蝶形骨にアプローチして体を内から整える!
「左右で眉の高さが違う、目の大きさが違う、ほうれい線の深さが違う、頬や目のまわりのたるみが気になる、さらに、慢性的な首や肩のこり、頭痛、目の不調やめまいがある人は蝶形骨が歪んでいる可能性があります。
蝶形骨は、食べ物を片方の歯だけで嚙んだり、食いしばりなどの癖があると徐々に傾いてきます。毎日メガネや重いイヤリング、ピアスなどをつけていれば下がってくることもあります。こうして歪んだ蝶形骨を調整することで、顔の歪みやたるみ、『なんとなく不調』を体の内側から整えることができます。
美容整形のように顔の表面にアプローチするのではなく、顔の土台から整えるわけです。小さな力かもしれませんが、毎日の積み重ねはバカにできません」(木村友泉さん)
※蝶形骨について詳しくは第1回参照
蝶形骨の歪みチェック
左右の耳の穴にそれぞれ親指か人差し指を入れます。耳の穴の大きさが左右で違いませんか? また耳の高さが左右で違っていませんか? 眉や目の位置は? ほかに鼻筋が曲がっている、口角の位置が左右で違うなど、自分の顔の歪みをチェックしてみましょう。
ウォーミングアップ
まずは日々の生活で緊張している、耳まわりや口まわり、頬の筋肉を緩めます。
【1】耳まわりを緩める
5本の指を耳の後ろ側に当てて、ブルブルブルと小さく早く10 秒ほど揺らします。蝶形骨は耳の機能にも関係しているので、ここをよく緩めておくことが大切です。耳の下にはリンパ節があるので、耳の後ろ側を緩めて血流とリンパの流れを促します。
【2】口まわりを緩める
下あごを左右に大きくずらします。動きにくいほうを重点的に動かしましょう。両手の指を下あごに当てて、しっかり動いていることを確認しながら行いましょう。
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下あごを前に突き出します。
口を大きく開けます。
この一連の動きを3セット行います。咀嚼筋(そしゃくきん)の一部である外側翼突筋(がいそくよくとつきん)と内側翼突筋(ないそくよくとつきん)は蝶形骨とつながっているので、こうして口を大きく動かすことで、そのまわりの筋肉を緩めることができます。
※注意/顎関節症の人はあごを動かすと痛む場合があります。その場合は無理をせず、痛みの出ない範囲で徐々に可動域を広げていくようにしてください。
蝶形骨を調整する
【1】耳の穴から蝶形骨を動かす
1 親指を左右の耳の穴に入れます。
この状態で耳の穴からそこにつながる骨を上に向けて思い切り引き上げて5秒キープ、力を抜いて5秒休みます。これを3セット行います。
親指が入らない場合は人差し指を入れ、手のひらを上に向けた状態で、下がってしまった骨を押し上げるようなイメージでしっかり引き上げます。耳の高さに左右差がある場合は、下がっているほうを重点的に行います。
2 続いて、思い切り前方向に押して5秒キープ、力を抜いて5秒休みます。
これも痛いくらい思い切り力を入れます。
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【2】こめかみを引き上げる
こめかみのあたりを左右の手根で挟み、グッと引き上げます。つり目になるくらいしっかりと。
この奥の方に蝶形骨があるので、それを引き上げるようなイメージを持って行いましょう。引き上げて5秒、力を抜いて5秒。これを3セット行います。
「一連のエクササイズを行ったあとは、耳のまわりをいたわるようにさすってクールダダウンします。
これらのケアを朝と夜に行う習慣をつけるといいと思います」
【教えていただいた方】

LHJ(Life &Health Joy)代表。薬剤師として勤務するかたわら、リンパケアのインストラクターに。体に負担がなく、効果的な美容・健康法であるリンパケアの普及に取り組んでいる。テレビ、ラジオ、講演などで活躍。著書に『60歳からのリンパケア入門』(宝島社)、『1日10分でどんどん若返る! 一生使える若返りリンパケア』(三空出版)など多数。
撮影/フルフォード海 取材・文/山村浩子