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タイプ別“コマッタちゃん夫”のコントロール術/定年後の夫を育てるコツ

妻に対して居丈高に振る舞う「亭主関白夫」や、部屋でゴロゴロする「ナマケモノ夫」、はたまた妻にべったりくっついてくる「ぬれ落ち葉夫」たち。今回は妻たちが取り扱いに手を焼いている定年夫の事例とともに、「こんなとき、どうしたらいい?」という対処法について、キャリアコンサルタントの原沢修一さんにアドバイスをいただきました。

コマッタちゃん夫のトリセツ ケース別対処法

 

今回は、身勝手な振る舞いで妻たちを悩ませている夫たちのトリセツを、タイプ別に見ていきましょう。

妻側のアプローチを変えることで、夫を育てることが可能ですよ!

 

【ケース1】
「誰が食わせてやっているんだ!」が口癖の亭主関白夫には
「毎日私が作って食べさせてあげているでしょ?」と、しれっと返す

 

夫婦げんかの際に夫が放つ言葉として、よく聞くセリフがこれ。リビングのソファにドカッと座った夫から「誰が食わせてやっているんだ!」と言われた日には、妻はブチ切れそうになりますよね。

 

ちなみに私の知人は、夫にこんなふうに返したそうですよ。

 

「誰が食べさせているって? 私が作って、毎日食べさせてあげているでしょ。あなたは妻の仕事というものを、まったく理解していないのね。私は家政婦さんじゃないのよ」と。彼女が冷静に返したら、夫はひとまず黙ったそうです。

 

 

もしも夫が黙らずに饒舌になったときは、「うしろめたい気持ちになっている」というサインです。男というのは「うしろめたいこと」があると、よくしゃべりますからね。

 

【ケース2】
仕事一途で、妻との会話が少ない無関心夫には
新聞記事を引き合いに、定年クライシスの話をしてみよう

 

「妻の体調が悪くても心配しない」「妻との会話が少ない」というのは、夫があらゆることにおいて“自分ファースト”であるという表れです。

「私が病気で寝込んだとき、仕事が忙しいと言って、夫は何もしてくれなかった」など、過去の不満がよみがえる人もいるでしょう。

 

時には「夫を脅すこと」も必要です。

新聞記事にこんなことが書かれていたよと、“識者からの提言”として、定年クライシスの話を伝えてみてください。

また、熟年離婚した男性の末路など、より悲惨なケースを話してみましょう。「ひとりぼっちになった男性が孤独死するケースもあるらしいよ」「他人事ではないよ。あなたは耐えられるの?」と、暗に示すといいかもしれません。

 

 

記事が続きます

【ケース3】
ほかの人を褒めると機嫌が悪くなる批評家夫には
「あなたがこんなことをしてくれたら、私はうれしい」と具体的に伝える

 

もしも、あなたが友達の夫の話を聞いてうらやましく思い、「うちの夫も変わってほしい」と願っているのなら、よその夫を褒めるのは逆効果。妻がほかの男を褒めると、気分が悪くなりますからね。

 

むしろ、妻にとって「うれしいこと」「ありがたいこと」を言葉化して、「私はあなたがこんなことをしてくれたらうれしいし、助かるわ」と、具体的に伝えることが重要です。

 

夫が、妻の話を遮って否定的なことを言う場合は、「一応、話は最後まで聞いてほしい。私はあなたに、私の気持ちを聞いてほしいだけなのよ」と伝えましょう。

 

【ケース4】
ぬれ落ち葉のように妻にくっついてくる夫が
妻たちの女子会について来たがったときには、NOと言おう

 

定年夫婦向けの講座をしていると、「自分は妻が生きがいだ」という夫たちが、実は一定数いるんです。でも、妻たちからは「それがいちばん困る!」という声が上がります。

 

そこで私は「夫は定年して暇になったかもしれないけれど、妻はいろいろと忙しいんですよ!」と伝えています。

 

夫がスーパーの買い物についてくる分には、荷物を持ってもらえて助かるときもあるでしょう。でも、それが毎日となると、妻はうっとうしく感じてしまいます。

 

私の知り合いの女性が、こんなことを言っていました。

「夫が四六時中同じ空間にいて、うっとうしくてたまらない。昼食の支度で野菜を切っていたとき、彼がソファに寝そべりながら『今日のお昼はなぁに?』と聞いてきて、なぜか無性に腹が立った。思わず、包丁を投げたくなった」と。

 

中には、妻が友達と女子会をするときにまで、同行したがる夫がいるのだとか。夫がぬれ落ち葉のようについて来たら、妻だって友人達の手前、気まずいですよね。

 

そんなときは先手必勝で対処しましょう。「今日は友だちと会うから」と、妻の行動を夫に予告してください。その際、夫が一緒に行きたがったとしても、仕方なく連れていく必要はありません。妻には妻の世界があるのですから、拒否してOK。夫を置いていきましょう。

記事が続きます

 

【ケース5】
家事を妻任せにするナマケモノ夫には
「これをやってほしい」と具体的に伝えて、「報酬」で手なづける

 

何もしないで家の中でゴロゴロしている夫に手伝ってほしいときは、「○○してほしい」と具体的に伝えるのが肝心。「空気を読んで、察してほしい」と思っていても、夫には伝わりません。

 

「あなたがコレをやってくれると助かるわ」とお願いして、夫がやってくれたときには、「ありがとう」とねぎらいの言葉(報酬)をかけてあげてください。それを繰り返すのが、夫を家事に巻き込むコツです。

 

一方、「妻が仮病を使う」のもひとつの方法。「体調がよくないから、スーパーで買い物してきてほしい」「洗濯物を干してほしい」「ゴミ出ししてほしい」など、やってほしいことを具体的に伝えましょう。

 

「夫に買い物を頼むと、自分が食べたいお菓子など、余計なものを買ってこられて困る」という声もありますが、男にとっては、それもまた「報酬」なんですよ。「お菓子はひとつだけよ」と許してあげてください。

 

【ケース6】

身だしなみに無頓着な夫には
我が子から「お父さん、ちゃんとした格好をして!」と言ってもらう

定年後、外出する機会が減ると、身だしなみをかまわなくなりがちです。そうはいっても、髪がぼさぼさだと困りますよね。

 

そんなときは娘から言ってもらうのが効果的です。「お父さん、そんな恰好で外に出たら、私が恥ずかしいよ。身だしなみはちゃんとして」と娘から注意されると、男親はギクッとするものです。もちろん息子から言ってもらってもいいと思います。妻から言われても響きませんが、我が子から言われると意外と聞き入れるものですよ。

 

 

【ケース7】
部下に対するような命令口調のダメ出し夫には
妻がなんでも先回りしてやってあげるのをやめること!

 

「命令口調」と「ダメ出し」によって、妻をうつ病にしてしまった知り合いが二人います。定年後に家で過ごす時間が長くなると、時計の針が遅れているとか、床にモノが落ちているとか、ちょっとしたことが目についてしまうんですね。気がついたのであれば、夫が自分でやればいいことなのに…。

 

エラそうにしている夫たちを見ていると、妻がなんでもやってあげちゃうケースが多いように思います。すると、夫のほうは「やってもらうのが当たり前」となってしまう。

 

一方、妻は「夫から怒られないように」と先回りして、あれこれやってしまいがち。すると、さらに自分のハードルを上げることになるので、あまり先回りしないほうがいいんです。

 

本来は、若いときから妻が夫を教育すべきですが、今から仕切り直しても遅くはありません。

定年後の夫を育て直すのは骨が折れますが、まずは、妻が外出するときに、夫の食事を夫自身に丸投げするところから始めましょう。には、夫を置いて、旅行に出かけてしまうのも手です。妻が日頃やっている家事全般を、夫に身をもって経験してもらいましょう。

記事が続きます

【ケース8】
妻を理詰めでとことんやり込める夫には
「妻の気持ち」を手紙に書いて伝えてみよう

 

「妻をとことんやり込める」というのは、正論をも歪めてしまう男の「意地」と「プライド」による弊害。妻は当然、反論したいと思っているけれど、諦めて黙ってしまうんですよ。そして、妻の不満ポイントはどんどん増えていきます。

 

では、夫が妻を傷つける言動をやめさせるには、どうしたらいいのか?

 

「なんで、そういうことを言うわけ?」と妻が反論すると、押し問答になってしまいがち。双方が感情的になりやすいので、妻から夫に手紙を書くのがおすすめです。「そのときの妻の心情」を手紙にしたためると、夫の心に刺さります。

 

実は私自身、妻を理詰めでやり込めてしまい、大げんかしたことがありました。その後、妻が私に手紙をくれたのです。そこには「あのときの私がどんなに悲しい気持ちだったか、あなたにわかりますか?」と書かれていました。面と向かって謝ることができずにいた私は、妻に手紙の返事を書いて仲直りすることができたのです。今やメールの時代ですが、時には手書きの手紙もいいものですよ。

 

 

【お話を伺った方】

原沢修一
原沢修一さん
キャリアコンサルタント・シニアライフアドバイザー

大学卒業後、大手エンターテイメント会社に勤務し、58歳で早期退職。定年後、キャリアカウンセラー(現国家資格キャリアコンサルタント)、シニアライフアドバイザーの資格を取得。現在では、定年退職前後のシニアを対象としたカウンセリングやライフプランセミナーなどの講師を多数務めている。 自身の退職後のことを具体的に考えずに会社を辞めたことによる苦悩、定年後の生きがい探しの体験をリアルに綴った著書『男のロマン・女の不満…あゝ定年かぁ・クライシス』(ボイジャー)が好評発売中。

 

 

イラスト/カツヤマケイコ 取材・文/大石久恵

 


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