細くてコシのある大豆麺が焼きそばにもぴったり!
「グルテンとは小麦などに含まれる2種類のタンパク質が、水を加えてこねることで絡み合ってできる成分です。グルテン自体がすべて悪いわけではありませんが、最近ではとりすぎなどにより腸内環境を悪化させ、アレルギー症状や肌あれの原因になるともいわれています。
そこで、そのグルテンをできるだけ減らそうという、グルテンフリーの健康法が注目されています」(沼津りえさん)
グルテンフリーの麺には「米が原料のもの」と「豆が原料のもの」があります。
(※詳しくは第1回参照)
「特に大豆などの豆が原料の麺は、グルテンが含まれないだけでなく、糖質量が大幅に減らせることが大きな魅力。
加えて、植物性タンパク質や食物繊維、女性ホルモンであるエストロゲンに似た働きをする大豆イソフラボンが補えます。これらは悪玉コレステロールを減らし、認知症予防としても注目されていて、特に更年期世代の女性に人気が高まっています」
大豆の麺はコシのある食感で腹もちもいいので、普段の食事と置き換えるだけで、糖質制限ダイエットにもおすすめです。
オイスターソースと紹興酒でアジアン風味に! ゆずこしょうで味変を
「家で簡単に香港焼きそば風の味つけにするには、しょうゆをベースにオイスターソースと紹興酒を加えるといいでしょう。
日本酒の原料はうるち米と黄麴ですが、紹興酒にはもち米と麦曲(ばくきょく・麦麴のようなもの)を使い、より長く発酵させるのが特徴です。それにより独特な奥深いコクが生まれます。これを調味料として使うことで、一気に中国料理の独特な味わいに!
さらに牡蠣が原料のオイスターソースを加えることで、ソース焼きそばとはひと味違う仕上がりになります。
発酵調味料であるゆずこしょうを添えて、途中で味変を楽しむのもおすすめ。ゆずの爽やかな香りにピリッと辛い刺激が、食欲をそそるアクセントになります」
【使用した麺】
ソイドル ドライタイプ(通販専用商品)
100%大豆でできた乾麺タイプの大豆麺。1食あたり139kcal、タンパク質17.0g、食物繊維8.0gで、健康が気になる人も罪悪感なく食べられます。噛み応え抜群の新食感で、時間がたってものびにくく、うどんやそば、焼きそば、パスタなどさまざまな麺メニューにアレンジ可能。
40g×8食¥2,685/マルサンアイ
【発酵食ポイント】
紹興酒/もち米を使って長期発酵させるので、その過程で必須アミノ酸やビタミン、リンやマグネシウムといったミネラルも豊富に。その奥深い味が発酵調味料としても活躍します。
ゆずこしょう/ゆずの皮に生の青唐辛子と塩を合わせて発酵させたもの。ビタミンC、E、B6をはじめ、カリウムやナトリウムが豊富。ビタミン類は抗酸化作用があり、悪玉コレステロールを減少させ、免疫を高める効果が。唐辛子のカプサイシンは代謝を高め、脂肪燃焼を促進してくれます。ただし、塩分も含まれるのでとりすぎには注意が必要です。
【材料(2人分)】
ソイドル(ドライタイプ):80g(2玉)
豚こま切れ肉:60g
にら:30g
もやし:100g
ごま油:小さじ1
塩・こしょう:各少々
紹興酒:大さじ2
しょうゆ:小さじ1
オイスターソース:小さじ2
ゆずこしょう:小さじ1/2
【作り方】
1 にらは5㎝の長さに切る。麺を表示時間通りにゆでる。
2 フライパンにごま油を入れて豚肉を炒め、色が変わったら塩、こしょうをする。
3 ②にもやしとゆでた麺を加え、紹興酒を入れてさらに炒める。
4 ③に、にらを加えてさっと混ぜ、しょうゆとオイスターソースで味を調える。
5 皿に盛り、ゆずこしょうを添える。
【料理ポイント】
紹興酒で麺に香りづけするのがおいしさのポイント。ゆずこしょうで味変を楽しんで。
【教えていただいた方】
管理栄養士・調理師・料理教室COOK会主宰。大手食品メーカーに就職後、管理栄養士として妊産婦指導を行う。その後、製菓・製パン専門学校に通いながら、老舗洋食レストランで料理の基礎を徹底的に学ぶ。結婚を機に子育てをしながら料理教室COOK会をスタート。シンプルでおしゃれなレシピに定評があり、各メディアで活躍。管理栄養士の知識を生かして、企業向けのレシピ開発も行う。最近ではYouTubeが好評で、著書に『米粉があれば! パンもおかずもおやつも極上』(主婦の友社)、『母から娘に伝える はじめてのLINEレシピ』(ART NEXT)など多数。
撮影/沼津そうる 取材・文/山村浩子