自粛期間に生活スタイルが変わり、最近「外出の機会が減って歩かなくなった」「運動する機会が少なくなった」ということ、ありませんか?
運動不足によるコロナ太りも気になるところですが、問題はそれだけではありません。
筋肉の専門家である京都大学名誉教授の森谷敏夫さんによると、人は30歳前後から徐々に筋肉が減っていくそう。さらには、日常的に運動をしないと1年に1%ほど全身の筋肉がなくなり、何も対策をしなければ60代では20代の頃よりも身体能力が40%も衰えてしまうのだとか!
また、1日のうち座っている時間が長いほど、心血管疾患などの病気になるリスクが高まるというデータもあります。
運動しないと30代から急激に筋肉が減っていく!?
「私はまだ大丈夫でしょ」と思っている人は要注意! もうすでに、筋肉量が減り始めているかもしれません。
下のグラフは、筋トレ習慣がある人とない人の、膝を伸ばす力を比較したもの。この調査によると、筋トレをしていれば80代でも、20代の筋トレ習慣がない人並みの筋力をキープできるという結果に。
逆に、筋トレ習慣がないと30代から急速に筋機能が低下してしまうことがわかります。つまり、日常であまり体を動かさないで過ごすと、筋肉量が減っていく「筋失線」をたどっていく可能性があるのです。
あまり運動をしない生活を続けていると、私たちの体はどうなってしまうのでしょう?
「運動をしないと、筋肉はミオスタチンというホルモンの影響を受けてどんどん萎縮していきます。このミオスタチンには骨の成長を阻害する働きもあるため、筋肉が減ると、筋肉を支える骨までスカスカになってしまいます。
筋肉や骨格が弱まると、つまずきやすく歩行が困難になったり、寝たきりになるレベルに達する時期が早まることが想定されます。さらには筋肉を刺激する脳機能も低下し、筋肉にエネルギーを供給する心臓循環機能も低下。運動をしない生活をしていると、筋肉だけでなく、すべての臓器が弱体化してしまうのです」
と、森谷敏夫教授はリモート社会の運動不足に警鐘を鳴らします。
世界初の「筋肉診断」で筋肉状態がわかる!
そう聞いて、「私の筋肉量はどれくらいなんだろう…」と不安に思った人は、以下の「筋肉診断」をチェック!
この「筋肉診断」は、前述の森谷先生が監修した世界初のテスト。自分の筋肉量がどれくらいあるのか、年齢的に多いのか少ないのかなどの筋肉状態がわかります。
◆筋肉診断のやり方◆
「指輪っかテスト」「腕立て・膝立てテスト」「体脂肪率テスト」の3つのテストを行い、それぞれのテスト結果で出た点数を合計した点数で、あなたの筋肉状態を診断します。
【1】指輪っかテスト
1.両手の親指と人差し指で輪をつくります。
2.椅子に座った状態で、利き足ではない方の「ふくらはぎ」の一番太い部分を、1.でつくった輪で力を入れずに軽く囲みましょう。
【2】腕立て・膝立て伏せテスト
以下のフォームで回数を計測してください。
〈男性〉両手とつま先だけを床につけた状態(腕立て)
〈女性〉両手と膝を床につけた状態(膝立て)
・上半身と下半身を一直線にする
・手は肩幅に開く
・上体を床から10㎝のところまで下ろして上げる
【3】体脂肪率チェック
体脂肪計などで計測するか、健康診断の数値を確認してチェックしてください。体脂肪率が分からない場合は、「指輪っかテスト」と「腕立て・膝立て伏せテスト」のみでも筋肉診断ができます。
【診断】
【1】~【3】で出した点数を合計して、診断を出しましょう。体脂肪率がわからない人は【1】と【2】の点数を合計し、カッコの中の点数で診断結果を見てください。
①3つのテストの点数を合計する
②合計した点数の診断結果をチェック!
結果はいかがでしたか?
いい結果が出た人は気を緩めずに、今の運動量をキープ。残念な結果だった人も、まだ間に合います! 膝をついて腕立て伏せをしたりスクワットをするなど、無理なくできる回数から、自分のペースでコツコツ続けることで「筋満」に近づけるはず。
さっそく今日からスタートしてみて!
◆資料提供/株式会社MGT
構成・文/倉澤真由美