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更年期の「手指の不調」は自律神経の乱れによる血流の悪化が原因!?

更年期症状のひとつ、手指のこわばりや痛み。ある日急に症状が出たように感じるものの、「実は自律神経の乱れが蓄積した結果でもあるといえます」と、鍼灸師の森田遼介さん。大切なのは、更年期と手指の不調の関連、その仕組みを知ること&日々のセルフケアを心がけること。気をつけるだけで変わる、自律神経について教わりました。

手指の不調は、「血流が悪くなった朝」に起こりがち

 

ある朝起きると、「急に手指がこわばって痛くなった」「ペットボトルのふたが開けられなくなってパニックになった」という、40代、50代の声は少なくありません。

 

鍼灸師の森田遼介さんによると、「手指の不調も、更年期の症状のひとつといえます」とのこと。女性ホルモンのエストロゲンの分泌が低下し、体が熱を持ちやすくなることから、自律神経が交感神経優位に傾くことが関係しているとか。

 

「更年期によって交感神経優位の状態になると、血管の働きが収縮し、手足などの末端の血流が悪くなり、冷えが強まります。そこからこわばり、しびれ、人によっては指の痛みにまで発展してしまうのです」

 

森田さんによると、手指のこわばりや痛みは、血流が悪い朝に起きる人が多いとか!

それは、睡眠中に心臓などの働きが低下し、血流が悪くなりやすいため。急な手指の不調にびっくりしないためにも、おすすめの簡単なセルフケアを教えていただきました。

 

【簡単セルフケア①】
朝の「手浴」で手を温める

手指の不調に朝「手浴」

 

朝起きたあと、洗面器にお湯を張り、数分間手をつけて温める「手浴」をしましょう。冬は特に、朝は気温が低くなり、冷えやすい状態に。さらに筋肉が固まっているときに無理に動かすと炎症が起き、痛みにつながります。

 

東洋医学の観点では、手や手のひらは、メンタルと関係する部分といわれています。よく、緊張したときには“手のひらに人という字を書いて飲み込む”というおまじないもありますが、実際に手を温めることで血流をよくすると、リラックス効果が高まります」

 

ストレートネックから手指のしびれが出る場合も

 

血流が悪くなる以外にも、交感神経が優位になると、首や肩の筋肉が緊張しやすくなるといいます。

 

「すると、手の神経を司る頸椎(けいつい)から始まる神経を圧迫してしまうことがあります。それがきっかけで、手の指先にしびれが発生することも。これを神経根の絞扼(こうやく)といいます。また、猫背やパソコン業務が長いことなどで姿勢が悪くなり、頸椎の配列が真っすぐになる、いわゆる“ストレートネック”になっている人も増えています」

 

つまり手指のことは、首にまでつながっていることが多く、ストレートネックの人は神経的なしびれ、痛みが現れる場合もあるのだとか。

 

そこで日常のセルフケアとしては、首を冷やさないこと。また、ストレートネックの人に特に効果的な、簡単なストレッチも教えていただきました。

 

【簡単セルフケア②】
超簡単! 首・肩・背中ストレッチ

手指の不調_首・肩・背中ストレッチ_01

 

①リラックスした状態で、 左右の肩甲骨を引き寄せる。このときは、正しい姿勢を意識しましょう。

手指の不調_首・肩・背中ストレッチ_02

②無理のない範囲で、顔を上へ向かせながら5秒キープ。

 

「姿勢が悪くなっている」と気づいたときはいつでも、3セットくらい行うといいでしょう。

 

記事が続きます

炎症が起きていないか、セルフチェックで確認を

 

最後に、手指の痛みについては「炎症が起きていないかどうか」を確認することも大切。

 

「交感神経が高まると血管が細くなり、血流が悪くなることで、炎症が起きやすくなります。“炎症”という言葉にも“火”という文字が入りますが、関節に熱を持っていたり、鋭い痛みがあったりする場合は、炎症が起きている可能性が高いといえます」

 

その場合は、まずは冷やすこと。

 

「炎症を最小限にすませることが大切です。この場合は温めると悪化することがあるので注意してください。また、炎症を繰り返すと関節が太くなってしまったり、動きが悪くなってしまったりします」

 

指先の血流が悪くなり冷えている状態では、筋肉や関節は硬くなるということが、痛みの原因として考えられるそう。その状態で急に動かしたり、負荷をかけたりすることで、炎症が起こるといいます。

 

「日常的に家事をしている人ほど、手指の炎症を持っている人が多く、更年期ではさらに、腱鞘(けんしょう)炎なども発症しやすくなります。正しい対策をすることは、将来大きな関節の膝や腰、肩などのケガのリスクを軽減することにもつながりますので、看過しないよう覚えておいてください」

 

腱鞘炎が疑われるとき、簡単にセルフチェックできる方法については、以下を参考にしてください。

【簡単! 腱鞘炎のセルフチェック】

腱鞘炎チェック_01
①親指を指の中にしまうように握る。

腱鞘炎チェック_02

②手首をゆっくりと小指側に傾ける。そのときに強い痛みがある場合は腱鞘炎になっている可能性が。早めに鍼灸院や接骨院、整形外科へ行きましょう。

 

 

「違和感や軽い痛みがある場合は、悪くなる前に、手首周囲・腕の筋肉群をほぐすことで早めに予防をしてください」

 

 

 

【教えてくれたのは】

森田遼介
森田遼介さん
TC鍼灸マッサージ院院長。はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師(国家資格)
公式サイトを見る
Instagram

鍼灸院などに勤めながら、勤務後や休日に個人で訪問治療を行い、予約1年待ちが続いたタイミングで2023年2月に独立、4カ月で予約満杯となる。現在は埼玉・東京エリアの訪問自費治療を中心に活動。人生100年時代をできるだけQOL(生活の質)を落とさない目的の治療が需要として高い。*現在、新規予約は紹介制のみ。近著に「自律神経にいいこと大全100

 

 

 

イラスト/きくちりえ(Softdesign) 取材・文/井尾淳子

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