東京—釜山 618マイル
働き始めて、ちっとも母と遊んでくれなくなった娘。
それでも、
「買い物行かない?」
「エステ行かない?」
「旅行に行かない?」
の3つの魔法の呪文だけはまだ効果があります。
旅行とエステが一緒になると最強。というわけで、韓国へ薬膳とエステの旅に行ってきました。
成田から釜山までたったの2時間!行ってきまーす!
釜山から入り、そこからバスで約2時間半揺られ、大韓民国の南東部、慶尚南道(キョンサンナムド)行政区にある薬草の里、山清(サンチョン)へ向かいます。山清は太白(テベグ)山脈に囲まれ、パワースポットとして特に有名な智異山(チリサン)を間近に見ることができます。この山は、入るだけで聡明な人になれると言われており、この辺りに生まれた子どもは学者かあるいは公務員になる確率が高いそうです。
山清村一帯は、昔から効能が優れた薬草がたくさん自生し、朝鮮王朝時代は28種類の薬草を王様に届けていた由緒ある場所。村の正式な名称は、山清東医宝鑑村(サンチョントンイボガムチョン)。東医宝鑑は、1613年に朝鮮時代の最高の名医と謳われたホンジュによってまとめられた医学書の名前です。
*詳細は、韓流ドラマ「ホジュン」をお正月休みに見てくださいね!全64話あるので、終わるまで人間として機能しなくなる可能性がありますが・・・。
山清村に到着後、さっそく有名な薬膳しゃぶしゃぶのお店「ヤッチョワポソッコル」へ。ここまでのコツは、成田から山清までの間、食事をしないこと!
薬草鍋のお店「ヤッチョワポソッコル」外観
韓方薬草がたっぷりの薬膳しゃぶしゃぶ。いったいどんなお味?
韓国名物、主菜の前に山ほど出てくるパンチャン(ご飯の友)も野草尽くし。美味しい・・・。基本的にキムチ味ですが、野草によって、かすかな苦味のあるもの、清涼感のあるもの、ネバネバしているものなど、味わいも食感もバラエティに富んでいます。
主菜は、清らかな地下水と薬草の里、山清で取れた当帰、防風、五加皮などの季節の薬草から取った出し汁に、平茸・マッシュルーム・エノキダケ・シイタケなどのきのこ類と薬草および野菜を入れたものからスタート。最初のお野菜の中に入る薬草は、明日葉、よもぎ、クワの葉、牛膝、キンミズヒキ、仙鶴草など季節によっても変わっていきます。これだけ薬草が入っているだけに、漢方薬みたいな味を予想しましたが、まったくそんなことはありませんでした。塩ベースのスープは、キノコのお出汁もたっぷりと出ていて、コクがあるのにクセがなく、いくらでも食べられそう。なにより、しゃきしゃきと生きの良い薬草の香り高いことに感動です。
たっぷりのお野菜のあとは、薄切りの牛肉をしゃぶしゃぶ。お肉もたっぷり出てきます。また、韓国ではキムチなどの前菜は、いくらでもお代わり自由。
しゃぶしゃぶは塩ベースの味付けがされていて、そのまま食べても美味しいのですが、肉をコチジャンを入れた醤油ダレにつけると、ぴりっと辛くて、これまた美味。
薬膳鍋の効能は、疲労回復・美肌・免疫力増進・冷え防止のほかダイエット効果。お鍋につかわれる韓方薬草はほかに明日葉、よもぎ、クワの葉、牛膝、キンミズヒキ、仙鶴草など、季節によって変わります。
そして、韓国の旅に欠かせない、食事の親友、生マッコリ!菌活のために、乳酸菌たっぷりの生マッコリをごくごく、・・・じゃなくて、ちびりちびり。美味しくって飲みすぎてしまうのが危険です。美味しい生マッコリは、輸送が大変なのと、長期間保存ができないため、なかなか日本では飲むことができません。とくに、各地方でつくられる地酒マッコリを味わうのは、韓国旅行の大きな楽しみです。
韓国薬膳の旅、次回は触るだけで願いが叶う霊石を触りに行ったあと、韓方保養施設を訪れます。
薬膳しゃぶしゃぶのお店「ヤッチョワポソッゴル」
■住所: 慶尚南道 山清郡 今西面 東医宝鑑路555番キル35
(경상남도 산청군 금서면 동의보감로 555번길 35)
■電話番号: 055-973-4479
取材協力:韓国大使館
旅のブログ 『世界1000都市ものがたり。』