今回ご紹介するのは「歩く瞑想」です。外出時に気軽にできる瞑想法なので、さっそく試してみて。
普段の移動中にもすぐできる。
歩行の動きに集中する「歩く瞑想」
「座る瞑想」に続いて行ってみたいのが歩く動きを観察する「歩く瞑想」。移動中、イライラしたときなどにも気軽に実践できる方法です。
歩くときの連続的な
動きを分解して観察
「歩く瞑想」は、歩くことに注意を集中させる瞑想法。
「普段、私たちは“今歩いている”と意識することはありません。考えごとをしながらでも、スマホを見ながらでも、足は自動的に動くからです。でも歩行中の足を観察すると、複雑な動きをしています。歩く瞑想ではこの動きを観察します。1歩に1分かけるつもりで足を踏み出し、スローモーションのように分解的に動かします。そして腰やもも、膝、ふくらはぎ、足首、かかと、足裏、足先と各部分の動きを観察。これでざわついた心が鎮まっていきます。
慣れてきたらまわりの自然や、呼吸を観察したり、歩く速度や歩き方を変えてみましょう。自分の体が移動する楽しさにも気づけます」(長谷川洋介さん)
歩きはじめた赤ちゃんの
ような気持ちで歩行を見つめる
呼吸に集中しながら、同時に歩行の動きを分解するように観察。歩きはじめた赤ちゃんのような気持ちで歩行を見つめます。膝が曲がったり伸びたりする感じ、足が繰り出されるときのももからお尻の大きな筋肉の伸び縮みなど、細かく観察。最初は1歩に1分かけるつもりで歩き、次に普通のリズム、早足と速度を変えてみて
次のページでは、歩く瞑想を行なう時に意識したいポイントについてご紹介します。
●自然を感じる
歩きながらまわりの自然を感じてみましょう。木々や雑草、花などの形や色や香り、大きさなどから、風の香り、強さ、音、空の色、雲の形などさまざまな自然を観察。小さな気づきが生活に潤いももたらします
●呼吸を感じる
歩行の動作とともに、呼吸にも意識を集中させましょう。息が少しはずんでいる感覚や、息を吸ったときの感覚など、呼吸を観察します。歩く速度を変えても、つねに呼吸と歩行に集中しましょう
●足の動きに集中
着地するときや、蹴り出すときの足の裏から脚にかけて生じる微細な動きを観察します。足首が曲がっているな、土踏まずが緊張しているな、親指が反っているな、など細かく観察しましょう
次回は「食べる瞑想」についてご紹介します。
撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/木下 優(ロッセット) モデル/栗本奈央 スタイリスト/井川翔子
イラスト/内藤しなこ 取材・原文/和田美穂 撮影協力/アワビーズ