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更年期以降になりやすい「骨粗しょう症」を防ぐため、気をつけたい生活習慣とは?【40代、50代の骨活】

骨粗しょう症のリスクが高まる更年期世代。骨がもろくなっていくのを予防するために、今のうちから、毎日の生活の中で心がけるといいことや、避けたほうがいいこととは? 「骨活」に詳しい、「女性のための整形外科 かおるこHAPPYクリニック」院長で整形外科医の伊藤薫子先生に教えていただきました。

太陽光を適度に浴びる習慣をつけて、ビタミンDの合成を促して

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更年期以降は、女性ホルモンの分泌量の低下に伴って、骨がもろくなりやすくなります。

生活の中で気をつけるべきことについて、整形外科医の伊藤薫子先生に伺いました

 

太陽光を適度に浴びることが大事

 

「まずひとつは、太陽光を浴びることです。

 

骨にカルシウムを定着させるためにはビタミンDが必要です。

ビタミンDは、腸管でのカルシウムの吸収を助け、血液中のカルシウム濃度を高める働きをします。

 

なぜ太陽光を浴びることが大事かというと…。

 

ビタミンDは、太陽光を浴びることで体内で合成されるからです。

皮膚に存在する7-デヒドロコレステロールが、太陽光の紫外線が当たるとビタミンDに変わるのです。

 

夏は1日15分ほど、冬は1日30分ほど太陽光を浴びると、1日に必要なビタミンDの8割を生成できるといわれています。

 

女性はシミ予防のために紫外線を浴びることを避けがちですが、過度に避けるとビタミンDが合成されにくくなってしまいます。

 

顔は日焼け止めをしっかり塗ってもいいので、手や体などは日焼け止めを塗りすぎず、紫外線を浴びるようにするのがおすすめです。

 

最近は、ビタミンDの合成に必要な紫外線は通す日焼け止めもあるので、そうしたものを使うのもいいでしょう」(伊藤薫子先生)

 

●「ビタミンD生成」に必要な波長を妨げない日焼け止め

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ソーラーD サンスクリーン(Girl) 40ml ¥3,080/アンブロシア

 

紫外線大国オーストラリアで開発された、紫外線から肌を守りつつ、ビタミンDを生成する波長を妨げない日焼け止め。

SPF50+・PA++++と高い日焼け防止効果を備えています。

 

地球に届く紫外線、UVA波とUVB波のうち、皮膚でのビタミンD生成にかかわるのは、UVB波のうちの290~310nmの波長帯。

この波長帯だけを透過させ、肌ダメージの原因になるその他の波長をカットする「UVBフィルタリング技術」を採用しています。

 

記事が続きます

睡眠の質の低下は、骨密度の低下につながる可能性が

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質のよい睡眠をとることも、骨にとって大切です

 

「睡眠不足だったり、睡眠の質が低下したりすると、“ストレスホルモン”とも呼ばれるコルチゾールの分泌が増えます。

するとカルシウムの代謝が妨げられ、骨形成が十分にできなくなり、骨密度の低下を招きやすくなります。

 

ですから、質のよい睡眠を心がけることが大事。

 

ただ、女性ホルモンの分泌量が減る更年期世代は、寝つきが悪くなったり、中途覚醒しやすくなったりと、どうしても睡眠の質が低下しやすくなります。

 

ぐっすり眠るためには、毎朝決まった時間に起きて、朝日を浴びるのがおすすめです。

 

朝日を浴びると、体内時計が正しくリセットされますし、体内でセロトニンの分泌が促されて、それが夜に“睡眠ホルモン”と呼ばれるメラトニンに変わり、眠気がもたらされてスムーズに眠れるようになります。

 

メラトニンは明るい光によって分泌が妨げられるので、夜は照明を暗めにし、寝る前はスマホを見るのを避けるのもポイントです」

 

よく歩く習慣をつけて骨に負荷をかけることも、骨密度アップのポイント

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よく歩くようにすることもおすすめの習慣

 

「骨密度は骨に加わる負荷が大きいほど増えるので、よく歩いて骨を刺激するのもおすすめです。

 

週2〜3回でもいいので、1日に4000〜8000歩くらい歩くことを目指しましょう。

 

みぞおちからおへそのあたりまでをしっかりと伸ばして、よい姿勢で歩くことを意識すると、体幹のインナーマッスルも鍛えられます。

 

わざわざウォーキングの時間を設けなくても、買い物や通勤のついでに長めに歩くようにするだけでもいいので、自分のやりやすい方法で続けましょう」

 

記事が続きます

過度なダイエットやお酒の飲みすぎは、骨にとってNG習慣

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避けたいことは、過度なダイエット、毎日の飲酒

「40代、50代になると、ただでさえ骨密度が低下しがち。

それに加えて過度な食事制限をすると、骨に必要な栄養が不足して、骨密度の低下が加速してしまいます。

 

40代、50代になったら過度なダイエットは厳禁。

バランスのよい食事を心がけて、しっかり栄養をとりましょう」

 

また、あまり知られていませんが、お酒の飲みすぎも骨にとってNGな習慣なのだとか。

 

「アルコールには利尿作用があるので、飲酒をするとトイレに行く回数が増えます。

すると尿と一緒に、せっかくとったカルシウムが排出されてしまいます。

 

そのうえ、アルコールは腸からのカルシウムの吸収を妨げるので、骨粗しょう症のリスクを高めてしまうのです。

 

お酒の1日の適量はビールで500ml、ワインならグラス2杯、日本酒なら1合程度といわれていますが、骨のことを考えると、50代以降は毎日飲むのはなるべく避けるのがおすすめ。

 

例えば、週に何回かはノンアルコール飲料や炭酸水に替えてみたり、家飲みをやめて、飲むのは人と会ったときだけにするなど、お酒の量を減らす工夫をしましょう」

 

 

生活の中で、私たちがついうっかりおろそかにしがちなこと、やってしまいがちなことが、骨密度の低下につながるとは…!

 

骨密度を増やす、減らさない生活習慣を、より意識して行うようにしましょう。

 

 

【教えていただいた方】

伊藤薫子
伊藤薫子さん
整形外科医
公式サイトを見る

いとう・かおるこ●「女性のための整形外科  かおるこHappyクリニック」院長。日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医。東京女子医科大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部整形外科学教室へ入局。関連病院勤務、アメリカ留学を経て、慶應義塾大学病院骨粗しょう症外来を担当。2021年7月、東京・帝国ホテル内に「女性のための整形外科  かおるこHappyクリニック」を開院。「いくつになっても背筋を伸ばしてハイヒール」をモットーに、女性一人一人の骨と関節の悩みに寄り添う診療に定評がある。院長が伴走するオンライン講座「4カ月の骨活プログラム」も全国から受講されている。

 

写真/Shutterstock 取材・文/和田美穂

 


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