
骨盤の前傾(前に傾いた状態)には、お腹と太ももの裏からの支えが必要!
骨盤を自然な位置で使うには、あお向けに寝て膝と股関節を90°にする姿勢で呼吸を。

 

【教えていただいた方】

大貫崇
大貫崇さん
アスレティックトレーナー・呼吸コンサルタント
公式サイトを見る
Twitter

1980年神奈川県生まれ。呼吸コンサルタント。アスレティックトレーナー。京都にある呼吸専門サロン「ぶりーずぷりーず」主宰。大阪大学大学院医学系研究科 健康スポーツ科学講座スポーツ医学教室 特任研究員。呼吸に関連した企業研究や商品開発など法人向け呼吸コンサルティング事業を展開し、アスリートから高齢者まで呼吸目線でのコンディショニングに従事。著書に『きほんの呼吸 横隔膜がきちんと動けば、ムダなく動ける体に変わる!』(東洋出版)など。

 

【呼吸についての悩みや質問、大募集】
呼吸について、大貫さんへの質問を募集しています。
●レッスンの内容でよくわからなかったこと、うまくできなかったこと
●自分の呼吸についての悩みや困ったこと
●呼吸についての素朴な疑問
内容についての感想などもOKです。大貫さんにお答えいただく予定です。
こちらからお気軽にどうぞ!

 

撮影/露木聡子 イラスト/かくたりかこ 取材・文/蓮見則子

 

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