こんにちは、水ソムリエ&水鑑定士の竹村和花です。
日に日に気温のあがり始めるこの季節は、1年で一番「水を飲むという」習慣を身につけやすい季節です。
今回は『ミネラルウォーターを選ぶときに注意すべきこと』をテーマにお話ししたいと思います。
<要注意ミネラル:ナトリウム>
ミネラルウォーターに含まれるミネラルの中にも、注意すべきものがいくつかあります。
その代表格が「ナトリウム」、いわゆる「塩分」です。
これは水道水では考えなくても良い問題なので、ミネラルウォーターならではの注意点といえます。
ナトリウムの過剰摂取は、高ナトリウム血症や高血圧症などを招くことが知られています。
けれど逆に摂取不足が続けば「低ナトリウム血症」が発症してしまいます。
夏場は、ほかの季節に比べて汗によって失われる水分が多いためいつも以上に意識して水分補給をする必要があります。
でも熱中症用の水分補給剤やミネラルウォーターには必ずナトリウムが含まれていることを覚えておいて下さいね。
厚生労働省は日本人のナトリウム(食塩相当量)の目標量を、男性8.0g/日未満、女性7.0g/日未満としており、ミネラル水を選ぶときにもこの基準を常に意識しておくことが大切です。
現在、日本ではミネラルウォーターに含まれるミネラルについて表示する義務はありません。
日本国内では、ミネラルウォーターは健康増進法や栄養表示基準(告示)で決められた「表示義務」のある食品には分類されていないからです。
ですが、たいていのミネラル水のボトルには「ナトリウム」「カリウム」「カルシウム」「マグネシウム」の4つについてはミネラル量が表示されています。
成人女性の1日の最大量は7グラム以下(=7000mg以下)。食事だけでなくサラダのドレッシングやチーズなどを合計すると、意外にもすぐに7gを越えてしまいます。
<日本の表示成分>
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私の居るイタリアの場合、基本的にミネラルウォーターのボトルには水に含まれる全てのミネラル成分が書かれています。
そのため亜鉛やクロム、セレン、鉄、銅、マンガン、ヨウ素、リンといった微量元素の名前が頻繁に登場します。
またミネラル水の成分分析は源泉地近くの国立大学が行っているため、ボトルのラベルには「ローマ大学」や「ボローニャ大学」といった大学の名前も登場します。
水は日常的に相当量口にするモノだからこそ、食品以上に厳密でなければならない、というのがイタリア法やEU法での考え方です。
これが、日本とヨーロッパ(EU)の法律の根本的な考え方の違いです。
その背景には「歴史的な習慣として意識して水を飲む」文化を持つか持たないか?ということも大きく影響しています。
ですが本当のところ、自分の口に入るものがどのような成分を含んでいるのか?ということに関心を持って頂くためにも、たとえ水であっても全成分表示が望ましいと私は考えています。
毎回お届けしている【水タイプ】の紹介欄では、できるだけ全成分を紹介できるよう書き出していますので、ぜひ意識して読んでみて下さいね。
<5月のおすすめ銘柄-2>
PERRIER(ペリエ)
BC3世紀にローマに行軍中の英雄ハンニバルが「ペリエ」の源泉があるヴェルジェーズに立ち寄り、泉の水を飲んだとされる歴史あるブランドです。1863年にはナポレオン3世が水源の運営を許可し、スパが建設されました。その後、銘柄の由来となるルイ・ペリエ博士によるボトリング設備とボトルの開発がなされ、現在では世界の約140の国と地域で販売されています。
【水タイプ】
産地泉源:フランス/ヴェルジェーズ
発 泡 性:○
湧水温度:未記載
知覚ほか:無味,無色/ pH未記載
ミネラル:マグネシウム4.2mg,カリウム1mg以下,カルシウム160mg,ナトリウム9.5mgほか※フランスにおける分析結果(per.L)
【水ソムリエの飲み方レシピ】
そのまま飲む時は、水そのものの味を楽しむ上で理想的な温度である12℃に冷やしレモンスライスやカットしたフルーツなどを入れて、氷なしの状態で飲むのがおすすめです。炭酸水は、硬度の高いものであっても比較的飲みやすいのがメリットですが、炭酸味が抜けて飲みにくいと感じた時には果汁100%ジュースなどで割って飲みきって下さいね。
<ショップ情報>ショッピングモール、インターネットのショップ、アマゾン、KALDIなどの輸入食料品店