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ストレスをケアするstep1&step2:自分の感情を知る

田中ウルヴェ京

田中ウルヴェ京

1967年生まれ。ソウル五輪シンクロ・デュエット銅メダリスト。米国大学院修士(スポーツ心理)。メンタルトレーニング上級指導士。IOCマーケティング委員。IOC認定アスリートキャリアプログラムトレーナー。報道番組・企業研修・講演・著書多数

今回から数回に分けてストレスをケアするための「4ステップ」をご紹介。まずはステップ1&2で自分の感情を知り、日頃の感情の傾向をチェックしましょう。心のモヤモヤを整理する第一歩、さっそく始めてみて。

 

 

ストレスをケアするための
「4ステップ」とは?

 

自分の感情や行動を知って
おくと、対策が立てられる

ストレスとうまくつき合うためのメンタルトレーニング法として、ウルヴェさんが推奨するのが4つのこと。

 

「まずは、人間の感情について整理しましょう。骨や筋肉について知っておくと体のケアがしやすいのと一緒。心のケアも、心の仕組みを知ることが解決への早道です」

 

次に、怒りやすい、焦りやすい、落ち込みやすいなど、自分の日頃の感情の傾向をチェック。

 

「自分の感情を認める作業は意外に難しいものです。特に、怒りの感情はあってはならないと思い込みやすいのですが、『怒ってはダメ』と感情を押し殺すことは、むしろ健全ではないんです。そうした感情はあっていい、と自分を認めてあげることが大切です」

 

さらに、その感情がわき上がったときに伴う行動を思い出してみて。例えばカッとなると怒鳴る、物に当たる、黙り込むなど、なんらかの傾向があるといいます。

 

「そして最後は、その感情をコントロールするスキルを身につけること。負のエネルギーをまき散らしたり、落ち込んだりしているだけでは、ストレスの本当の原因に向き合うことはできません。でも、自分の感情や行動パターンをきちんと把握しておくと、たとえ怒りの感情がわいてきても『今、怒った理由はなんだろう』『どんな行動を取ればいいだろう』と、冷静に、建設的に解決策を考えられるようになります」

 

 

STEP 01

自分の感情を知る

心の整理術 ステップ1

自己否定せず、
わき上がってくる感情を認める

上の図はラッセルの感情の次元理論をもとに人間の感情を4つに分けたもの。うれしいとき、怒っているときは交感神経が優位になり心拍数が上がるなど、感情は体にも作用。「プラスの感情がいいとか、左半面のマイナス感情をなくそう、という話ではありません。マイナス感情がある人ほどプラスの感情も感じやすく、感受性が豊か。マイナス感情はあって当たり前、怒りや落ち込みにも理由や正当性がある、と自分を否定しないことがとても大事です」

 

 

 

ステップ2については次のページへ。

STEP 02

感情の傾向を知る

心の整理術 ステップ2

自分がなぜそういう感情になるか、
興味を持って観察してみる

怒りっぽい。プレッシャーに弱く焦りやすい。自信がなく、すぐ落ち込む。あきらめやすい。など、人それぞれが持つ感情には傾向が。「傷つくようなことを言われても何も感じない人や、何をしても楽しくない、と無気力になる人がいます。過去に人間関係で失敗して、言いたいことを言えなくなる人も多いのですが、自分を押し殺していると、やる気や楽しいといった感情まで抑え込んでしまいます」。さっそく、自分の感情を観察して。

 

 

 

 

次回は「ストレスをケアするstep3:どんな行動になるか知る」をご紹介します。

 

 

 

 

撮影/小山志麻〈ウルヴェさん〉 イラスト/かたおか朋子 取材・原文/矢沢美香(STRIPE) 撮影協力/白金imakara

 

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