どうしてシミってできるの? シミの種類は? ずっと気になっていた顔のシミについて、皮膚科専門医の松浦佳奈さんにお話を伺いました。
お話を伺ったのは
松浦佳奈さん
Kana Matsuura
自由が丘クリニック皮膚科部長。皮膚科専門医。シミや肝斑、そばかすなどの治療には定評が。ピコレーザーをはじめとする最新の治療マシンにも詳しく、臨床経験も豊か。先生ご自身もシミひとつない、つるつるの透明美肌の持ち主
シミといっても多種多様。一般に数種が混在しています
年々、濃くなり数も増えてきたような気がするシミ。実は、種類も増えているかもしれません。というのも、ひと口にシミと言っても、下のイラストのように多種多様。
「数種類が混在していて、それぞれ治療法や治療期間が異なることも少なくありません」(松浦佳奈先生)
肝斑
輪郭があいまいで、もやもや広がっていることも。多くは左右対称。
ADM
思春期以降に発症しやすい遅延性のアザ。通常のシミとは違います。
脂漏性角化症
そこだけ厚く盛り上がっているシミ。じわじわ大きくなる危険が。
雀卵斑
いわゆるそばかす。遺伝的な要素が強く、紫外線で濃くなります。
老人性色素斑
いわゆるシミ。輪郭がはっきりしていて長年放置すると脂漏性角化症に。
炎症後色素沈着
ニキビや摩擦刺激、かぶれなど、肌トラブルによる炎症が起こした色素沈着。
どうしてシミってできるの?
肌の機能が低下してメラニンが過剰な状態に
シミ=色素沈着という言葉から、肌表面が黒く染まっていると誤解されがちですが…。
「メラニンは表皮の底近くにあるメラノサイトという細胞がつくっています。シミは、その働きが必要以上に活性化し、メラニンが過剰に存在している状態です」
紫外線を受けてメラニンをつくるのは健常な肌の営みですが、加齢により肌の機能が低下したりエラーを起こすと、メラニンを過剰に生成することに。さらに加齢でターンオーバーのリズムも滞りがちなので、メラニンが肌に滞留してしまうのです。
「レーザーなどでメラニンを壊せばシミは改善可能ですが、そもそもの原因である低下した肌状態を整えることが大切です」
レーザーで即解決!ではなく、改善のための第一歩と考えましょう。
健康な肌はターンオーバーが正常に働くので、垢と一緒にメラニンも肌の外に排出される。一方、シミが出来てしまう肌はターンオーバーが低下しているので、メラニンが肌内部で蓄積されシミになってしまう。
撮影/小山志麻 イラスト/かくたりかこ 構成・原文/近藤須雅子