2泊3日でじっくり温泉を楽しむ「睡眠美人プラン」を満喫!
ミホ 今日宿泊するのは、私の大学時代の先輩、大沼伸治さんが湯守を務める東鳴子温泉の「旅館大沼」。東鳴子温泉は、十数軒ある宿のすべてが違う重曹泉を持つという日本でも希少な重曹温泉地。私が旅館大沼に来るのは、大学時代と30代の頃と、今回で3度目。大沼パイセンは、お湯そのものを大切にする「温泉ファースト」のスピリットが素晴らしく、昔から尊敬しているの。しかも旅館大沼には、源泉が2つ、お風呂が8つもあるから、お湯にこだわるミワさんも喜ぶと思うわ〜。
ミワ 温泉旅行は1泊のことが多いけれど、今回の「睡眠美人プラン」は2泊3日だから、ゆっくりできそうで楽しみ!
ミホ 更年期になると、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりして、睡眠の質が下がるでしょ? 大沼パイセンがすすめてくれた「睡眠美人プラン」は、自分の睡眠や自律神経の状態を測定できるらしく、更年期世代の私たちにぴったりなのよ。
ミワ 私の場合は、この年になっても、布団に入ると「秒で」寝られて、朝まで爆睡できるから、睡眠の悩みはまったくないけどね。
ミホ ミワさんの夜の寝落ちっぷりには、ホント、いつも感心するわ。とりあえず、さっそくチェックインしましょ。
↑本館のトイレ付きの新和室。こじんまりとした落ち着く部屋
ミワ 今回、宿泊する部屋は去年リニューアルしたばかりらしく、清潔感があって木の香りがして気持ちいいわね〜。
ミホ 窓の外の東鳴子の街もとっても静かで、インバウンドやオーバーツーリズムなんて、どこ吹く風って感じ。部屋の水道水が、鳴子の水を活水器でさらにおいしく、体によくした「ディレカ水」になっているあたりも、大沼パイセンのこだわりを感じるわ〜。
ミワ 「睡眠美人プラン」には、「旅館大沼」でもいちばん人気の庭園貸切露天風呂「母里(もり)の湯」の入浴が1日1回、2日分がついているのもオトクね。さっそく入りに行きましょう!
━━ということで、旅館から車(送迎付き)で5分の、小高い森の中にある「母里の湯」へ。
ミワ わ〜、こんな広くて静かで緑豊かな露天風呂をふたりで貸し切りで使えるなんて贅沢!
ミホ 自然と一体化できる感じで、緑の中に溶け込んじゃいそう。
↑「母里の湯」。里山の四季を感じながら湯浴みができる
ミワ お湯は含食塩-重曹泉なのね。とろみがある湯質で、まるで保湿液みたい!
ミホ 今日、鳴子温泉の湯巡りで行った「滝の湯」の刺激強めの硫黄泉と対照的で、この「母里の湯」の湯質はとろりとして、肌に優しくてとっても癒される〜。
ミワ 命の洗濯ができるわ〜。この空間で暮らしたいくらいね。このお湯に入るためだけにでもここに通いたいわ。
━━続いて旅館に戻り、湯守の大沼伸二さんの指導のもと、「睡眠美人プラン」に含まれる自律神経バランス測定をすることに。
ミワ 大沼さんは、そもそもなぜ「睡眠美人プラン」を始めようと思われたんですか?
大沼さん(以下、敬称略) 温泉を利用したウェルネスを考えたとき、やはり健康のベースとなるのは睡眠だなと思ったんですが、忙しい現代人はよく眠れない人が多いみたいで。でも、ここに来るとぐっすり眠れたという声が多いんです。それで、自分の睡眠や自律神経の状態を計測して「見える化」すると、今の自分の眠りの状態が把握できて、何かしら気づきを得られるかもしれないと思ったのが、このプランを作ったきっかけです。
ミホ 確かに今の自分の睡眠や自律神経の状態、気になります。私、ここに来る直前まで、原稿の締め切りに追われて、ストレスMAXだったから、計測結果がどうなるか興味津々…。
大沼 睡眠のほうは、夜寝ているときに計測するので、まずは自律神経のバランスを測ってみましょう。人差し指にセンサーをはめて2分半、脈拍や自律神経の活動度を測定します。
↑ 人差し指にセンサーをつけて計測
ミワ 私の計測結果を見ると、疲労度は70点。気づいていなかったけれど、結構、疲れがたまっていたみたい。自律神経活動度も26点とあまり高くなくて、健康度は60点。仕事に追われる生活を見直さなきゃだわ。
↑ミホの自律神経のバランス測定結果
ミホ 私のほうは、自律神経が乱れまくっていると思っていたけれど、意外にもバランスは整っているみたい。疲労度も59なので悪くないし、健康度も79点と良好。自分の自律神経の状態にも、健康状態にも自信がなかったけれど、さっき入った「母里の湯」の効果が早くも出たのかも!?
ミワ 私は、疲れがたまってるみたいだから、やっぱり湯治が必要〜! 大沼旅館の内湯巡りしましょ。まずは4階にある「陰の湯」「陽の湯」に!
重曹泉の「陰の湯」「陽の湯」で心身を浄化!
ミホ 日が沈む西向きに位置するのが「陰の湯」、太陽が昇る東向きに位置するのが「陽の湯」なんですって。どちらとも泉質は純重曹泉。
ミワ 重曹泉といえば、石鹸みたいに皮膚の汚れを落とす効果がある美肌の湯の代表格よね。ホント、さらりとしたお湯で肌がしっとりすべすべになる感じ。しかも、1〜2人で入るのにちょうどいいお風呂ね。
ミホ 「陰の湯」には、薬石と大量の水晶のさざれが埋め込んであるらしく、なんだか清浄な気に満ちていて、まるでパワースポットみたい。私たちの中のドロドロした悪いものをすべて浄化してくれそうね〜。
ミワ あら、ドロドロした悪いものがたまってるのはミホさんだけじゃない? 「陽の湯」のほうは、浴槽内に高温で焼いた備長焼竹炭が練りこんであるのね、遠赤外線効果で重曹泉がさらになめらかになっている感じ。
↑「陰の湯」。木の壁に月のモチーフが
↑ 「陽の湯」。こちらの壁は太陽の形のモチーフ
夕食は、地元の食材を使った「一汁五菜膳」
ミワ 温泉から上がったところで、いよいよ夕食ね。
ミホ 「睡眠美人プラン」のお食事は、地元の食材を使ったヘルシーな「一汁五菜膳」。睡眠の妨げにならないよう、胃腸への負担がない、ほどよい食事量になっているみたい。
ミワ ちょうどいい量ね。シンプルで素朴なお料理だけれど、味つけがとてもいい! この丸なすの煮物とか、出汁が効いていておいしい〜。薬膳鍋とか茶碗蒸しとか、どれをとっても毒素がからっぽになった湯上がりの体に染み入るわ。
ミホ こういう優しくて素朴な料理、私たち世代にはうれしいわよね。地元の日本酒とか、ソムリエさんセレクトのワインとか、アルコールメニューも充実しているわ♡
ミワ 米どころだけあって、ごはんもふっくらツヤツヤ! 農家仕込みの味噌を使ったお味噌汁もおいしくて腸が元気になりそう。
「薬師千人風呂」「天女風呂」は、肌がトゥルットゥルに
ミホ ひと休みしたところで、女性専用の「天女風呂」と、女性専用タイムもある混浴大浴場の「薬師千人風呂」に入りに行きましょ。「天女風呂」は、天然重曹90%の純重曹泉で、美肌成分と言われるメタけい酸が270を超えているらしく、美容液につかっているようなものね。
↑女性専用の「天女風呂」。古代植物エキス由来のウッディな香りが
ミワ お湯の色が少し赤茶っぽくて、さらに温まり度が高い気がするわ。
ミホ 「薬師千人風呂」のほうは、壁のタイルに天子が描かれていて、お湯に浸かりながらアート鑑賞もできるわね。こちらは食塩-重曹泉・純重曹泉混合泉ね。
↑混浴大浴場「薬師千人風呂」。掘削自噴の湯が自然に流れ込む伝統の風呂
ミワ 1つの宿で2種類の重曹泉を楽しめなんて、2種類の美容液を使い分けているみたいで大満足。もう温泉三昧で、お肌、トゥルットゥルよ〜。
ミホ ミワさん、お肌の透明感が高くなりすぎて、もはや姿が見えなくなっているわよ〜。
━━こうして1日目を大満喫し、翌日は鳴子温泉郷を散策。戻ってからは再び大沼旅館の内湯巡り。まずは「ふかし風呂」へ。
ミホ 「旅館大沼」には「ふかし風呂」があるのも魅力。床下に源泉が流れ込んでいるオンドル式のお風呂で、浴衣のままごろ寝しているだけで温泉の熱で体がポカポカになるの。
↑芳香浴もできる「ふかし風呂」。2〜3人で使うのにちょうどいいサイズで、貸し切りも可能
ミワ うつ伏せに寝ただけで、気持ちよくてウトウトと眠気が…。お腹がポカポカ温まって、ふかしまんじゅうになった気分〜。
ミホ 源泉が流れ込む湯音と、アロマの香りも安らぐわね〜…って、ミワさん、もう寝落ちしてるやん!
━━2日目も温泉三昧&食事を楽しんだ後、夜は「睡眠美人プラン」に含まれる睡眠中の脳波測定にトライ。事前に受け取っていた計測機器を装着。
ミホ 睡眠中の脳波測定って医療機関でしかなかなか受けられないけれど、私は、更年期のせいか寝つきは悪いし、途中で目が覚めることも多いから、1度受けてみたいと思っていたのよね〜。湯治しながら受けられるなんてうれしい。
ミワ しかもノーベル賞候補とも言われている睡眠の権威、筑波大学の柳沢正史教授監修のデバイスというのも本格的。装着したらすぐ布団に入らなきゃだから、装着してもう寝ましょう。
ミホ 私、今晩、睡眠の測定するのをわかっていながら、夕食のとき結構お酒飲んじゃったから、眠りが浅くなるかも…。って、ミワさん、またまた、もう寝落ちしてるやん!!
━━翌朝、デバイスを外して、結果をチェック。
ミホ 私の計測結果を見ると、寝つきまでの時間は8分と、いちおう合格範囲内だったけど、お酒を飲んだせいか、途中で目が覚めちゃって、しばらく眠れなかったの。結局、睡眠時間が5時間12分と少なめで、深い睡眠の割合も少なめ。睡眠スコアは50と、イマイチな結果だわ〜。
ミワ ミホさんはお酒の飲み過ぎが原因よ。そういう私は、寝付きまでの時間が3分! これって、のび太くんにも自慢できるわよね! 深い睡眠の割合も多くて、睡眠スコアも77と、なかなか優秀! もともとよく寝るほうだけれど、温泉効果で普段よりさらに睡眠の質がよかったのかも。ますます睡眠に自信をもてたわ。
ミホ さすがミワさんね。私も飲みすぎなければもう少しいい結果が出たかも……。睡眠を見直すいいきっかけになったわ。
↑ミホの睡眠経過図。睡眠の状態がグラフで可視化される
━━そんな「睡眠美人プラン」の湯治旅も終了。
ミワ 今回思ったのは、今まで温泉旅行は1泊2日が多かったけれど、2泊すると慌ただしくなく、本当にのんびりできていいわね。これからは最低2泊3日はしたいわ。
ミホ 特にここみたいにお風呂がたくさんある宿は、2泊はしないともったいないわよね。私の場合は、気心知れた先輩の宿というのもあるかもしれないけれど、本当に居心地がよくて、ずっといたくなる宿だと再確認。湯治用の部屋もいい感じだったから、今度は湯治部屋に泊まって長めに滞在するのもいいわね。
ミワ お部屋のマットレスもいいものを使っていて心地よかったし、アメニティも必要なものはそろっているし、過剰じゃなく、ほどよくかゆいところに手が届くサービスは、暮らすように旅をする湯治にぴったり。私も初めて来たのに、なんだか懐かしい感じがして、またすぐここに帰って来たいわ〜。
ミホ 大沼パイセンによると、「旅館大沼」でお湯の素晴らしさに目覚めて、仕事を変えちゃった人もいるらしく、ここに来たことで運命が変わる人も多いとか。常連さんの間では「転機の湯」とも呼ばれているらしく、まさにパワースポットなのかも。本物の温泉の素晴らしさを体感したいなら、ぜひ「旅館大沼」に足を運んでほしいわね! 次回は、そんな大沼パイセンに、これからの「現代湯治」について語っていただきます。
百年ゆ宿 旅館大沼
〒989-6811 宮城県大崎市鳴子温泉字赤湯34番地
Tel:0229-83-3052
「睡眠美人プラン」2泊3日(朝夕2食付き)
平日1名1室¥49,800 平日・2名1室¥44,300
※土曜・休前日は¥1,100増し
取材・文/和田美穂