バッグ感覚で楽しむポップな風呂敷
かつて日本人の持ち物を包むものと言えば、風呂敷。どんな形のものでも包め、下げたり、背負ったり運ぶのにも好都合の万能の布です。明治以降、洋装、そして鞄の普及に伴い、その登場の場は、以前よりかなり狭くなっていました。でも、今、その従来の風呂敷のイメージを変える、ポップでモダンなデザインの風呂敷が、京都では人気に…。
東山の風呂敷専門店の「京都 掛札」は、オーダーメイドの家紋入りの正絹の風呂敷などを扱う老舗。ここの若き兄弟が、風呂敷に新たな風を吹き込みました。彼らが手掛けた風呂敷は、スカーフを思わせるおしゃれな模様と配色。パターンのモチーフは、牡丹の花や蝶、星、蔦などで、斬新な感覚により、見事にアレンジされています。現在、25種類の文様で、色違いも展開。約1メートル四方のたっぷりサイズの風呂敷は、丈夫で、扱いやすい木綿でできています。
そもそもどんなものでも包める万能布の風呂敷ですが、唯一の欠点は、従来の結び方では、物の出し入れがしにくいこと。中のものを取り出すには、一度、結び目をほどき、そして再び結ばなければなりません。鞄のように簡単に物が出し入れできたら…。そんな思いを「京都 掛札」が叶えました。例えば、持ち手になるハンドルをつけたり、工夫した結び方により、バッグのような形に…。上の部分の隙間から手を入れれば、中の物の出し入れも簡単。結び方で、サイズの変更も可能。ショルダーバッグのように肩から下げることもできます。
また、なかなか容量もあり、お買い物も本当に便利。一般的なエコバッグより、おしゃれで、高級感も漂っているのも魅力的。中に、小物をまとめたバッグを持てば、これひとつで外出は十分。さらに、便利なのが旅行の時、風呂敷なので、たためば、平らになり、スーツケースでもかさばらず、必要な時にバッグに変身。また汚れても家で洗えるところが、バッグとの違いです。
ハンドルの色もいろいろあり、風呂敷とのコーディネートも楽しめます。結び方などは、お店で丁寧に教えてくれます。旅好きには、1枚あったら便利な風呂敷…。思わず京土産を買いすぎてしまうかも…。
京都 掛札
京都市東山区東大路通古門前上ル高畑町609 ☎075‐821-3230
営業時間:10:00~18:00 火曜休み(祝日の場合は営業)
小原誉子
ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」