更年期の悩みは、40代・50代以降の女性にとって大きな問題です。ホットフラッシュ、腟萎縮、性交痛、尿漏れなど、悩みは多岐にわたります。今までは、誰かに相談することことすらはばかられる雰囲気がありましたが、「閉経」や「更年期」という言葉は、以前よりオープンに語られる時代になってきました。更年期を少しでも快適に過ごすための情報を発信しているOurAgeの記事の中で、2023年に読まれたBEST10を発表します。きっと手助けになるなにかが見つかるはず。辛いのはご自身だけではありません!
第10位
腟まわりの「ニオイ」「痛み」etc. 医者の私にも起きたリアルストーリー。
始まりは子どもからの「ママ、なんか臭い」だった
2023.10.12公開
「性交痛外来」の医者として、また、腟まわりのプロでもある富永喜代先生。自身については困ることはないのでは…と思いきや、なんと「実は私にも、人には言いづらい腟トラブルがありました」とのこと。
人生というものは、つくづく「後から気づくことのみ多かりし」なんよね。なんのこっちゃ?といいますとね。あれは、私が43歳のときに起きた出来事。
当時まだ小学生だった息子が、ある日、「ママ、なんか臭いよ」とひと言。「へっ!?」とびっくりした私は、勢いに任せて、「何言ってんの! そんなことないよ!!」と、いきなりド否定をかましてしまったのでした。
そのニオイのもとは、腟まわりだったわけですが…。そのときショックだったのは、自分が頭ごなしに、息子を否定してしまったという事実。いつもの自分であれば、そんなふうに断定することが嫌いだから、たとえ子どもであっても言い分を聞いて、物事を判断したいと思ってきたのに。でも、自分の「あそこが臭い」という指摘が恥ずかしいやらつらいやら、それに耐えられなかったんやね。
「そんなことないわよ」とか言いつつも、お風呂に入ろう!と思い立って、服やら下着やらを脱ぐとやっぱり…臭いんですよ。それも下着だけでなく、デニムまで臭い。
でも、お風呂に入る間隔が空いていたわけでもなければ、腟まわりの洗い方が雑になっていたわけでもない。腟まわりの構造はよく理解しているので、立体的に洗うことも心がけていました。それでも。それなのに。一日を終えて服を脱ぐと、パンツもデニムも臭い…。
ニオイの次にやってきたのは何かというと、「Tバックがくい込んで痛い!」という事態。もうね。ニオイとかTバックとか、言いにくいこともバンバンお話ししますけどもね。
そこからはもう、転がり落ちるようにさまざまなことが起きました。
シャンプーをするたびに、ごっそりと毛が抜ける。
不眠が出てきたうえに、とにかく朝、起き上がれない日が増える。
はてには人と話したことを覚えていないという記憶力低下に、抑うつ傾向…。
でね。その後、私は48歳で閉経を迎えたわけですが、そこで「あっ、そうだったのか!」と、ようやくさまざまな不調の原因に思い至ったわけですよ。
そう! それらはぜーんぶ、「更年期症状」やったんです!
更年期というのは・・・
第9位
骨盤底筋が弱い人は「股関節」が硬い!
日常動作とストレッチで股関節を柔らかく!!
2023.03.04公開
くしゃみをしたとき、走ったとき。尿もれが起きてドキッとした経験がある40代〜50代女性は少なくないはず。それは、骨盤の底に位置する筋肉「骨盤底筋」が加齢で弱っているのかも? 骨盤内にある内臓を正しい位置に保ち、尿もれを防ぐ役割の骨盤底筋。日常習慣やストレッチでのリカバリー法を、理学療法士の田舎中真由美さんに伺いました。
「尿もれ」「猫背」「反り腰」「肩こり」「冷え性」「生理不順」などなどの体のトラブルは、インナーマッスルである骨盤底筋が弱っているからだったりします。
その最も多い原因は、股関節を動かしていないこと。
股関節は、球関節といって本来は最もよく動いているべき関節です。その関節が日常の動作で動かされていないせいで、股関節が硬くなってしまっているんです。では、どんな動作に気をつければいいか、チェックしてみましょう
これやってない?日常動作をcheck!
【座るとき】
ビキニラインである股関節を先にしっかり曲げずに、お尻からドスンと座っていませんか?
まず股関節を曲げ、座面には太ももが先に、お尻は最後につきます。背中は丸めないよう前傾姿勢で。座ったとき猫背にならず、「尾骨は座面から離れている」こともポイント。
【立ち上がるとき】
立ち上がるとき、腰を丸めて立たないこと。
背骨は真っすぐにしたまま、足の付け根(股関節)から体を前に起こします。頭もしっかり下げましょう。
ソファなど深い椅子から立ち上がるときは、より骨盤底に負荷がかかるので、尿もれの人は特に、腟をキュッと締めてから上体を起こすようにしてください。
股関節を柔らかくするポイントは…
第8位
セックスするしないに関係なく、フェムゾーンを健やかに保つことはエイジングヘルスケアの要になる
2023.04.10公開
腟ケアを怠ると、女性特有のトラブル誘発の恐れも
富永:もうセックスをしなくていいという人も、何のケアもせずにいると、腟劣化の影響は思っているより大きいですよ。例えば自律神経失調症、尿もれや頻尿、また乾燥やかゆみ、においなど。フェムゾーンを清潔に保つことは人生100年時代、エイジングヘルスケアの要になってくると思います。
富永:先日は帝王切開での出産後、1年半で腟が萎縮し、セックスができなくなった患者さんがいました。帝王切開は腟を押し広げないので萎縮の進行が早いことも。一概に、加齢だけが萎縮の原因とは言いきれないんですよ。じゃあ自然分娩がいいのかというと、出産回数を重ねた人は膀胱や子宮脱など、腟まわりの筋肉が緩んでしまう。
森田:出産の方法によっても、さまざまな問題が付随しますね。
富永:それぞれのケースでケアや対応も変わってくるんですよ。
腟ケアアイテムは悩みや目的に応じて使い分けて…
第7位
つらい性交痛。クリニックではどんな治療をするの?
2023.08.06公開
性交痛は更年期による腟萎縮が原因。
セルフケアで予防はできるものの、「症状が出てしまった場合は治療をしなければ治りません」と喜田直江先生。
さらに「若い頃から腟ケアが習慣になっていれば、年齢を重ねたときも、『あれ、乾燥して腟が硬くなっている気がする』とわかるので、早めに治療ができます。けれど10年20年単位で放置して来院される人はかなりカチカチになっていて、治療器具すら入らないことも」(喜田直江先生)。
つね日頃の意識の差が出てしまうところでもあるとか。
クリニックで行う性交痛の治療には、レーザーやヒアルロン酸の注射、場合によっては女性ホルモンの補充をすることも。
「レーザーでの治療を行うと、粘膜がふっくらして中が伸びやすくなります。またマシンでの治療と並行して、ダイレーターや腟トレボールなどを使って、自宅でも腟の中を広げていく指導も行います」(丹羽咲江先生)。
状態によっては、治療期間が長くなる性交痛。途中で挫折しないためには…
第6位
知っておきたい「腟萎縮」と「性交痛」のホント。
「する・しない・するかもしれない」すべての人に起こります。
2023.09.28公開
「富永ペインクリニック」は、その名のとおり「痛み」に特化した治療を行うクリニック。先生の専門のひとつ「性交痛外来」には、50代以降の患者が急増しているといいます。更年期を境に、女性の腟まわりに起こる変化とはいったい?
腟萎縮は、閉経前後、女性ホルモンであるエストロゲンの減少によって、腟の粘膜が薄くなり、乾燥することで起こります。そうすると、性交痛のほかにも、かゆみ、下着などのこすれによる痛みが出たりします。症状が進めば細菌も繁殖しやすくなり、腟炎を起こしてしまうリスクも高まってしまうのです。
だから、フェムゾーンケアは、必須。逆に言えば、顔と同じようにちゃんと毎日ケアをしていれば、この腟萎縮からくるトラブルは、かなり防げるっていうことなんです!
「先生、久しぶりにしたら、ものすごく痛くて! 助けてください!」
先日も、そう言って弊院に駆け込んできた患者さんがおられました。腟が萎縮すれば、セックスをしたときに性交痛が起こるのは、当然のこと。
でも、紹介したデータのように、そのこと自体を知らない人が女性では7割。男性では8割。さらに、ぼんやりと「女性はいつまでもセックスができると思っていた」という人は、女性は65%、男性は74%もいるというこの現実よ。つまり、日本の40代50代の人たちの性の知識は、ほぼアップデートされとらん! ということなんよ。
だから、久しぶりのセックスをしたら激痛が走って、「何これ!?」となったとき…
第5位
セックスレスは体に悪いって本当?
腟が緩んでしまったり、子宮脱になるのではないかと心配です(57歳)【更年期のフェムゾーンの悩み】
2023.06.21公開
パートナーはいるけどセックスレスの状態が続いているのか、そもそもパートナーがいないのか…。
どちらにしても、したくないということ自体はおかしくないし、年とともに性欲が弱くなっていくのもおかしいことではありません。
腟が緩んだり子宮脱になるのでは、という質問ですが、更年期世代の女性が長い間性交していないからといって、緩むわけではないですね。
そもそも腟は年齢とともに萎縮してくる。
つまり腟の中は逆に狭くなって入らなくなる傾向にあるからです。
また、セックスレスが原因で子宮脱(子宮脱とは、骨盤底筋が弱くなって子宮が腟の外に下りてきてしまう状態のこと)になるということもないはずです。
私の経験上、子宮脱が多く見られるのは、二人以上出産して骨盤底筋のダメージが大きかった方、大きな赤ちゃんを時間をかけて産んだ方、体質的にもともと骨盤底筋の筋繊維が弱い方など。
高齢で子宮脱になっている方なら、娘さんがいる場合、体質は似る傾向にあります。
親子で顔かたちがそっくりなように体型や筋肉の質やつき方も似ているように感じます。
子宮脱もある程度遺伝する傾向がありそうです。
確かにセックスをして腟と骨盤底筋を使っているほうが…
第4位
君島十和子さんの閉経ストーリー
低用量ピルの服用であっけなく閉経。更年期の不安感は睡眠と腸活で改善しました
2023.06.24公開
50代後半でも若くて可憐。以前と変わらない美貌を保ち続けている君島十和子さん。美容家という職業柄、ホルモン変化の波も乗りこなし、閉経への準備も万端にできていたのかと思いきや、実際はちょっと違っていました。数々の不調に向き合う姿勢に、どこか親近感を覚える君島十和子さんの紆余曲折ストーリーです。
──閉経までのプロセスを教えてくださいますか?
「月経がバラバラな状態が数年間続いていました。もともと子宮腺筋症があり、月経痛がひどくなったり不正出血がだらだらと続くようになったんです。婦人科を受診すると『一度、月経を止めましょう』と、低用量ピルを1カ月分出されました。
月経痛もすごく楽になってよかったのですが『飲み終わった頃に月経がきますから』と言われていたのに、結局こなくて、そのままさよなら。閉経したと言っていいと思います。最後の月経は54歳のときでした」
──更年期のつらい不調はなかったように見えますが、実際は?
「50代に入って動悸(どうき)がしたり、肌や髪の毛の乾燥を激しく感じはじめたのがそうだと思っていました。でも、本当につらかったのは閉経後。数年前からの『不安感』ですね。朝起き抜けに、何も心配事なんかないのに、ドキドキして胸が押しつぶされそうな不安感に襲われてしまう。
ちょうどそれがコロナ禍だったので、コロナの影響かなとか、心療内科に行くべきかなと思いました。閉経とはつながらず、何かの病気かもしれないと思ったほどです。
けれど更年期の記事を見ると、症状としてホットフラッシュやめまいなどと並んで、必ず『不安感』というのが出てくる。『これは更年期なのか!』と。インスタライブでその話をしてみると『私も』という人が100人以上もいてびっくり! みんなそうなんだとわかって、気持ちがとても楽になりました。
昔は、更年期自慢みたいで…
閉経への紆余曲折から現在まで、ケアアイテムも紹介してくれています →
第3位
子宮筋腫の手術で子宮を取るとどうなるかイラスト解説。5人の体験談も!
2023.03.26公開
本来、大切にしたいのは卵巣機能を保つこと
「治療について、特に丁寧に説明するのは40代。更年期に入っているものの閉経まで時間がある場合です。対症療法でもまだ症状がつらい。偽閉経療法でも小さくならない。筋腫だけ取るか子宮ごと取るか…。筋腫は再発するのですべて摘出できても後に再手術になる可能性も話すと、皆さん迷います。
そんなときに言うのは、女性ホルモンを出すのは卵巣なので、大事にしたいのはむしろ卵巣であること。近年は、昔に比べて子宮を温存する傾向にありますが、更年期の症状が出て、ホルモン補充療法(HRT)をしたくなったとき、エストロゲンを補充すればまた筋腫を育ててしまうことになり、しかも子宮体がんのリスクが高まってしまうことも話します。そのうえで、子宮を取るか残すかをじっくりと考えてほしいのです」
子宮を取るってどういうこと?
全摘する際、卵巣だけ残し、一般的には子宮体部と頸部を切り取ります。緊急手術などで子宮頸部(子宮の入り口)を残した場合、子宮頸がんのリスクは…
第2位
読者(平均49歳)の56.6%がセックスをしていないと回答。内訳は?
2023.03.26公開
「OurAge」で実施した読者アンケートでは「セックスをしていない」人が半数以上という結果に。性交痛外来のあるペインクリニック院長・富永喜代医師と、日本におけるフェムゾーンケアの第一人者森田敦子さんに、今の更年期以降世代前後が置かれている状況について伺いました。
──読者アンケートの結果では、アワエイジ世代の半数以上が「セックスをしていない」ということが判明。「パートナーがいない」「結婚はしているが夫とはしていない(できない)」など、事情はそれぞれ。この数字についてお二人はどう思われますか? そもそもセックスは、しなければいけないのでしょうか?
富永:リアルな数字だと思います。そして、「しなければいけないのか」の問いに対しては、答えはNO。「したい」人はいつまでもその願いがかなうためのケアをしてほしいけれど、したくない人は、無理にする必要はなし。「もう出産の役目は終わったのだから、したくない」という価値観の人もいますから。
森田:「したくない」と思う人の背景には、お悩み事例(下記)のように、「自分の腟に触ることができない」という人も多いですね。幼児期にお昼寝をしながら性器を触っていたら、「母親から手をたたかれて怒られ、トラウマに」という話は、トークショーの場でもよく聞くんです。子どもとしては「触ることで落ち着く」だけなのに「=悪いこと」と植えつけられてしまう。とかく日本はセックスに対して成熟した価値観が育ちにくい。「したくない」という人が多いのは社会背景にも要因が…
第1位
更年期~汗をかく場所からわかる、あなたの体調は?
2018.06.22公開
漢方カウンセリングでも「汗」は、すごく大切なキーワード。
「汗」をかくか、かかないか、どんな汗か?
どこにかくか?
それが養生法のアドバイスやぴったり合う漢方薬を選ぶ上で重要なポイントになるんです。
特に私たち更年期世代は、更年期障害のひとつホットフラッシュにより急に大量の汗をかいたりすることも多く
人前で、「汗をかきたくない」と思えば思うほど出てくることも。
これは、女性ホルモンの分泌が低下し、汗腺機能の調節が乱れるため。
また、更年期特有の
「氣の乱れ」=「自律神経の乱れ」から、暑くもないのに汗をかいたり、急にほてってきたり、イライラすることで、発汗に。
「どこに汗をかくか」で体調が…
場所だけでなく「どんな汗かも大切です。」そして、汗に対しての漢方薬は? →