「体幹力」をつけるにはアウター&インナーのバランスが大事
体幹力を強くするには、具体的にどのような筋肉を鍛えるとよいのでしょうか? 木場克己さんに聞きました。
「私たちの体の筋肉は、体の表層のアウターマッスルと、深層のインナーマッスルで構成されています(下の図参照)。体幹にも、いちばん表層に外腹斜筋があり、その下に腹直筋と内腹斜筋、さらに深層部には腹横筋や多裂筋、横隔膜、骨盤底筋があります。体幹を強くするには、これらのアウターマッスルとインナーマッスルをバランスよく鍛えることが大事。
なかでも特に重要なのが、お腹の深部で内臓を包み込む腹横筋、背骨に沿って走っていて脊椎を安定させたり動かすときに使われる多裂筋、呼吸のときに働く横隔膜、骨盤内の臓器を下から支える骨盤底筋という4つのインナーマッスルです。この4つは呼吸をすると連携して動きます。
これらが十分に鍛えられていると、体幹に『自前のコルセット』ができ、体をしっかり支えられるようになって腰への負担が減り、腹圧が高まってお腹も引き締まります。体幹力を鍛えるときは、これらの筋肉を意識して行うのがポイントです」
以下の図が体幹の筋肉。これらを鍛えることを意識しましょう。
体幹にかかわるアウター&インナーマッスル
① 外腹斜筋(がいふくしゃきん)
脇腹の筋肉のうち、表層にあるのが外腹斜筋。体をひねるときや、体幹を安定させるときに働きます
② 腹直筋
お腹の表層部を縦に走る筋肉。脊椎を前屈させるときに働き、内臓を保護したり内臓下垂を防ぐ働きも
③ 内腹斜筋
外腹斜筋の内側にあるのが内腹斜筋。外腹斜筋と同じく体をひねる動きや体幹を安定させるときに働きます
④ 腹横筋
お腹の深部に位置し、内臓を包み込むようについている筋肉。背骨の安定にもかかわり、姿勢を維持します
⑤ 多裂筋・横隔膜・骨盤底筋
背骨に沿って走る多裂筋、腹式呼吸で息を吸うときにメインで働く横隔膜、骨盤内臓器を支える骨盤底筋
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イラスト/きくちりえ(Softdesign) 構成・原文/和田美穂