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【更年期の気分の落ち込み】自律神経を整えセロトニンを増やしてメンタル不調を改善させる3つの方法/高尾美穂先生

更年期に起こりがちなメンタル不調。産婦人科医で更年期女性の悩みに優しく向き合ってきた高尾美穂先生が、「運動」「食事」「生活」上の3つの対策を教えてくれました。

Q. 更年期で気持ちの浮き沈みが激しくて…メンタルを強くする方法は?

A. 自律神経を整えて、セロトニンを増やして!

 

「生活習慣のちょっとした工夫がメンタルダウンの改善に役立ちます。それは適度な運動、栄養バランスのいい食事、規則正しい生活。まずは健康管理の3大要素を実践して、適正体重を維持することもメンタルダウンの改善に重要です。精神的なストレスも体を動かすことで解消され、実際に運動習慣のある人はうつになりにくいという研究結果があります。また、朝起きて朝の光を浴びて朝食をとるなど、自律神経を整える生活をして体をベースから改善していくことが大切です」(高尾美穂先生)

 

[適度な運動]

運動習慣がある人はメンタル不調が圧倒的に少ない

「メンタル不調にはヨガやウォーキングをおすすめしています。最も手軽で少し前向きになれるヨガポーズを紹介します(下参照)。片足を1歩前に出して両手を上げ、体をしっかり伸ばします。これだけですが、数回行うだけでやる気が出てきます。またウォーキングの歩く速さは軽く息が弾む程度。隣の人と話ができるのがベストです。10分当たり1000歩ちょっと、1日の歩数は8000歩を目安に!」

 

少し前向きになれるヨガポーズ

足を肩幅に開いて立つ

背すじを伸ばして、両手は体の横に、足を肩幅に開いて立ちます

 

片足を1歩前に出し、後ろの足のかかとを上げる

上体を真っすぐ保ったまま、片足を1歩前に出し、後ろの足のかかとを上げます

 

両腕を上げて体を伸ばす

両膝は伸ばしたまま体重を前足にかけて息を大きく吸い、両腕を上げて体を伸ばします

 

吐きながら元に戻る

体が伸びたら息を4回に分けて吸い、吐きながら元に戻ります。反対の足も同様に

 

[3食の食事]

栄養バランスのいい食事が心をバックアップする

「更年期の不調には、タンパク質、脂質、糖質の3大栄養素に加え、緑黄色野菜やきのこ類などで食物繊維やビタミン、ミネラルなどをバランスよくとることが大切です。それに加えて、メンタルダウンには精神を安定させるセロトニン合成に必要なトリプトファンとビタミンB6を意識してとるとよいでしょう。14~16時間後の夜にメラトニンになり、質のよい睡眠に導くので、特に朝食でとるのがおすすめです」

 

セロトニンを増やす食材

セロトニンを増やす食材

バナナ、赤身魚(マグロやカツオ)、赤身肉、卵、大豆製品(納豆や豆腐)など。ほかにレバーや乳製品、ナッツ類にも多く含まれます。朝食に卵料理や納豆を食べるのは、とても理にかなっています。ヨーグルトにバナナを加えて食べるのもいいでしょう

 

[規則正しい生活]

朝の時間が大事。朝の光を浴びて体内時計を整えよう!

「実はそのメンタル不調の原因は睡眠不足の可能性があります。もともと年齢を重ねると、眠りが浅く短くなる傾向ですが、更年期で発汗などの寝苦しい症状があると良質な睡眠がとれません。睡眠を充実させるためには、朝の太陽光を浴びて体内時計をリセットし、昼間は活動的に過ごし、夜はリラックスタイムを設けることが重要です。こうした規則正しい生活をして自律神経を整えることで、メンタルを支えるさまざまなホルモンが元気になります。心を落ち着かせるメラトニンとオキシトシン、うれしいことで分泌されるドーパミンを上手に味方につけましょう」

 

メンタルを支えるホルモン

メンタルを支えるホルモン

安らぎをもたらすオキシトシン、やる気スイッチとなるドーパミン、幸福感をもたらすセロトニンを産生できる生活習慣を! 特にセロトニンは眠りをもたらすメラトニンに変化します

 

 

高尾美穂
高尾美穂さん
産婦人科医、医学博士
公式サイトを見る
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イーク表参道副院長。産婦人科専門医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。ヨガ指導者。婦人科の診察を通して女性の健康を支える。テレビや雑誌、Webなどでの心や体の悩み相談をはじめ、音声発信アプリstand.fmで毎日発信している「高尾美穂からのリアルボイス」は、再生回数1100万回を超える人気番組。著書多数

 

 

イラスト/内藤しなこ 構成・原文/山村浩子

 

 

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