蝶形骨の歪みを整えたら長年の悩みが解決!
蝶形骨という骨について聞いたことはありますか? あまり聞き慣れないと思いますが、頭蓋骨の内側ほぼ中央にあり、顔の歪みをはじめ、さまざまな体の働きに関与しています。
「以前から気になっていた蝶形骨ですが、本格的に研究しようと思ったのは、私自身の経験からでした。以前から、左目が右目よりも開きにくく小さいことがずっと気になっていました。それが、毎日、蝶形骨を整えるメソッドを実践したところ、その場で目が開けやすくなり、3日目くらいに明らかな効果が表れたのです。
左右の目の大きさがかなり整い、視界がクリアになり、集中力もアップしました。さらに続けると、体の動きが俊敏になり、左右のバランスが整ったことで趣味のゴルフのスコアもアップ!
これはすごい! と思い、さらに研究を重ねて、オリジナルのメソッドを完成させました」(木村友泉さん)
さて、あなたは下記に気になる項目はありませんか?
【蝶形骨の歪みチェック】
□ 眉の高さが左右で違う
□ 目の大きさが左右で違う
□ 耳に指を入れると、耳の穴の大きさや高さ(位置)が左右で違う
□ ほうれい線の深さが左右で違う
□ 口が歪んでいる
□ まぶたや目の下がたるんでいる
□ 頬がたるんでいる
□ 二重あごが気になる
□ 物を食べるとき、いつも左右どちらか片方の歯で嚙む
□ 歯並びが悪い
□ いつも決まった方向に横向きで寝る
□ 歯ぎしりや食いしばりがある
□ 脚を組む癖がある
□ よく頬杖をつく
□ メガネをかけている
□ よくマスクをつける
□ よく重いイヤリングやピアスをしている
いかがでしたか? ひとつでも当てはまるようなら、蝶形骨が歪んでいる可能性があります。
構造上「蝶形骨」は歪みやすい
ところで、蝶形骨はどこにあるのでしょうか?
「蝶形骨は耳の奥のほう、鼻腔の後ろ側にあります。その名の通り、前から見ると蝶が羽を広げたような形をしています。
頭蓋骨は23個の骨がパズルのように組み合わされていて、蝶形骨はその頭蓋骨のほぼ中央にあり、蝶形骨を除く22個の骨のうち前頭骨、頬骨、側頭骨、頭頂骨など合計で9種類・14個と連結しています。そのため、私たち日々の生活でさまざまな働きに関係しています」
【蝶形骨がかかわっていること】
口の開閉
咀嚼筋(そしゃくきん)の一部である外側翼突筋(がいそくよくとつきん)と内側翼突筋(ないそくよくとつきん)は蝶形骨とつながっています。それにより、食べ物を嚙んだり、口を開けたり閉じたり、左右に動かすなど、口の動きに重要な役割を担っています。
中耳の気圧調整や嚥下
口蓋筋(こうがいきん)のひとつである口蓋帆張筋(こうがいはんちょうきん)も蝶形骨とつながっています。口蓋帆張筋は耳管を開放するための筋肉で、中耳の気圧を調整したり、食べ物の嚥下にもかかわっています。
脳の働きに関与
蝶形骨は頭蓋底(ずがいてい)の中央にあり、脳や視神経、血管などの保護をしています。そのため目からの情報が脳に送られることにも関係しています。また、脳下垂体(のうかすいたい)につながっているため、ホルモンバランスや自律神経にも関係しています。
呼吸や各臓器に関与
蝶形骨は筋膜で横隔膜までつながっているので、呼吸をはじめ、その周辺の胃や腎臓にも影響を与えています。
「このように蝶形骨は、私たちの生命活動を維持するのに重要な役割を果たしているのです。しかし、毎日の生活習慣や癖などで、歪んだり下がってきたりします。
例えば、蝶形骨は咀嚼筋の一部である外側翼突筋や内側翼突筋とつながっています。いつも同じ側で物を嚙んでいたり、歯ぎしりや食いしばりなどで、これらの咬筋を左右対称に使っていなかったり、過度な力が加わることで、蝶形骨も左右に傾いて歪んだり、下がってきます。
そして、少し意外に思うかもしれませんが、常にメガネやマスク、重いイヤリングをしていることも蝶形骨に影響を与えます。そのもの自体は軽量かもしれませんが、毎日その重さを受け止めていると、やがて蝶形骨が下がってきてしまいます」
ほかにも、冒頭のチェックリストで当てはまるものが多い人は注意が必要です。
蝶形骨を整えると美容と健康効果がアップ!
では、蝶形骨を整えるとどのようなよいことがあるのでしょうか?
【蝶形骨を整えて得られること】
◎顔の歪みが整う
◎頭痛の改善
◎集中力の向上
◎目の不調(目が見えにくい、ドライアイ、眼精疲労など)の改善
◎めまい、難聴の改善
◎ホルモンバランスが整う(更年期、月経不順など)
◎自律神経が整う(冷え症、不眠などの解消)
◎首・肩こりの解消
◎運動能力のアップ
蝶形骨は五感をクリアにするとともに、美容面や健康面に大きな影響を与えていることがわかります。まさに今、注目されている骨なのです。
【教えていただいた方】
LHJ(Life &Health Joy)代表。薬剤師として勤務するかたわら、リンパケアのインストラクターに。体に負担がなく、効果的な美容・健康法であるリンパケアの普及に取り組んでいる。テレビ、ラジオ、講演などで活躍。著書に『60歳からのリンパケア入門』(宝島社)、『1日10分でどんどん若返る! 一生使える若返りリンパケア』(三空出版)など多数。
撮影/フルフォード海 イラスト/内藤しなこ 取材・文/山村浩子