質のよい眠りのためには、交感神経を抑え副交感神経を優位にすることが大切です。睡眠医学を専門のひとつとするハーバード大学&ソルボンヌ大学客員教授・根来秀行さんに、寝る前のNG習慣について伺いました。
眠りの副交感神経を妨げるNG習慣
普段何気なくやっていることやよかれと思ってやっていることが、実は副交感神経を抑制している⁉ 生活習慣を見直して自律神経を整え、コロナ不眠からの脱却を!
寝る直前のシャワー&歯磨きで目がさえる
シャワーの局所的な刺激は交感神経を優位に。10分でもぬるめのお湯をはった湯船につかれば、交感神経の興奮がリリースされて副交感神経が促され、寝つきがよくなります。
入浴で上昇した体温が睡眠に適した体温に下がり、深部体温が適度に下がるまでには約1時間を要します。また、歯磨きも口腔内への歯茎への刺激が睡眠ホルモンを抑制するので、入浴も歯磨きも就寝1時間前までにすませて。
●見直しPOINT
寝る1時間前までにぬるめのお風呂につかってついでに歯磨き
ディナーのあとのコーヒー&ナイトキャップで覚醒
カフェインは脳内の睡眠物質や睡眠ホルモンを抑え、その働きは4〜5時間も継続。アルコールはいっとき副交感神経を優位にしますが、代謝が進むと覚醒作用のある物質ができ、交感神経に傾いて中途覚醒を招きます。
夜のドリンクはハーブティーや水、白湯が無難。寝る前におすすめなのは、ビタミンCが豊富なローズヒップティー。睡眠中の体の酸化を防ぎます。
●見直しPOINT
カフェイン&酒は就寝5時間前まで。ローズヒップティーで睡眠中の体の酸化をストップ
根来秀行さん
Hideyuki Negoro
ハーバード大学医学部客員教授(Harvard PKD Center Collaborator, Visiting Professor)、ソルボンヌ大学医学部客員教授、奈良県立医科大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など。著書に『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業 「毛細血管」は増やすが勝ち!』(ともに集英社)など
撮影/角守裕二 イラスト/浅生ハルミン 構成・原文/石丸久美子