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ホットフラッシュにのぼせ…暑がり世代も、実は足が冷えている!?

自律神経評論家として話題の鍼灸師、森田遼介さん。東洋医学の知恵と西洋医学の考え方をミックスした、自律神経を整えるためのセルフケアは超簡単!三日坊主の人にも続けられるとして人気を呼んでいます。更年期、ポスト更年期世代に向けた自律神経のセルフケアとして、OurAge読者のために、特別簡単な方法を教えてもらいました。

【教えてくれたのは】

森田遼介
森田遼介さん
TC鍼灸マッサージ院院長。はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師(国家資格)
公式サイトを見る
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鍼灸院などに勤めながら、勤務後や休日に個人で訪問治療を行い、予約1年待ちが続いたタイミングで2023年2月に独立、4カ月で予約満杯となる。現在は埼玉・東京エリアの訪問自費治療を中心に活動。人生100年時代をできるだけQOL(生活の質)を落とさない目的の治療が需要として高い。*現在、新規予約は紹介制のみ。近著に「自律神経にいいこと大全100

 

「更年期の症状が強く出ている人ほど、まず足が冷えているのが特徴です」と、森田さん。ホットフラッシュやのぼせなど、年々暑がりになり、汗を多くかくようになったという人も、実は体は冷えているのでしょうか?

 

「はい。実は部位によっては、冷えていることが多いのです。空気の性質を考えてみると、図のように暖気は上に昇り、冷気は下に降りる性質がありますよね。人間の体も同様、熱を持つと気血が昇りやすく、冷えは降りて停滞しやすくなります。東洋医学では、これを上熱下寒(じょうねつげかん)といいます」

上熱下寒

 

東洋医学ではさらに、暖気を“陽気”と言い、この陽気が上に上ると、更年期症状のひとつのホットフラッシュ、のぼせにつながりやすくなるのだそう。

 

暑さによる不調を訴える方でも、足先を触ると冷えていて、冬場になると今度は冷え症に悩む、というパターンが非常に多いんです。つまりどちらも、自律神経の乱れからきているんですよね」

 

ホットフラッシュの症状が出ている、汗が止まらず、暑くてたまらない…というときでも、自分の足を触ってみると、実際に冷えがあるかどうかを確かめることができるそう。

 

「足が冷えていると、膝の痛みや腰痛、便秘などにも発展するので早めにケアを心がけてください」

女性ホルモンが減ると、体温を低く保てなくなる

 

更年期症状のホットフラッシュやのぼせは、体温を低く保つ働きを持つ女性ホルモン、エストロゲン分泌が低下することがその原因のひとつ。女性ホルモンの低下により、体は熱を持ちやすく、頭部や上半身に上っていくため、さまざまな不調が起こるのだとか。

 

「西洋医学的にいうと、自律神経の活動モードの偏りが強い、交感神経優位という状態です。相反するリラックスモードの副交感神経が働きにくいため、体が休まりにくい状態になることから、人によってさまざまな不調が現れるというわけです」

 

更年期症状といっても、Aさんは頭痛と肩こり、Bさんは動悸や不眠など、無数にパターンがある自律神経の乱れ。

 

「それらの治療を得意とするのが、鍼灸などの東洋医学です。セルフケアも本当は、そのときの不調と五臓六腑のバランスをプロに診てもらい、的確なメニューを組み合わせるのがおすすめですが、鍼灸院へ行くのはハードルが高いと感じる人も少なくありません。ですからこの連載ではそういった方々に向けて、実際に効果が出やすいメニューを紹介させていただきますね」


アンクルウォーマーで腎のツボを温めよう

 

そこで早速、冷えやホットフラッシュがある人におすすめの簡単セルフケアを教えてもらいました!  写真(下)のように、「在宅時や睡眠時に、足首の周囲をアンクルウォーマーで覆って温める」だけ。確かに簡単!

 


「足首を温めることで、上昇する陽気を抑える働きがあります」

 

体の冷えは、東洋医学でいう五臓の「腎」と関係が深く、むくむと体がより冷えやすくなることから水分代謝にも関係している、とのこと。

腎経の足首のツボ

 

「足首には、その冷えに関係の深い、腎のツボが集中しています(上のイラスト)。そこでセルフケアに大活躍するのが、先述のアンクルウォーマー。これを下にずらし、かかとまで覆ってしまうと、足全体がポカポカと温まる感覚があります。就寝時はあまり圧迫しないほうがいいので、100円ショップなどでも販売されているアンクルウォーマーがおすすめ。安いので、使っているうちに緩んできますが、その緩みが睡眠時にはちょうどいいのです」

 

ちなみに腎は、生命エネルギーや老化スピードとも関係があるそう。

習慣になる目安は20日前後

 

「暑がりの人には“暑そう…”と思われるかもしれませんが、診療では実際に多くの方が、気持ちがいいとか、意外と冷えていたんだと実感されています。オフィスや電車、スーパーなど、公共の場所はだいたい下が冷えているので、いつのまにか自分の冷えにも慣れてしまい、まひしてしまう傾向にあります。ですから、まず足首だけでもアンクルウォーマーで温めることを実践してみてください。慣れた頃には、もう外せないという方がほとんどですよ」

 

ただし、1〜2日続けても、「暑苦しい!」となった場合、それは自分には合っていないという体からのサインなので無理をする必要はありません。

 

そして、脳梗塞リハビリセンターで6年半働いたキャリアを持つ森田さんによると、「習慣づけは、脳の仕組みとも深くかかわっています」とのこと。

 

 

「セルフケアも、あまりハードルが高いものだと、脳の前頭前野という感情を司る部位が嫌がることがわかっています。一方、ハードルの低い簡単なことであれば、脳の基底核という習慣を司る部分に落とし込めるので、そうなればしめたものです。そのためには、気持ちよく感じられるセルフケアなら、20日前後は続けてみましょう。すると、習慣として身につくようになります」

 

今回ご紹介したアンクルウォーマーも、ぜひ試してみてください!

 

 

イラスト/きくちりえ(Softdesign) 取材・文/井尾淳子

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