なかなか寝つけない…その大きな原因は心身の緊張やストレスでしょう。これらを上手に解消する、自分なりの方法を手に入れることが重要です。
ぐっすりストレッチ
寝る前に体温を上げる
首もみストレッチ
「私たちの体温は一日の中で変動しています。朝起きて、約11時間後に最も高くなり、そこから少しずつ下降して、深部体温が下がると眠くなる仕組みになっています。その性質を利用して、寝る2時間ほど前に一度、お風呂で体温を上げておくといいでしょう」。
湯船につかるのが理想ですが、シャワーを太い血管が集まる首の後ろに当て、首を優しくつまんで、こりをほぐすと血流がよくなりおすすめです。
首の後ろに熱めのシャワーを当てて、首の横のくぼみあたりに親指を添えます。左右の親指で首をつまむように軽く圧をかけます。手を上下にゆっくり動かしながら、首をまんべんなくマッサージします。強い刺激は逆効果。優しく行うのがポイントです
肩まわりをほぐす
腕回し
特に日頃、パソコン仕事や家事などで肩こりに悩む人に、ぜひ実践してほしいのがこの「腕回し」です。
「腕を大きく動かすことで、肩と肩甲骨まわりの筋肉の緊張をほぐし、血行を促します。肩甲骨の周辺には熱を作り出す褐色脂肪細胞が多くあるので、この働きを活性化させることで、体温を上げることにも役立ちます」
胸を広げる
底上げ大の字
「普段前かがみの姿勢が多い人は、胸まわりの筋肉が縮こまっていて、深い呼吸ができていません。寝る前には一度、胸を大きく開いて、深呼吸をする習慣をつけましょう」。
バスタオルを1〜2枚使って、高さ10㎝くらいになるように巻き、背骨に当てて横になります。大の字になり、ゆっくりと深呼吸をします。
深部体温を下げる
足首曲げ深呼吸
布団に入ってからでもできる、呼吸を組み合わせた足首ストレッチです。鼻からゆっくり息を吸い、足首を体側に曲げ、口からゆっくり息を吐きながら、力を抜いて足首を元に戻します。
「緊張と弛緩を交互にゆっくり繰り返すことで、足の血行が促され、心も落ち着いてきます。副交感神経が優位になり、深部体温を下げて眠気を促します」
横になり、体をリラックスさせます。3秒かけてゆっくりと大きく息を吸い込みながら、両足首を体側に曲げます。続いて、口をすぼめて、3~5秒かけてゆっくり口から息を吐き、力を抜いて足を元に戻しながら、息を吐ききります。これを5回ほど繰り返します
【教えていただいた方】
在宅医療の専門クリニック「RESM新横浜」理事長。日本睡眠学会認定医療機関として高い専門医療を提供
イラスト/内藤しなこ 構成・原文/山村浩子