先生、本当に気になるところを「伸ばす」だけで締まるのですか?? と食いつくと、先生すかさず、「でもね、やり方が違ってたら効果は出ないですよ~」
え、それってどういうことですか? となおも詰め寄ると。。。
「たとえば、間違った姿勢のまま腹筋しても、効いて欲しい筋肉に効かないのです。
だから、気になる部位の「伸ばす」ストレッチを覚える前に、
まず知っておきたいのが正しい姿勢とたるみを寄せつけない歩き方なんですよ!」 とのこと。
いくらストレッチに取り組んでも、普段の立ち方、歩き方がまちがっていたら意味がありません!ということで、エクササイズで効果をあげるには、まず姿勢と歩き方から教わります。
50歳からスタートしても、もちろんまだ間に合います。
これ以上たるませない習慣を身につけましょう!
正しい姿勢ができていない人は今日から姿勢改善を
姿勢が悪い人は、お腹や背中、胸、お尻などが垂れていると思いませんか?
これは「抗重力筋(重力に対抗して内臓などの重みを支え、体の中心に重心を保つ筋肉群)」がうまく使われず、弱っているためです。
体が真っすぐ伸びた、よい姿勢を保つことは、無意識下でも抗重力筋を使えていること。
姿勢が悪い人は要チェックです!
正しい姿勢は、横から見たとき耳、肩、腰の中心、くるぶしの前が
一直線上にそろっていること。
鏡に映して見られない人は、
一度、他人にチェックしてもらうことをおすすめ。
よくあるNG姿勢の例。
猫背はもちろん、胸を張ったつもりの反り腰。
横から見てきちんと一直線になっていません。
真っすぐに伸ばすことに意識を向けてみて。
下半身がみるみる変わる!膝を伸ばした歩き方
お尻のたるみは、歩き方でほとんど決まるといっていいほど。
日頃から膝を曲げず、足の裏をしっかり使って歩く人は、
ハムストリング(太ももの裏側の筋肉)と内転筋(太ももの内側の筋肉)が
きちんと使われるので、お尻がキュッと上がり、太ももも締まっています。
後ろの脚の膝を伸ばし、親指側で蹴り出す感覚を覚えましょう。
歩くときも真っすぐに伸びた、よい姿勢を保つこと。
そして後ろの脚は、膝の裏を伸ばすこと。
いちばん最後の蹴り出しは、中指から親指側になるように歩くのが、より効果的。
たるませない立ち方、歩き方。早速今日から実践してみましょう!
次回からは気になる部位ごとの「伸ばす」ストレッチを紹介していきます。
中村格子さん Kakuko Nakamura
1966年生まれ。整形外科医、医学博士。
Dr. KAKUKO スポーツクリニック院長。横浜市立大学整形外科客員教授。
2014年4月に、スタジオを備えた整形外科クリニックを
代官山にオープンしたばかり。
トップアスリートのケアのほか、一般の女性向けに
美と健康を目指すエクササイズを提案。著書も多数
撮影/広瀬壮太郞 ヘア&メイク/渡辺みゆき
取材・原文/蓮見則子