たるみを改善するうえで筋肉へのアプローチのほかに欠かせないのが、顔の"リガメント(靱帯)"のケア。その役割から具体的なケア法までを詳しくご紹介!
リガメントが衰えると、
皮膚や脂肪を支えきれずたるむ!
〝リガメント〟とは聞き慣れない言葉だと思いますが、実は顔のたるみに大きくかかわっているものです。
「リガメントとは靱帯のことで、貝柱のような細いひも状の繊維組織です。リガメントには顔表面の皮膚や表情筋を骨にしっかりとつなぎ、脂肪を支える役割があります。顔のたるみをベルトのように押さえてくれている重要な組織なのです」(小野晴康先生)
こんなリガメントですが、加齢やストレス、食いしばり癖などさまざまな要因で劣化していってしまうそう。
「リガメントが劣化すると硬く細くなって皮膚や脂肪を支えきれなくなり、顔がなだれを起こすようにたるんでしまい、顔が大きくなる原因にも」
これを防ぐためにも不可欠なのがリガメントのケア。
「おもなリガメントは顔の5カ所にありますが、自分で簡単にケアができ、それによりリガメントの再生が促され、たるんでいた皮膚や筋肉が引き上がりやすくなります。5つのリガメントごとにフェイスラインや目元、口元などケアすると引き上がるパーツが異なるので、悩みに合わせて行いましょう」
5つのリガメントの場所と詳しいケア法は次回以降をチェック!
リガメントとは?
皮膚を支える貝柱のような顔靱帯
顔の皮膚や脂肪を支える顔のリガメント(靱帯)。顔の骨と表情筋や皮膚をつなぐ貝柱のような繊維状の組織で、流動性のある脂肪を支えて落下をくい止め、たるみを防いでいます
若い頃はリガメントがピンと張り、貝柱のように顔の皮膚や脂肪と骨をつなぎ、落ちないようにしっかり支えているため、肌にハリがあります
加齢などでリガメントが衰えると、硬くなったり、伸びて緩んでしまい、皮膚や脂肪を支えきれずに〝なだれ〞を起こし、たるんでしまいます
次は5つのリガメントの場所をご紹介。
パーツだるみは5つのリガメントケアで改善!
耳下腺(じかせん)リガメント
耳の横にあり、フェイスラインを引き上げているのが耳下腺リガメント。このリガメントが衰えると、フェイスラインがたるんだり、顔が大きくなったり、二重あごの原因にもなります
衰えると…
フェイスラインのたるみ
二重あご
眼窩下(がんかした)リガメント
目の下の骨のきわあたりにあるのが眼窩下リガメント。目を引き上げる役割があるので、衰えると目の下がたるんでしまううえ、目元が"なだれ"を起こし、目が小さく見える原因にも
衰えると…
目のたるみ
頰骨(きょうこつ)リガメント
頰を引き上げているのが頰骨リガメント。このリガメントが衰えると、頰の皮膚や脂肪がなだれを起こしてたるみ、ブルドッグフェイスに。顔幅も大きくなってしまいます
衰えると…
ブルドッグフェイス
咬筋(こうきん)リガメント
耳下腺リガメントの前の嚙み合わせの部分あたりにあるのが咬筋リガメント。このリガメントが衰えると、ほうれい線が目立つうえ、口角もたるみます。食いしばり癖があると劣化しがち
衰えると…
ほうれい線
口角のたるみ
下顎(かがく)リガメント
口角の斜め下あたりにあり、フェイスラインから首を引き上げているのが下顎リガメント。衰えると、ほうれい線が目立つようになったり、フェイスラインや首のたるみを招きます
衰えると…
ほうれい線
首のたるみ
フェイスラインのたるみ
次回はパーツだるみを根本改善するリガメント再生メソッドをご紹介します。
撮影/玉置順子(t.cube) ヘア&メイク/広瀬あつこ モデル/栗本奈央 スタイリスト/程野祐子 構成・原文/和田美穂