ミワ ミホさん、温泉源泉数日本一はどこかご存知?
ミホ 由布院が2位で別府が1位でしょ? 由布院の自慢話のときに教えてくださったじゃない(笑)。
ミワ そうだったわ(笑)。実は、別府は源泉数だけでなく、温泉の湧出量も日本一!
ミホ えっ、湧出量も⁉ まさに温泉好きの聖地ね!
ミワ その通り! 別府には「別府八湯」と呼ばれる温泉地が8つもあって、それぞれに泉質などの特徴が違っていて、たくさんの共同温泉があるのよ。
ミホ 温泉地が8つも⁉ それは天国のような場所ね。温泉強者の私たちでも、一日じゃとうてい入りきれないわ。
↑高台から臨む別府の町。温泉の湯けむりがもくもく出ていてテンションが上がります
ミワ そうなのよ。残念ながら私も時間がなかったから、駅から近くて、ほかではなかなか入ることができない温泉を選んだの。それが今回ご紹介する砂湯のある「竹瓦(たけがわら)温泉」よ。
↑一見、共同温泉に見えない風情のある外観が目印
ミワ 竹瓦温泉は「別府八湯」のうちの「別府温泉」のひとつ。別府駅からは徒歩10分以内だからアクセスがいいのも魅力。
ミホ 外観も素敵ね♡ 街中にこんな素敵な温泉があるなんて、今すぐ別府に引っ越ししたくなるわ。
ミワ 私もそう思ったわ。竹瓦温泉の唐破風(からはふ)造りの情緒ある建物は別府温泉のシンボル的存在なんですって。ここで私が体験したかったのが「砂湯」。
温かい砂に抱かれる至福の時間♡ 砂湯を初体験
↑こちらの砂湯は定員8名。あお向けになると砂かけさんが砂をかけてくれます
ミホ こんなおしゃれな建物の中で体験できるの? うらやましい!
ミワ 私も一度ぜひ砂湯に入ってみたかったの! ここは国内外の観光客にとても人気ですぐにいっぱいになってしまうと聞いて、朝8時の砂湯に入るために、7時半に整理券を取りに温泉へ行ったのよ。
ミホ お早いわね~。朝から砂湯⁉
ミワ 早めに現地に伺って整理券をとったほうが良いと前情報を得ていたの。でも私と同じような考えのマダムが2人、私より先にお待ちだったのよ。
ミホ きっと温泉感度が高い方ね。
ミワ そうね。前日、由布院に行ったとおっしゃっていたから、私と同じ温泉好きさんだったわ。砂湯待ちをしている間に楽しくおしゃべりをしていたら偶然にも同じ歳⁉だということが判明(笑)。お友達になって連絡先も交換したのよ。
ミホ そういう旅先での出会いも温泉の魅力ね!
↑大きなのれんをくぐると男女別の脱衣所で浴衣に着替えます。その奥の砂湯は男女いっしょ
ミワ そして時間が来たらスタッフの方に案内されて、お二人のマダムといっしょに砂湯の脱衣所へ。
ミホ この暖簾、気分が上がるわね!
ミワ そうでしょ⁉ 見ているだけでワクワクしたわ。脱衣所で砂湯用の浴衣に着替えてから、砂かけさんが砂をかけてくださるの。これがそのときの写真(笑)。
記事が続きます
ミホ (爆笑)。まるでツタンカーメン!
ミワ スタッフの方にお願いすると写真を撮っていただけるのよ(笑)。
ミホ 素晴らしいサービス! それで肝心の砂湯はどんな感じだったのかしら?
ミワ ひとことでいうと天国♡ 温かい砂の重さが本当に心地いいのよ。わかりやすくお伝えすると1~2歳の子ども、または、ペットなら猫2匹か中型犬をあお向けで抱っこしてハグし合っている感じね。心地よい重さと温かさのハーモニー♪
ミホ イメージがわくような、わかないような…(笑)。
ミワ ミホさんにも異次元の心地よさをぜひ体験していただきたいわ! そして砂湯の中であお向けのまま15分、うとうと夢の中をさまよって…。体が芯からじわじわと温まってきて、思い出してもあぁ~極楽♡
ミホ でも突然ホットフラッシュが襲ってきたらどうすればいいの? 怖いわ…。
ミワ ミホさん、心配ご無用よ。暑くなったり、苦しくなったりしたら、砂から手を出せばすぐに砂をはずしてもらえるし、15分経たずに砂湯から出ることもできるわ。
ミホ それは安心ね。
↑こちらのあがり湯を浴びて砂を落とします
ミワ 15分経ったら浴衣を脱いで、あがり湯でしっかり砂と汗を落として終了。砂湯は普通の温泉とは違った気持ちよさを味わえて、とても新鮮な体験だったわ。ちなみに砂湯もちゃんと泉質表記があるのよ。
ミホ ただ砂を温めているだけなのかと思っていたわ⁉
ミワ ナトリウム・カルシウム・マグネシウム−塩化物・炭酸水素塩泉。筋肉や関節のこわばりをほぐしてくれるの。
ミホ 手指のこわばり…。更年期世代あるあるね! 竹瓦温泉の砂湯は私たち世代にはピッタリの温泉ね。
別府温泉の作法を知って、地元民のように温泉を楽しむ
ミワ 砂湯もいいけれど、竹瓦温泉には「普通浴」と呼ばれる普通の温泉もあるのよ。お二人のマダムは前日に入っていらっしゃったので砂湯でお別れして、私は一人で普通浴の温泉へ。そちらに入浴する前にスタッフの方とおしゃべりついでに別府温泉の作法を教わったんだけど、それがすごくためになったのよ。
ミホ 別府温泉の作法? 知りたいわ!
ミワ でしょ? ではレクチャーさせていただくわね。
1 先にご入浴中の方にあいさつをする
当たり前のようで意外に忘れがちよね。由布院とラムネ温泉の回でもご紹介したけど、あいさつをすると地元のマダムと一気に打ち解けて、いろいろ教えて頂けたわ。だから礼儀というだけでなく、お得なこともいっぱいね!
2 かけ湯をして浴槽に入る
温泉好きなら当たり前の行動。でも、できればちゃんと体を洗ってから入るほうがベターね。
3 勝手に加水しない
地元の方は熱いお湯好きが多いそうなの。だから、もしどうしても加水したいときには、「水を入れていいですか?」と一声かけることを忘れずに。
4 浴槽のフチに座らない
これが一番驚いたこと!東京をはじめ、ほかの地方の温泉で温泉につかって熱くなると、浴槽のフチに座って体を冷ますことが多いでしょ? 別府でそれはNG。所説あるそうなんだけど、温泉に浸かったときに浴槽のフチに頭を乗せてくつろぐことが多いのですって。頭を乗せる場所にお尻を乗せるのはイヤよね。だから、浴槽のフチに座るのはNG。体を冷ますときには一度湯船から上がって、お風呂のイスに座って休憩しましょう。
5 タオルを湯につけない
6 髪の毛を湯につけない
5と6は常識ね。別府に数ある共同温泉地元の方たちが毎日入るお湯。そちらを観光客もおすそわけしていただいているのですもの。地元のルールに従って温泉に入らなくっちゃ。それを守れば地元の方といっしょに温泉を満喫できるわ。
ミホ 先にルールを知っておけば、より心置きなく温泉を楽しめるわね!
ミワ 私も作法通りに竹瓦温泉のお湯をいただいたわ。ここは浴室の天井が高くて、とても解放感があって気持ちのいい空間なの。砂湯に入らなくても、普通浴だけでも入る価値ありの温泉ね。ここは珍しいことに男女で泉質が違うのですって。
ミホ さすが温泉県・おおいた! 泉質が豊富ね。
ミワ とはいえ男湯は入れないけど、女湯は筋肉や関節のこわばりにもいいといわれる、ナトリウム・カルシウム・マグネシウム−塩化物・炭酸水素塩泉。
ミホ 砂湯と普通浴を堪能したミワさんの筋肉と関節は、ほぐれまくったわね(笑)。
記事が続きますミワ おかげさまで体が軽くなりました(笑)。そしてお風呂から上がったら、昭和っぽさを残した懐かしい雰囲気のロビーで、コーヒー牛乳を飲む…。最高の朝風呂体験♡ ミホさん、別府にはまだまだたくさんの温泉があるから、今度来るときは別府に数泊して、いっしょに「別府八湯」をめぐりましょうね!
Data
竹瓦温泉
住所 大分県別府市元町16番23号
☎ 0977-23-1585
営業時間 普通浴 6:30~22:30
砂湯 8:00~22:30(最終受付21:30)*最大8名同時利用可。
休館日 第三水曜日(祝日の場合は翌日)
入浴料金 普通浴:大人(中学生以上)¥300、小人¥100(小学生未満は無料)
砂湯:¥1500(6歳以上入浴可能)
【ミホ&ミワ プロフィール】
ミホ
健康、医療、美容、ダイエットをテーマに雑誌やWEB、書籍で執筆するヘルスケアライター。ワインエキスパートの資格あり。20年以上前に温泉ソムリエを取得。温泉と酒と鉄道をこよなく愛す。特に秘湯が好きで、過去に「日本秘湯を守る会」のスタンプ帳を2回コンプリートした経験あり。最近ハマっているのは推し活(平野紫耀くん強火担・Number_i箱推し)。
ミワ
ダイエット、美容記事のほかトラベル媒体でラグジュアリーホテル、宿の取材歴多数。健康と美容と旅を追求するヘルスケア&トラベルライター。温泉好きが高じて温泉ソムリエを取得。温泉とマッサージと猫をこよなく愛し、いいお湯を求めて、全国の温泉を渡り歩く。
取材・文/山本美和