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そもそも閉経って何を指すの?
閉経とは永久に月経がなくなること。
医学的には、卵巣の働きが自然に失われていき、月経がこなくなって1年たった場合「最後に月経がきたとき」を閉経とみなします。
例えば、昨年の1月に月経があったきり今年の1月になってもこない場合、「昨年1月で閉経した」ということ。閉経の時期は、過去を振り返って初めてわかるものなのです。
更年期と閉経の関係性は?
「更年期」と「更年期の不調」は混同されがちですが、更年期は思春期と同じで、誰にでも必ず訪れるライフステージの名称です。
女性ホルモンの分泌が急激に減りはじめ、閉経を迎えてその後分泌がほぼゼロになるまでの“期間”を指します。
更年期の定義は、閉経を挟んだ前後5年、合計10年間。自分がいつ更年期に差しかかったかは、閉経後にわかるのです。
閉経する時期を予測することはできる?
更年期かどうかは血液検査でわかります。たいていはエストロゲン(E2)と卵胞刺激ホルモン(FSH)の数値から。
また、卵巣内に残っている卵子の数を調べるAMH(アンチミューラリアンホルモン)血液検査では、値が低いほど閉経に近づいていると判定されます。
自分でできるのは基礎体温をつけること。高温期がなくなると閉経が近づいている証し!
閉経に近づくと卵子の数は限りなくゼロに近づきます。卵子数を調べるAMH(アンチミューラリアンホルモン)の数値が目安に。
Baker TG:Am Obstet Gynecol.1971 Jul. 1;110 (5): 746-61
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閉経に向かっているとき気をつけるべきことは?
全身を巡り、あらゆる組織で健康を維持するために働いていた女性ホルモン。更年期にこの守り神がいなくなると、体の弱いところが表面化してます。
急にコレステロール値が上がる、血圧が上がる、骨密度が下がる、糖尿病に近づく、などはよくある変化。遺伝的な要因がある人は特に注意が必要です。
先輩たちの4つの閉経エピソード
思いも寄らぬ展開だった人も多く
・だんだん先細りして自然に終わると思ってたのに!
・こんなふうに閉経するなんて知らなかった…
という声しきり。
その中でも、特に印象的だった人のリアルなエピソ ードをご紹介します!
いきなりの大量出血で、救急車騒ぎ!

経血量が多くなったクミさん。高校生の息子とテレビを観ていたときのこと。立ち上がった瞬間、水風船を落としたように大出血。
びっくりした息子が、救急車を呼ぼうとして 大騒ぎに…
生理の周期がバラバラで、不安に過ごした毎日
周期がバラバラになり、いつくるかわからない!今回は量が多いのでは? 長引くのでは? とビクビク。
予定が立てられずスリリングな2年間を過ごしたアイさん
なんと閉経が63歳!
55歳頃まで何も変わらず、定期的に月経があったマドカさん。50代後半からようやく経血量や色にも少し変化が起きたものの、60歳になってもまだまだ普通に月経があった。
63歳で無事閉経!
ある日突然、前触れもなく終了!
サキコさんは13歳から52歳までずっと順調で28日周期。
あるとき何の前触れもなく突然月経がこなくなり、そのまま閉経! あまりに突然すぎて、生理用品がどっさり残ってる!
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「閉経のイメージと実情」のアンケート結果!経血の量や色の変化は?
閉経のしかたは各人各様。人によってさまざまな経過をたどることがわかります。閉経にも個性あり!
出血日数の変化
短い・長い・バラバラ…これも人それぞれ
閉経が近くなれば、1回の月経で出血している日数も減っていくのではないかと思いがち。
確かに全体的には短くなった人が多いのですが、逆にだらだらと10日も出血が続くようになった人、長短予想がつかないほどランダムになった人…とさまざま。
また、閉経まで月経日数は変わらなかったという人も相当数いました。
経血の量や色の変化
十人十色、突然大出血なんてことも!
経血の量や色の変化も人によって違いました。
徐々に量が少なくなって「スズメの涙」みたいになっていった人がいちばん多い一方、閉経の途中で経血量の多さに困った人も少なくありません。
色に関しても、茶色っぽくなっていく人に対し、反対に鮮血に近くなっていった人、毎回いろいろだった人…とさまざまでした。
月経が乱れてから閉経までの期間
0日〜8年半と、人それぞれ
女性ホルモンの分泌が減少していく影響で月経の周期や経血量(出血量)に変化が起こり、やがて閉経へと向かうのが普通だと思われています。
その月経の乱れはどのくらい続くのか…?
これまた個人差が大きく、数カ月間という人から最長は8年以上続いたという人も!
逆に、変化は何も起こらず「突然こなくなった」という人も1割近くいました。
閉経前の大量出血は解決できる?
閉経前のドバドバ出血。知識としては知っていても、実際に自分もそうなったらと思うと、なんとかできないかと考えてしまいます。
具体的な治療法やコントロール法については、医師によってさまざまな意見や方法がありますが、更年期の患者さんを数多く診ている、二人の婦人科の医師にお聞きしました。
驚く人も多いけれど、黄体ホルモン剤で解決できること!
産婦人科医 八田真理子さん
いずれは止まるけれど、患者さんはすごく不安になっちゃいます。
それで、クリニックに飛び込んでくる方が多いです。「今日、うわーっと出血しちゃったの」って。
こうした大量出血には、黄体ホルモン剤が効くんです。わりとすぐに反応しますね。何日か連続服用すると、そのあと数日で月経がくるのでコントロールできるんです。
具体的には、私はノアルテンという経口黄体ホルモン剤をおすすめします。これは昔からある隠れたロングセラーの薬。
エストロゲン作用のある黄体ホルモン剤で、これが第1世代なんですよ。ノアルテンに勝るものはないと思ってます。
リーズナブルな薬だから、製薬会社の儲けにならないでしょうけど、私のクリニックでは数多く使っています。
ホルモンと月経の仕組みから説明して、選択肢を提案します!
婦人科医・美容皮膚科医 土屋眞弓さん
ドバドバっと出るのは、ホルモン分泌が不安定になって子宮内膜がうまく剥がれず、厚くなりすぎるから。
それが急に剥がれると、大量出血や不正出血が起こるんですね。
心配だというのは当然のことですし、出血のコントロールをしたいと受診される方もいらっしゃいます。
量を少なくするには、子宮内膜の増殖を抑える黄体ホルモン剤、ディナゲストを使うのが私の第1選択。次に、偽閉経にする薬、レルミナを提案しますね。
出血量を少なくするには、子宮内膜の増殖を抑えるお薬を飲んだら出血が少なくなるでしょう。もしくはホルモンを抑えるレルミナに頼るのがいいのよ」とお話をして、納得していただいてます。
『どうしてもそういうものは飲みたくない』という方なら、漢方薬を飲んでいただくこともあります。
この年代は飲む薬の量が多くて困っている方が多いので、その辺は患者さんとのお話次第ですね。
閉経前のドバドバ出血、耐え忍ぶなんてもう古い! では、どんな方法があるの?→
閉経前のダラダラ出血も婦人科で解決できる?
だらだらと出血が続くと、「もしかして病気?」と心配になることだってあります。ずっとナプキンを当てていることになり、腟まわりの環境にもよくありません。閉経前、長引く月経をどう解消するのか、二人の専門家に伺いました。
10~14日間、薬を飲むだけでリセットできます!
産婦人科医・医学博士 対馬ルリ子さん
閉経前の場合は、卵巣の働きが衰えて、規則的な排卵が起こらなくなります。排卵が起こらないと、黄体ホルモンが出ません。エストロゲンだけが出続けます。
エストロゲンには子宮内膜を増殖させる作用があるので、内膜は厚くなりすぎて、我慢できなくなって出血します。
これを破綻出血というんですが、時に大量に出血したり、量は少なくても2週間、3週間、それどころか1カ月続くなんてことが起こります。
昔からこれは「中用量ピル」で止めて、リセットしていました。私は今でもよく処方します。
10日間くらい飲んでもらうんです。
「えー、ピルを飲むの?」という患者さんもいますけど、10日間だけだからね、と。
それで必ず止まりますから。結局「助かりました〜」という人が多いですよ。
病気が隠れていないかどうか、まずは婦人科で検査を
東峯婦人クリニック名誉院長 松峯寿美さん
だらだら続くのは「月経異常」なので、婦人科に行くことが一番です。
内診とホルモン検査でだいたいのことがわかるから、対応はいろいろあるんですよ。ドバドバ出血と同じで、薬でコントロールできる時代です。
かかりつけの婦人科がある人はすぐに行こうと思うでしょうけど、ほとんど婦人科に行ったことがない人は放置しがちですよね。
それならなおさら、この機会にぜひ行きましょう。
婦人科に行く目安は、出血がだらだらと1週間以上続くこと。
もちろん、閉経に向かってホルモンが減っていることが原因かもしれないけど、病気の不正出血の可能性もあるからです。
40代、50代で婦人科に行く習慣のない人は、今日をきっかけに行きましょう。
閉経トラブルで悩まず、元気な更年期を過ごす最良の方法ですよ。
閉経前の「だらだら出血」は意外に多い悩み。病気かも…と不安になるより婦人科を受診→
早い閉経・遅い閉経、どちらがいいの?
生理不順等で閉経が近づいてきたのを感じたとき「閉経が早いのと遅いの、どちらが得なんだろう?」と考えたことはありませんか?
それぞれのメリット・デメリットを産婦人科医に解説していただきました。
どちらにもメリット・デメリットがあり、どちらがいいとは言えません
女性ホルモンは健康と美を守ってくれるので、長い目で見ると閉経が遅いほうが若さと元気を保つことができます。また閉経が遅いとエストロゲンの恩恵が長く受けられ、生活習慣病や骨粗しょう症などのリスクが下がるのがメリットです。
さらにエストロゲンには血管を守る作用もあるので閉経が遅いと心血管疾患の予防にも。
ただ、乳がんなどエストロゲンに依存するがんのリスクは高くなります。また、月経が重かった人にとっては閉経が早いほうが楽。ひと口にどちらがいいとは言えません。
閉経が早い人
●メリット
- ・月経痛やPMSに悩まされることがなくなる
- ・月経の煩わしさがなくなり、白い服も楽しめる
- ・旅行などの計画が立てやすくなる
- ・子宮筋腫が小さくなり、手術の心配もなくなる
●デメリット
- ・骨粗しょう症や動脈硬化、高血圧や心血管疾患などの病気リスクが早まる
- ・肌や髪の潤いが早く失われる
閉経が遅い人
●メリット
- ・エストロゲンの恩恵が続き、生活習慣病や骨粗しょう症のリスクが低い
- ・同じく、肌や髪などの潤いが長く保たれる
●デメリット
- ・月経トラブルからなかなか解放されない
- ・月経の煩わしさから抜けられない
- ・子宮筋腫・子宮内膜症・乳がんなどエストロゲン依存性の病気リスクが高まる
早い閉経は問題? 何歳以下だと早発閉経という? 対策は必要なの? →
閉経後、女性が心がけるべき“5つのこと”
①食事
生活習慣病対策を視野に入れて
生活習慣を見直すとてもいい時期です。ちょうど人生の2分の1ですからね。
例えば喫煙や運動不足、睡眠不足、暴飲暴食などの不摂生な生活をリセットするチャンスです。
日本は、世界一、食品添加物の多い国だと思います。ファストフードやインスタント食品などを食べていると、体のためになる栄養素はとれません。
一品でもいいから、有機野菜や減農薬野菜などの食材を使って、添加物の入っていない調味料で、体のためになる食事を作ってほしいです。
気をつけたい生活習慣病は4つあります
女性ホルモンが減ると、生活習慣病にかかりやすくなります。
なかでも悪化しやすい代表的なものは、『動脈硬化症』『高血圧症』『脂質異常症』『糖尿病』の4つ。食生活の乱れや運動不足、喫煙、過労やストレスがおもな原因になるため、検査と予防を心がけ、生活習慣の見直しが重要です。
②運動
一生使える筋肉と骨のために。フレイル予防にも
定期的な運動は、メンタルケアはもちろん、良質の睡眠にも効果があります。
閉経以降、減っていく骨にも筋肉にも重要です。運動の効果は、たくさんのエビデンスがありますから、運動を始めるチャンスです。
将来の認知症、フレイル(加齢により心身が老い衰えた状態)、寝たきり予防のためにも有効です。
40~50代にとっての「適度な運動」とは?
適度な運動を習慣にするといいのはわかっていても、何をどれくらいすればいいの?
運動は、自分が少しきつく感じるくらいの負荷をかけないと効果がないので、ややきつく感じる運動がその人にとって適度な運動です。
③検診
一般健診、5大がん検診、骨粗しょう症検診、歯科検診、眼科検診は定期的に
生活習慣病が増えますから、自治体や企業で行っている健康診断(一般健診)は欠かさず毎年受けてほしいです。
がん検診は、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんは、最低限受けましょう。それから、更年期以降は急激に骨密度が低下する年齢ですから、骨粗しょう症検診で骨密度を測定しましょう。歯科検診、眼科検診も忘れずに。
健康を保ってくれていた守り神がいなくなり、病気のリスクも高まる年代。目に見えないリスク、気がつきにくい病気を知ることで正しく体に向き合いましょう!
40代以上の女性が最低限でも受けたい16項目の検診リスト
閉経前後にかかりやすい病気を見逃さない
更年期世代が気を付けたい病気リスト
④ストレス対策
趣味や習い事でリラックス時間を。脳(認知症予防)のためにも
ストレス対策も、上手にしないといけない年齢です。
脳科学者の先生が、更年期は習い事を始めるといい時期と言っていました。学生時代にやっていた、経験値があるものを選ぶとチャレンジのハードルが下がって、上達も早くなって継続しやすいらしいです。
仕事や家庭以外にリフレッシュできる自分の時間づくりになります。
楽器演奏などは、脳にも神経にも刺激になるし、グループでやればコミュニケーションの場にもなって、将来の認知症予防にもつながるし、一石二鳥です。
夫のため、子どものための時間を自分の時間へ30分でもスライドして使うようにできるといいですね。
更年期の症状で意外に多いのはメンタル系のトラブル。体に症状がないと、心の不調が女性ホルモンの減少によるものだと気づかないことが多いものです。閉経前後にメンタルが落ちていると気づいたら、まず何をすればいい?
幸せホルモン「セロトニン」を増やすためにしたいこと
魔法のメンタル改善方法
40代、50代の女性が今、注目する資格3選「動物介護士・チャイルドマインダー・終活アドバイザー」
⑤GSM対策
骨盤底トレーニング、尿もれ、腟の乾燥、萎縮ケアを
尿もれ、腟の乾燥や萎縮、性交痛の対策は大事です。
特に、骨盤底トレーニングや腟ケアを意識することは大切です。閉経後の尿もれ、腟乾燥や萎縮による痛みやトラブルのケアは、QOLにも大きく関わるため、大切にしたいケアです。
【更年期フェムゾーンの不調】あなたもGSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)かも?
今まで誰にも話せなかった腟まわりのトラブル。これからは知識を得て積極的に解決していく時代です。閉経前後から増えるGSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)。すでに出ている症状がないか、早めのセルフチェックやケアを!
GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)のおもな症状
尿もれや頻尿は何科の病院を受診したらいいですか? 頻尿を改善する方法は?
閉経後もセックスはできる? 性交痛は婦人科で治療できるの?
【腟ケア】萎縮した腟を回復させる「腟マッサージ」の正しい方法と安心なマッサージ製品の選び方
セックスのときに腟が濡れなくなりました。痛くて苦痛なので、つい夫を拒否……。何か手立ては?
尿もれと性交痛、閉経前後の2大トラブルを解消する「腟ケア」
「日常生活でできる! 骨盤底筋力アップメソッド」
閉経の疑問Q&A
Q. 閉経したら男性ホルモンが増えるの?オジサン化するのではないかと心配…
A. むしろ男性ホルモンを味方につけて
女性の卵巣や副腎でもつくられている男性ホルモン『テストステロン』。やる気・活動力・社会性をアップしたり筋肉や骨を丈夫にする働きがあります。
更年期に女性ホルモンが激減しても、テストステロンはあまり変化しません。そのため、ホルモンバランスが乱れ、ひげが濃くなったりする場合もあります。
ただし更年期には、少なくなった女性ホルモンの代わりに、心と体の健康を支えてくれる強い味方です。むしろ、意識的にテストステロンの維持に努めましょう。
具体的には運動が一番です。運動によりテストステロンが増えると、血流がよくなったり筋肉が増えて、更年期太りも防いでくれます。
Q. 月経がこなくなってそろそろ10カ月。「閉経すると女性じゃなくなる」と思えて寂しい気持ちになります。こんなとき、どうしたら?
A. 女性らしいかどうかは別問題。毎日ワクワクを忘れずに!
そんなふうに感じる人も多少います。でも、たとえ病気で子宮や卵巣を全摘しても女性に変わりはないですよね? それと同じこと。
閉経しても人は意識で変わります。ワクワクしてセックスもしている人のほうが断然きれいで若々しいはず。
閉経を逆手にとり、「予定も立てやすいし妊娠もしない」と毎日を楽しむことを考えてみて。
Q. 更年期前後、骨を強くするために、食べるといいものは?
A. 骨密度を上げる3大栄養素は、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKです
『骨づくりにはカルシウム』というイメージがありますが、重要なのは、骨の石灰化と筋力も同時に高める効果を持つビタミンD。体内のビタミンDが不足すると、腸のカルシウム吸収が不十分となり、骨量(体内の骨組織の重量)が下がってしまい、骨密度の低下につながります。また、ビタミンDの不足は骨折や転倒のリスクにもなることがわかっています。
骨密度を効率よく上げるには、『1にビタミンD、2にカルシウム』の順番がポイント。サプリで補うのもいいでしょう。カルシウムは骨の材料となるミネラルをつくる栄養素。ビタミンKはカルシウムを骨に取り込んで、骨の強度を上げる栄養素です。下は、それらの栄養素の1日当たりの摂取目標量と食材の一例。ぜひ参考に
Q. 閉経をできるだけ遅くすることはできますか?
A. 早い時期から卵巣を大事にしていれば、閉経を遅くすることが可能かもしれません
閉経は原則として卵子の数で決まるため、自分で時期をコントロールすることは基本的にはできません。ただ、若いときから卵巣を大事にすることで可能になるとも言えます。
卵巣を老化させるのは喫煙や摂食障害、月経不順を放置することなどですが、最近は若い女性が避妊や月経トラブル改善のために手軽にピルを飲むようになりました。それは結果として上手に卵巣ケアをしていることにもなります。もしかすると閉経時期を遅くすることにつながるかもしれません。
Q. 閉経して更年期の症状が出たらHRT(ホルモン補充療法)がいいと言われました。どんな不調がどの程度出たらおすすめなのでしょう?
A. 不調の程度によらず、推奨します。
エストロゲンを錠剤やジェル、パッチなどで補うのがHRT。ピルに比べて補うエストロゲン量はごくわずか。のぼせや多汗、不眠、気分の落ち込み、関節痛、腟の乾燥など、ホルモンが減ったことによる症状と医師が判断すれば、いつでも保険で始められます。つらい症状がある人は、その程度にかかわらず、ぜひ婦人科で相談してみてください。
Q. 月経がなくなってほぼ1年。不調続きで婦人科に行くとHRTをすすめられました。少し不安です。
A. がんのリスクが上がらない薬剤も保険適用に!
HRTでエストロゲンを補うと、子宮がある人は子宮体がん(子宮内膜がん)リスクを回避するため黄体ホルモン剤(プロゲステロン)を併用するのが一般的です。今まで使用されてきた合成黄体ホルモン剤は、長期間使うと乳がんのリスクが若干上がるといわれていました。
ところが、2021年に国内で発売になった保険適用薬「天然型」黄体ホルモン剤は、乳がんや子宮体がんのリスクを上げず、HRTを受けていない人と変わらないというデータから、より安心して使えるように!
Q. 閉経したら、急に太りやすくなりました。これはどうしてですか?
A. 脂質代謝が悪くなるからです!
脂質代謝を促すのもエストロゲンの働き。閉経期はこれが減ってしまうので、脂肪がつきやすくなると考えられます。基礎代謝も下がるため、一般的に更年期には「太りやすく痩せにくい」と感じるもの。食事や運動などを見直してみましょう。脂肪は免疫とも関係しているので「ちょい太りぎみ」のほうが元気で長生きともいえます。
Q. 閉経した頃から、ちょいもれが気になるようになりました。尿もれと閉経は直接関係がありますか?
A. 閉経ではなく、女性ホルモン量に関係が!
更年期に起こるのは、閉経したからというより、女性ホルモン、エストロゲンの減少で尿道の粘膜や周辺組織の弾力が失われるためです。
閉経後に高まる「子宮体がん」リスクにどう対処する?
更年期以降、リスクが高くなる女性のがんに子宮体がんがあります。
どうすれば早期発見できるのか?気づくポイントはあるのか?子宮体がんを早期発見するための対策をご紹介します。
閉経後の不正出血を見逃さず受診、が早期発見のカギ
更年期だからこそ、もう一度、子宮に目を向けて、がん対策を怠りなく行いたいものです。では、早期発見するにはどうしたらよいのでしょう?
子宮体がんは、早期の段階から不正性器出血があるのが特徴です。不正出血や褐色のおりものがあったら、躊躇せず受診することが早期発見のポイントになります。特に、閉経後の不正出血は注意が必要です。進行すると、膿や血液の混じったおりものに加え、下腹痛、腰痛、腹部膨満感などが現れますが、そうなる前に不正出血の段階で、婦人科を受診してください。
更年期世代は、女性ホルモンの揺らぎで更年期症状に悩まされたり、閉経へ向けて生理が不順になるため、更年期症状と勘違いして、重要な不正出血という自覚症状を見逃してしまいがちだと思うのですが?
閉経前の更年期世代は月経が不規則で、不正出血と見極めがつきにくいことがありますね。しかし、更年期の月経不順かな?と思っても、迷わず受診してください。
子宮体がんの多くは、早期発見すれば、治療も手術だけですむことが多く、90%以上が治るがんです。早期発見が何より大切なのです。
【子宮体がんに気づくポイント(自覚症状)】
・不正出血
・褐色のおりもの
【こんな人は子宮体がんに要注意です!】
・太っている(肥満)
・妊娠、出産の経験がない、少ない
・閉経が遅い
・45歳以上
・30歳以上で月経不規則
・多嚢胞性卵巣症候群、排卵障害
・糖尿病
・高血圧
・リンチ症候群家系(子宮体がんの2~5%)
・卵巣がん(特に若い女性)、乳がんの既往
急激なホルモン減少をなだらかにしてQOLを上げ、閉経後も元気に生きていくための手段はあるんです。
閉経前なら低用量ピル、閉経後であればHRT(ホルモン補充療法)に切り替えて、少量から始めてみましょう。人生100年時代を楽しく前向きに生き抜くため、正しい知識を持って賢い選択をしてください