これね、私がかなり幼い頃から、母がよく言ってた言葉なのよ。
米粒…この場合、炊いたご飯のことだけど、おかまや茶碗や弁当箱の中にあってこそありがたくいただけるもので、それ以外のところにあったらかなりの嫌われ物よね。
例えば 床に落ちたご飯…スリッパやソックスや裸足でさんざん踏まれた床に、ベタっと落ちたご飯を再び食べようと思う人はいるのであろうか?これを3秒ルールで処理するのはかなりきつい。テーブルの上でも、悩むなあ…うっかり踏んでしまったら最悪だわね。
これと同じく髪の毛って、頭に生えていてこそ価値あるものであって、いったん毛根から離れてしまえば相当の嫌われものよね。部屋にバラバラと落ちてる髪の毛を見て、他人の髪だと嫌だし気味悪いけど、自分の髪だと愛おしい♡と思う人は、いるのであろうか?
つまり!たとえ髪の毛やご飯のように、ありがたいモノであっても、あるべきところになかったら、意味がないを通り越して邪魔な存在ってことよ。宝の持ち腐れですね。何ごとも、あるべきところにあってこそ貴重な存在になるという、我が母のありがたいお言葉でありました。
まあこれをポジティブ思考で言い換えれば、自分の人生イマイチだな~とくすぶってる人も、自分自身の長所と短所を願望・妄想を捨てて(←コレとても大事)正しく再確認して、自分が本当に輝ける場所を再検討してみるのもアリですね。
自分自身が思う自分と、他人が思う自分ではけっこう違いがある人が多いから、『本当の私を誰もわかってくれないの』とか小娘のような考えを捨てて、諦めて世間に順応するのも 一つのテクですよ。
私の知り合いの話だけど、編集者に憧れて出版社に入ったんだけど、クリエイティブな才能は残念ながら…でした。それですっかり意気消沈してたんだけど、ある時、営業職に異動したら急に元気になっちゃいました。もともと社交的で、お酒が強いってこともあって、なんと1年後には営業部のエースですよ(笑)。
適材適所って、やっぱ大事よね。
そういえば、この話をしていて、昔、流行ったカロヤンという育毛剤のCMを思い出した。「抜け始めてわかる、髪は長~い友」というキャッコピーで、これで「髪」という漢字を覚えた人も多いのではと思います。これ考えた人!天才だわ!
それにしてもシミジミしみじ〜み、昨今の一条はこのコピーが身にしみるお年頃よ。今日も起きて枕を見たら、お友だちが4〜5本討ち死にしてました(ノД`)シクシク
「5愛のルール」りぼん1975年7月号扉
取材・文/佐藤裕美
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