いし こんにちは、ぐうたらライターのいしまるこです。
根来教授の血管年齢講座もいよいよ最終回ですよ。
最後に取り上げるのは「静脈」についてです。
まずは、静脈のしくみについて、根来先生に解説していただきましょう。
根来 毛細血管で二酸化炭素や老廃物を回収した血液は、
細静脈→小静脈→中静脈→大静脈を通って心臓へ送られます。
静脈を流れる血液は勢いが弱いため、逆流を防ぐ弁がついています。
根来 静脈は動脈や毛細血管に比べ障害が起きにくい血管なんですよ。
いし へぇ〜、そうなんですか。
根来 それでも加齢などで静脈弁の働きが落ちると、血液が逆流して
脚のむくみやだるさなどを感じるようになります。
進行すると、静脈がはれてコブ状になる下肢静脈瘤になります。
いし おばあちゃんとか、脚の静脈がボコボコっと浮き出ているのを
よくみかけますけど、放っておいても大丈夫なんですか?
根来 放っておいても命に支障はありません。ただ、色素沈着や潰瘍など、見た目の問題が大きくなることもあります。
いし うんうん。見た目は大事です!
根来 症状改善のための医療用弾性ストッキングもあるので、気になる症状や目立つ血管がある人は、早めに血管外科に相談するとよいでしょう。
いし 自分でできる静脈瘤の予防法はありますか?
根来 予防としては下半身の筋肉をほぐして血流をよくすることですね。
骨盤や腰まわりの毛細血管をゆるめるストレッチを行うと、下肢静脈の血流も改善されます。入浴前に行うとより効果的ですよ。
根来 静脈瘤は女性ホルモンと密接な関係があり、更年期に発症しやすいんです。
なので、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンを含む豆・豆製品を積極的に摂るのもよいでしょう。
立ちっぱなしや座りっぱなしを避ける、きつい下着をつけないなど、生活上の注意も大切ですよ。
いし はーい。気をつけまーす。
根来 それでは皆さん、今日も素敵な1日を!
取材・文/石丸久美子 撮影/角守裕二 イラスト/浅生ハルミン