こんにちは、ギリコです。
今日はお勧めの本のご紹介です。
タイトルは『「庭のホテル東京」の奇跡』。
著者は木下彩さんというお子さんがふたりいる50代の女性。
現在「庭のホテル 東京」の総支配人・代表取締役です。
なぜ今回ギリコがこの本をご紹介したいのか。
それは本当に「庭のホテル 東京」が素敵なホテルだからです。
ミシュランガイドのホテル部門で5年連続2パビリオン(=★★ふたつ星)をとっている、といえばその素敵さがわかりやすいかもしれません。
5年連続、世界的に有名なガイドブックから評価される……これはもちろんすごいことだと思います。
が、ギリコにとってはミシュランが評価しようとしなかろうと、奇跡的に素敵なホテルに間違いないのです。
(実は何度か訪れてからやっとミシュランガイドのことを知ったくらいです、、、)
実にこじんまりとしたホテルです。
場所も水道橋でいわゆる”おしゃれなエリア”ではありません。
だけど一度行けば、きっと好きになるはずです。
ほんとです。
下の写真どこで撮ったと思いますか?
ホテルのお庭で撮りました。
MyAgeもなんだかのびの~び、気持ちよさそうに見えませんか。
ちなみにエントランスはこんな感じ。どう? 避暑地にきたみたいでしょ!
樹木と水音が迎えてくれる、こんな素敵なホテルが簡単にチョチョイノチョイ、とできるわけはなく……
このホテルが誕生するまで、そこにはドラマ(挑戦、とも言えます)があるのです。
それをまとめたのがこのご本なのです。
でも「自慢話」や「私の苦労話」の類をこれでもかと書き連ねた本ではありません。
著者はできるだけ自分を客観視して冷静に今日までの道のりを語っています。
他の人だったら(とくにギリコだったら)もっと”自慢オーラ”や”私、苦労したのよオーラ”を出しちゃうだろうな。
ほんのちょっとだけ中身をご紹介しますと……
ある日おじいさんの代から続くビジネスホテルの跡取りにならざるを得なかった、二児の母で専業主婦だった女性。
価格競争、ビジネスホテルの増加。
”生き残れるホテル”とはどんなホテルなのか、そこから始まる著者の挑戦。
(ネタバレになるのでこれ以上は書きません)
発想と思い切りのよさで課題を乗り越えていく様子がいやみのない、本当に平易なことばで綴られています。
そのあまりのわかりやすさに、この本を読んでいる途中、ギリコはカルロス・ゴーンさんを取材したときのことを思い出しました。
ギリコのインタビューにわかりやすい言葉で明解に答えていくゴーンさん。
その発言にムダはなく、しゃべったままが記事にできるほどわかりやすいのです。
そのことを伝えると、
「実は”もっと難しい言葉を並べて、長たらしく答えた方が得だよ”と人から言われたことがある。”そのほうが頭がいい人だと思われるよ”って。でも僕は人から頭がいいと思われたいとは思わないんだ」
と肩をすくめていました。
きっと『「庭のホテル東京」の奇跡』を書いた木下さんも、「すごいですね、立派ですね」と自分のことを評価されたくてこの本を出したのではないだろうと思います。
では何のため?
それは……
ホテルという器がどれだけ個性を持つことができるのか。
その挑戦にひとつの答えを出した「庭のホテル 東京」。
そのホテルをぜひ知って欲しい、というとてもシンプルな動機なのではと(勝手ながら)ギリコは推察します。
「庭のホテル 東京」、いらっしゃったことのない方はぜひ一度行ってみて欲しいホテルなのです。
そして、『「庭のホテル東京」の奇跡』。
”子どもがいるから”、”専業主婦になって長いから”を理由に新たなチャレンジをためらっている方には、ぜひ手にとって欲しい一冊なのです。