小さい頃から運動が大の苦手だった私は「運動すべきなのはわかっているけど、疲れるからイヤだな。劣等感にさいなまれるのも避けたいし」とぼんやり思っていました。3年前までは。
3年前の秋、年末の南米旅行が迫るにつれ「高所や長時間のフライトに耐えられるだろうか」とだんだん不安に。
「とにかく体力をつけなければ!」と一大決心をして、近くのジムに入会し、まずお試し無料のパーソナルトレーニングを受けてみたのです。
これが大正解でした。
実は以前、テニススクールに通っていた時期があったのですが、ド下手だった私はラリーすらあまり続けられなかった。相手に「すみません」と言い続けることに嫌気がさして、すぐに辞めてしまいました。
でも、パーソナルトレーニングは個人のレベルに合わせた運動なので、ひとりで自分なりにがんばればいい。すごく気が楽でした。
さて、みっちり1時間のトレーニングを10日に1回ほど3年間続けて、からだの変化(疲れにくくなった、歩くのが速くなった、肩こりが激減したなど)を実感するようになった先日のこと。偶然書店で見つけたのが、トレーナーさんがいつもおっしゃっていることや私がやっているトレーニングの内容にぴったり合致する本だったのです。それが『女性が医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』。
著者は青学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当している、フィジカルトレーナーの第一人者・中野ジェームズ修一さん。彼が女性向けの運動の本を書いた理由は“男性より女性のほうが健康への意識が高く、医師に「運動しなさい」と言われたら真面目にやらなくちゃと思う人が多いのに、運動を阻む敵があるから”。
その敵というのが、運動習慣のない人が多いこと、そして筋力不足の人が多いこと。
(まさに私がそう!)
そして女性の不調の多くは、筋力不足が原因だというのです。
肥満ややせすぎ、脚のむくみなどになぜ運動が効くのか、そしてどんな運動をすればいいのかは読んでいただくとして、私が一番ドキッとしたのはロコモティブシンドロームの話でした。
ロコモティブシンドロームとは、足腰が衰え、自分の力で日常生活が送れなくなる症状のこと。
「多くの人がロコモ予備軍になっている理由は、習慣的に運動している人が少ないことに加え、日常生活のなかで体を動かす機会が減っていることが原因です」
「ただ筋肉をつけるだけではロコモ対策にはなりません。その筋肉を使って体を動かすために必要な様々な能力も、トレーニングによって鍛えなければならないのです」
この流れで紹介されているトレーニングが、まさに私がパーソナルトレーニングを始めた頃にやっていたあれこれ。たとえば、太もも全体と瞬発力をトレーニングする「反動を使ったフロントランジ&バックランジ」は
① 両腕を下ろして真っ直ぐに立つ。脚を大きく1歩前に踏み出して、腰を落とす。
② そこから反動を利用して、脚を戻して真っ直ぐ立つ。
③ 先ほどと同じ脚を今度は大きく後ろに踏み出し、腰を落とす。
④ また反動を使って元の位置に戻る。足を替えながらこれらを素早く行い、20回×2セットを目標にする。
最近は頭上にプレートを持ち、歩きながらこれを行っていますが、ぐらつきそうになっても「ロコモ予防だ!」と思えば踏ん張れる……ような気がします。
健康や運動に関する本はあまりにも種類が多く、なかには「威勢のいいタイトルだけどホント?」と言いたくなるものもありますが、今回紹介した本は慶應義塾大学医学部スポーツ医学総合センターの伊藤恵梨さんが監修。医学的に正しいこと、男と女では運動のやり方が違うことに主眼を置いているので、やってみる価値ありではないでしょうか。
とりあえず私は「よし、トレーニングを続けるぞ」とかたく決心しました!
モットーは「ちょっとずつでも長く」です。