骨粗しょう症の要因
避けられない危険因子
- ●加齢
- ●女性
- ●体型(小柄、痩せ型)
- ●家族歴
- ●遅い初経
- ●早い閉経
- ●過去の骨折
- ●リンの過剰摂取 など
避けられる危険因子
- ●運動不足
- ●日照不足
- ●極端な食事制限
- ●過度の飲酒
- ●喫煙
- ●多量のコーヒー
- ●カルシウム不足
- ●ビタミンD不足
- ●食塩の過剰摂取 など
避けられる原因は自分で改善しよう
●無理なダイエットをしない
「無理なダイエットや、それによる痩せすぎは骨粗しょう症の大きな危険因子。栄養不足に加え、女性ホルモンの分泌低下を招き、骨密度の減少につながるからです。若い頃よりも摂取カロリーを減らすのはかまいませんが、バランスよく栄養をとることは大事。肥満度を示す指標のBMI(体格指数)を標準(18.5〜25未満)の範囲に保つことを心がけましょう。骨には21くらいが理想的です」
●朝食を抜かずに食べる
「骨をつくる栄養をしっかりとるためには、朝・昼・夜と1日3食きちんと食べることが大切。なかでも特に大事なのが朝食で、朝食をとらない人の骨密度は低いという調査報告もあります。朝は忙しくて食べないという人もいると思いますが、骨に必要な栄養を補う大事な機会なので抜かないこと」
●過度なUV対策を避け、日光を浴びる
「シミやシワを防ぐため、日焼け止めや帽子、日傘などで過剰に紫外線対策をしている人が多いようです。でも骨の形成を助けるビタミンDの80%は紫外線によって皮膚で生成されるので、紫外線を過度に防ぐとビタミンDが不足し、骨密度を減少させます。紫外線対策はやりすぎず、適度に日光浴を」
自分で避けられる骨粗しょう症の危険因子を減らそう
「骨粗しょう症になるのは、遺伝的要因や性、加齢など、自分では避けられない内的要因もありますが、偏った食事や運動不足など、自分で避けられる外的要因もあります(上記参照)。ですから骨粗しょう症を予防・改善するには、自分で避けられる外的因子はできるだけ減らすことです。
いくら治療をしても、毎日の生活の中で骨をもろくするような原因を自分で作っていては改善しません。骨粗しょう症は生活習慣病といえるのです。ここで紹介するような生活習慣を心がければ、自分で避けられない内的因子があっても克服しやすくなるので、ぜひ実践を」
日本産婦人科学会専門医、日本骨粗鬆症学会認定医、日本抗加齢医学会監事・専門医。日本の女性医療をリードするパイオニア。骨粗しょう症・アンチエイジング分野の第一人者
イラスト/本田佳世 取材・原文/和田美穂