いし こんにちは。ぐうたらライターいしまるこです。
ハーバード大学医学部根来秀行教授による体内向上プロジェクトのweb講座「心臓年齢を若返らせる!」の4回目ですよ。
根来 みなさん、お元気ですか? 根来秀行です。前回は突然死を招く虚血性心疾患についてお話し致しましたが、今回からは、不整脈について解説していきたいと思います。
いし アワエイジ世代になってくると、健診などで不整脈と言われたことがある人ってけっこう多いですが、その実態はイマイチよくわかってないかも。
根来教授、今更ですが、そもそも不整脈ってなんなのですか?
根来 では解説しましょう。人間の心臓は規則的な収縮を行い、血液を全身に送り出していることは、この講座の第1回目でお話ししましたね。
健康な人の安静時の心拍数(1分間に心臓が拍動する回数)はどれくらい?
いし えっと、平均60〜80回くらいですよね。
根来 そう、それが平均的で一定のリズムを刻んでいます。
不整脈とは、このように規則正しく整っていないすべての脈の総称です。
いし だけど、アスリートの脈って、すごーくゆっくりですよね。
全盛期のQちゃん(高橋尚子さん)なんて、普段から心拍数が30〜40回と聞いたことがありますよ。
根来 それはいわゆる「スポーツ心臓」ですね。
いし スポーツ心臓とな!?
根来 持久力を要する運動を続けるには、全身の血液に酸素をいっぱい含んだ血液を送る必要があります。そのため、10代の頃から日常的にハードな運動をしているアスリートの中には、1回の収縮で送り出す血液量を増やすために、通常より心臓が大きくなる人がいるんですよ。
通称「スポーツ心臓」と呼ばれ、安静時の心拍数も少なくなります。
いし 引退したらどうなっちゃうの?
根来 引退して運動をやめると1年以内に小さくなります。
いし へぇー。心臓が臨機応変に対応してくれるんですね。
ところで、人間以外の他の生き物の心拍数はどんな感じですか?
小動物はいつも心臓がトクトクしていますよね。
根来 そうですね、大きな生き物ほど心拍数は少なくなります。
いし おおっ。これを見ると、ふつーの人はブタ並み、全盛期のQちゃんは馬並みの心拍数ですね!
根来 ちなみに一般の人が運動するときは、安静時より2〜3割上がるくらいの心拍数が適度な運動量です。
いし 了解です! こうしてみると、脈っておもしろいですねー。
根来 そうなんです。脈って奥深いんですよ。
次回はどうして不整脈が起きるのか、そのメカニズムに迫っていきましょう。
と、ここで突然ですがお知らせです!
先日メディアでも話題になった「毛細血管」。根来教授がOurAgeで連載した毛細血管の本が売れています!
みなさん、もう御覧いただいたかとは思いますが、ぜひまた手に取ってみてくださいね!
それではみなさん、今日も素敵な1日を!
次回は、不整脈について、さらに掘り下げてうかがいます。お楽しみに!
取材・文/石丸久美子 撮影/角守裕二 イラスト/浅生ハルミン