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心身の疲れやむくみなどの更年期不調…鍼灸師は薬膳とツボ深呼吸で解決!

今回の健康賢者は薬膳を取り入れた鍼灸師として活躍する岡尾知子さん。美容・健康系ライターとして仕事をするうちに東洋医学に関心を持ち、40代後半から勉強を始め、国際薬膳師、国際中医師、はり師、きゅう師の資格を取得したというツワモノです。忙しい毎日の中でクタクタになったときに役立ったという、プチテクを教えてもらいました。

【お守りプチテク紹介者】

鍼灸師・薬膳研究家
岡尾知子さん(63歳) 
鍼灸師・薬膳研究家 岡尾知子さん

つぼみ堂はりきゅう院院長、ロータス薬膳教室主宰、本草薬膳学院講師。薬膳を取り入れた鍼灸治療と、薬膳の教育に力を入れる。著書に『はじめての薬膳生活』『からだがよろこぶ野菜の事典と薬膳レシピ』(ともに法研)がある。

 

3日連続の薬膳スープで心身の疲れを回復!

 

鍼灸とライターの二足のわらじを履く岡尾さんは、3年ほど前から寝ても疲れが取れない日が増え、体だけでなくメンタルまで疲労困憊の毎日が続いたそうです。そんなときに何より重視したのが睡眠。ただ、疲れすぎるとなかなか寝つけず、中途覚醒することが多いので、睡眠の質を高めるために夜のケアに重点を置くといいます。

 

「疲れているときは背中が張ったり、足がむくんだりしていて、『老廃物がたまっているな~』と感じます。睡眠中に体の解毒が行われるので、夜にしっかり眠れないのは最悪です。

でも、眠るのにも気が必要ですから、本当に疲れて『気血両虚(きけつりょうきょ)』になってしまうと、疲れているのに眠れなくなってしまうんですよね。睡眠は、休息とともに気を養う時間。ただし、睡眠中にも内臓の活動は行われるので、栄養をとって気を補う必要があります。

 

私は、こういうとき、人参(ちょっと高価なのですが、高麗人参、オタネニンジン、吉林人参と呼ばれる薬効のあるもの)となつめ、蓮の実、黒・白のきくらげ、クコの実、にんにくなどの入った鶏(骨付き)のスープを作り、夜に食べます」

薬膳スープ

↑疲れだけでなく、むくみや肩こりなどの不調にも効くのでおすすめです

 

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【簡単な作り方】

人参10g(高麗人参、オタネニンジン、吉林人参と呼ばれる薬効のあるもの)となつめ2個、蓮の実10個、松の実20粒を600㏄の水に1時間浸した後、水で戻した黒・白のきくらげ各6g、にんにく1/2片、ねぎ1/4本、しょうが1/2片、長芋80g、鶏の手羽元4本、クコの実20粒を加えて30~40分煮込み、塩小さじ1/2弱で味をととのえる。

 

「人参は『大補元気(だいほげんき)』といって気を補う食材の頂点に立つ存在です。不眠や不安など精神的な症状にもパワーを発揮します。重要なのは、これを食べたら水分をたっぷりとり、できるだけ早く就寝すること。

 

本当に疲れて元気が出ないときや、足がむくんで『たまってるな~』というときは、このスープを3日連続くらいでとると、お小水がしっかり出て、だるかった体が軽くなり、心身が回復するんです。ただし、お酒を飲むとアルコールの代謝に水が使われますから、薬膳スープの日は酒抜き! これを鉄則としています。本当に効果があって、漢方薬を飲んだりするよりいいと確信しています」

睡眠の不調には「内関(ないかん)」と「労宮(ろうきゅう)」のツボ深呼吸で対処する

 

「寝つきはすごくいいのですが、2年くらい前から途中で覚醒することが増えました。正直に言えば、中途覚醒しても翌朝調子が悪かったり、昼間に眠くなるようなことはないので、あまり気にしていません。ただ、疲れすぎていて、手足が冷えて入眠できないことがたまにあるので、これは自律神経の乱れだと思い、ツボを押しながらの深呼吸で対処するようにしています。

 

前腕にある『内関』は、胸から腕の内側、手のひらにつながる心包経のツボで、緊張したり、プレッシャーで胸がザワザワしたり、ストレスで胃がキューっと痛くなったりするときに効きます。内関を押しながら深呼吸すると頭がすっきりするので、忙しかった日の夜は、お風呂上がりに目を閉じてやるようにしています」

内関

↑手首のシワから指3本分ひじ側にある「内関」のツボ

 

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「また、睡眠中に中途覚醒してそこから考え事が始まってしまうようなときは、手のひらの真ん中にある『労宮』(同じく心包経)のツボを押しながら深呼吸をします。私はアイピローを使っているので、目を閉じた上にアイピローをのせ、ツボを押しながら鼻からゆっくり深呼吸(あお向けだと自然と腹式呼吸になります)。10回くらい行うと、自然に眠れます」

労宮

↑巻き肩で肩甲骨まわりが固まりがちな人も「労宮」のツボ押しが有効

 

足がつる・むくみには、白湯か薬膳茶をとってたっぷり水分補給

 

「昔から、忙しいと水分補給を忘れてしまう傾向があり、よく足がつっていました。夜、寝る前に足がつりだしたら、そのほかの不調が起きてくるサイン。足がつる・むくむ=疲れがたまってきた→自律神経が乱れる→眠りの不調→耳鳴り、といろいろ出てくる前兆だととらえています。この傾向は昔からありましたが、鍼灸の仕事や原稿仕事、夜遅くまで施術をすることが続くと、それが顕著に出ます。

 

そんなときは、水の停滞を取り除いて老廃物を排出するために、まずは水分補給を意識的に行います。ぬるめの白湯をたっぶりとり、薬膳の観点から、利尿作用のある黒豆茶を飲むことも多いです。黒豆には、利尿作用のほか活血作用があるので血液の巡り改善にもなり、おすすめです。また、心身ともに疲れたときはなつめを加えます。

 

気血を補うなつめは、女性の強い味方で、美容にもよく、精神を安定させるといわれています。不眠やイライラ予防にもなるので、家に常備して黒豆と合わせて煎じるようにしています。利尿作用が効いてお小水がいっぱい出れば、むくみは割とすぐにとれますね。1年ほど前から意識して続けるようになったら、以降はほとんどむくまなくなってきました」

黒豆茶

 

↑患者さんにも薬膳茶をお出しするので、朝、たっぷり作って、患者さん用はポットに、自分用はタンブラーに入れ、とるようにしています

 

 

 

取材・文/山本美和

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