日本人は、もともと二重あごになりやすい
年齢とともにハリがなくなる「あごライン」。
コロナ禍のマスク生活が追い打ちをかけ、久々にマスクを取ったら、立派な二重あごに愕然! という人も多かったのでは? マスク生活が終わっても、一度できた二重あごはなかなか改善しません。
「二重あごの大きな原因は舌骨筋群の衰えです。舌骨筋群は首の前側にあり、話したり、ものを食べたりするときの、口の開閉にかかわっています。
この筋群もほかの筋肉と同様に、年齢とともに衰えます。もともと日本語は舌を大きく動かさなくても発音できる言語であり、現代では軟らかいものばかりを食べているので、あごや舌骨筋群があまり発達していない人が多い傾向です。そこに皮下脂肪やリンパの滞りが加わると、たるんで二重あごが形成されるのです。
コロナ禍でのマスク生活、その後もリモートワークの増加で話をする機会が減ったことなどで、さらに口元からあごまわりの筋肉の衰えに拍車をかけている人も。
なかには今でも、仕事や介護などでマスクが外せない人もいます。そんな人こそ、日頃から舌のトレーニングをすることが大切です」(木村友泉さん)
二重あごの克服には、舌トレで舌骨筋群を鍛えるべし!
ともするとあまり動かさなくてすんでしまう「舌」。なかでも、普段あまりしゃべらない、軟らかいものばかり食べている人は舌骨筋群が衰えている可能性大! そんな人こそ、意識的に舌を使うことが重要です。
ウォーミングアップ
まずは動きが鈍っている、舌骨筋群まわりをほぐします。
フェイスラインを両手で覆うようにして、前後にプルプルと小刻みに揺らして振動させます。手首だけで行わずに、ひじから先の腕全体を動かすのがコツ。これを4~5秒行います。
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舌トレで舌骨筋群を鍛える
日頃使わない舌をしっかり意識して動かすことで、舌骨筋群を鍛えることができます。これにより、あごのたるみ部分を引き締めます。
【1】舌を小刻みに動かす
舌の力を抜いて小刻みに出し入れします。「レロレロレロレロ」と声を出す感じで、できるだけ素早く動かしましょう。
日頃、動かさない舌の動きですが、舌を早く動かすことで、唾液もよく出るようになり、滑舌改善、ドライマウス解消が期待できます。これを5秒行います。
【2】舌を前に突き出す
背すじを正して、舌を真っすぐ前に突き出して5秒キープします。
【3】 上に向けて突き出す
続いて、舌を上に向けて出し、5秒キープします。しっかり上に向けて突き出しましょう。
【1】~【3】の動きを3~5回繰り返します。
【point】
舌を根元からしっかり動かすことが大切。舌根の筋肉が硬くなっていると、舌を大きく動かすのが難しいこともあります。その場合は無理をせず、できる範囲で動かせばOK。少しずつ動きを大きくしていきましょう。
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あご裏のリンパを活性化
あごの裏側にも小さなリンパ節があります。ここを圧して筋肉をほぐすことで、顔のリンパの流れを活性化。たまっていた老廃物を流して、あごのラインをすっきりさせます。
斜め上を向いて、左右の親指の腹を並べて、あごの裏側を押していきます。押したら5秒キープ。これを、あごの中心から耳に向かって、少しずつ位置をずらして数カ所行います。
左右のあごを同様に、あごの裏をまんべんなく!
【point】
人差し指で反対側(あごの表面)を支えて、あごの骨を裏から親指でグッと押し上げるように圧するのがポイントです。
「使わない筋肉や骨は衰え、その部分のリンパの流れは悪くなります。今でも仕事柄などで、マスクが手放せない人も。1日1 回は自分の顔の下部分(鼻より下)も確認して、しっかり動かす習慣をつけるといいでしょう」
【教えていただいた方】

LHJ(Life &Health Joy)代表。薬剤師として勤務するかたわら、リンパケアのインストラクターに。体に負担がなく、効果的な美容・健康法であるリンパケアの普及に取り組んでいる。テレビ、ラジオ、講演などで活躍。著書に『60歳からのリンパケア入門』(宝島社)、『1日10分でどんどん若返る! 一生使える若返りリンパケア』(三空出版)など多数。
撮影/フルフォード海 取材・文/山村浩子