元気になれる! キレイになれる! と好評連載のコラム「毎日のツボ」は、鍼灸師、深町公美子さんによる目的や症状に 合わせたツボを紹介するシリーズ。"素人でも自宅で毎日でき る簡単なツボ""健康だけでなく、ココロや美容へのアプローチも できる"として人気を集め、連載は100回超え!
そこで、新シリーズとして 選りすぐりのツボをピックアップ。さらに、新しく教えていただいたツボも合わせて3Dイラスト付きの決定保存版としてご紹介します!
「更年期」「美容」「心を癒す」「頭と目の疲れ」といった、OurAge世代が気になる4つのカテゴリーに分けたご紹介する新連載。まずは、実際にツボ押しをする前に知っておきたいこと、効果を上げるポイントを深町公美子さんに教えていただきました。
東洋医学は予防医学
東洋医学は予防医学ともいわれているように、全身の調子を整えることにより、自己免疫力を高め、いつも健康体でいられるようにと考えます。例えば、肌の不調は全身の不調和のサインと考え、シミが頰にあるならば、そこは胃経という「経けい絡らく」があるところなので、胃の調子を整えていくことも治療に加えます。その全体像をつかむのはなかなか大変ですが、今回は目的や症状に合わせて選べるツボを紹介しますので、ぜひ味方となるツボを見つけてください。
なぜ、ツボがきくの?
「ツボ」はひとつひとつが独立したものではなく、体全体をつなげ るポイントとして存在しています。体が不調を訴えるとき、現代医 学でも血液循環の滞りが生じていると考えられています。東洋医学 ではその「気」「血」「水」の滞る場所が紛れもない「ツボ」なので す。そんな滞りを押すことで「気」「血」「水」の流れが正常になり、 結果、体の不調が軽減されていくわけです。ですから、すぐきくツ ボもあればじわじわきくツボもあるわけです。
ツボの取り方
体正面のツボを押すときは、両手の中指(または 人差し指)をツボに重ね合わせて押すと、力加減 が調整できます。
ツボ押しの説明の中で指2本分、3本分、4本分 と書いてある場合、外側にくる指の端のラインの ところがツボの位置になります。
経絡とは?
「経絡」はその流れがつながっていく12経絡と、体のお腹側の中心 (任にん脈みゃく)と背中側の中心(督とく脈みゃく)を縦に走る経絡のふたつを加えて14経 絡あります。12経絡は決まった流れがあり、それはまるで血液循環 のようです。ツボはこの経絡上にあるので、痛いところを押さなく ても、局所から離れたツボを押しても効果を発揮するわけです。そ れがツボの大きな特徴といえます。
経穴とは?
東洋医学でいう「経穴」のことを一般的にツボと言います。体の内 部になんらかの不具合が生じると、経絡を通じてその臓器とつなが りがあるツボにも反応が生じることがわかっています。ツボは体の 表面にありますが、ツボを刺激することで体の「気」や「血」や 「水」の流れがよくなり、体そのものの不調が改善されるといわれ ています。ツボ押しは基本的に人間の指を使ってする治療なので、 いつでもどこでも、自分自身でできるのが利点です。
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気・血・水とは?
東洋医学では、自然治癒力をスムーズに呼び起こすために、「気」 「血」「水」の滞りをなくして流れをよくすることが大切だと考えま す。「気」は生命エネルギーで、「血」は体の栄養になるさらさらと した流れのもの、「水」はきれいに澄んでいて生命維持に欠かせな いもの。この3つが体中をバランスよく駆け巡っていくような状態 を保つことができれば、体が本来もっている自然治癒力が引き出さ れ、免疫力を高めることができるわけです。
上に示したのは12経絡 のうちの胃経(ピンク)と 脾経(黒)の大まかな流れ。 このふたつの経絡は体の 左右に同じように流れて いて、それぞれの経絡上 にツボがあります。
次回から、「更年期の気になる症状」にきくツボを5回に分けてご紹介します。第1回は「女性ホルモンの乱れ」対策のツボです。お楽しみに。
撮影/板野賢治 ヘア&メイク/渡辺真由美 モデル/林 加奈子
イラスト/福井信明(HOPBOX) 原文/佐藤素美