東京—アムステルダム 6007マイル
そろそろ春ですねえ・・・。
春といえば、満開のチューリップを見にオランダへ!3月の終わり頃から春の花のシーズンが始まりますよ。
前回のオランダの旅を通じて、エッジの効いたダッチデザインに感動し、雨の日も風の日も一日中自転車で移動する生活習慣に感心し、ゴーダチーズ作りにかける手間と愛情に感銘を受け・・・、とびっくりマーク満載の旅でしたが、今回もさらにびっくりのオランダ発スーパーフードのお話です。
オランダという国は、面積が日本の約10分の1、九州ほどの土地面積しかありません。さらに、年間を通じて気温が低く、日照時間が短いなど、農業には条件の悪い環境であるにもかかわらず、アメリカに次いで農業輸出国世界第二位を誇っています。
どうして、そんなことが可能なのでしょうか?
その答のひとつが、世界一の技術を誇る施設園芸技術!
中でも、世界中の企業から注目されているウエストランド市のコッパートクレス社の超ハイテク農場を見学に行ってきました。
見よ!このSF的ハイテク農場を!!
オランダのデザインには、度肝を抜かれっぱなしですが、このSF映画のセットのような未来農場には、声を失うほどびっくりしました。
あまりにもハイテクなので、一見遺伝子操作を駆使して簡単なプロセスで大量の野菜を促成栽培するための工場のようですが、実はまったく違います。
このハイテク農場には、人の健康を真摯に祈る創設者の想いがつまっているのです・・・。
◎ コッパートクレス社の挑戦
<コッパートクレス社の広報のお話より>
「ヨーロッパでは、食生活と健康のつながりをあまり考える習慣がありませんでした。しかし、ここ10年の間に、健康への関心が高まり、食生活も大分改善されてきました。
食によってより健康的な身体を作る、という考え方を取り入れるようになったのです。
日本の食生活には健康に結びついたたくさんの知恵があります。
たとえば、生の魚(刺身)に殺菌作用のある紫蘇の葉を添える、といった考え方はオランダにはありませんでした。つけ合わせの野菜は、美しいプレゼンテーションのためではなく、食に必要な素材であることを私たちは日本から学びました。
レストランでの食事を考えても、これまでは外食といえば多くの場合「手軽に食欲を満たす」ということが主目的であり、身体に良いものを取り入れるために学食をするという考え方はありませんでした。しかし、元々Restaurant という単語は、Resotre(回復させる、元気を取り戻させる)という言葉から産まれたものです。私たちはマイクロベジタブルの普及を通じて、レストランでの食事に本来の意味を取り戻したいと思っています。マイクロベジタブルというのは、発芽したばかりの小さな状態の野菜という意味です。
ビタミンを豊富に含み、抗酸化作用や抗菌作用に優れた野菜をたくさん食べてもらいたい、それが私たちの目標のひとつです。
では、なぜマイクロベジタブルなのか、と言いますと、発芽したばかりのスプラウトならば、より手軽により多くの栄養を取り入れることができるからです。
たとえば、ブロッコリーに含まれるスルフォラフェンは、ファイトケミカル(植物に含まれる天然の化学成分の総称)の一種で解毒作用や抗酸化作用に優れ、様々な疾病予防効果を期待されています。ひとつのブロッコリーに含まれるスルフォラフェンの量は、スプラウトという小さな状態でも成熟したブロッコリーでも変わりません。つまり、スプラウトの状態で食べた方が、より多くの栄養素を取り入れることができるのです。
私たちが育てているマイクロベジタブルは、文字通り栽培が簡単であることもひとつの特長です。たとえば、新鮮な野菜の調達が難しいクルーズ船に、弊社の技術提携により船内に小さな農園を作って、日々の食事に提供するというプロジェクトもやっております。
私たちが出荷しているマイクロベジタブルの中には、驚くようなものもたくさんあります。たとえばベジタリアンレストランで良く使われる‘牡蠣の味’がするオイスターリーフや、ニンニクの味がするロックチャイブ、スペインのエルブリの有名なメニュー‘エレクトリックカクテル’に使われたびりっと電流が走るような味わいのチャイニーズペッパー、ホースラディッシュやカマンベールチーズの味がするスプラウトまであります。そうした野菜は、すべて私たちが世界の果てまで旅をしてひとつずつ固有の種を集めてきたものです。ここで栽培されている野菜は、一切遺伝子操作をしておりません。害虫駆除は、テントウムシによって行われ、農薬などの化学物質も使用しておりません。
農場のモットーは
Cleaner than Clean (清潔以上に清潔に!)
弊社のマイクロベジタブルは、洗わずにそのまま食べられるということも大きな特長です」
では、実際のマイクロベフタブルを見てみましょう。
◎ コッパートクレス社の美しい野菜
では、実際の色々な野菜を見てみましょう。
まずは、最初に出て来た味見用のマイクロベジタブル一式!
お水にもマイクロベジタブルが浮いていました。
水にマイクロベジタブルを入れるだけで、ビタミンなどの栄養素が水に溶け出し、栄養価が高く安全で安心な飲み物ができあがります。コッパークレスト社では、果物やマイクロベジタブル入りの水を各種作って、料理に合わせて出すという提案もしているそうです。
野菜は、SUPER FOOD と書かれた箱で出荷されます。
味見をしてとくにびっくりしたマイクロベジタブル。
<手前の黄色いお花のつぼみのような野菜>
チャイニーズペッパー。小さいのに威力抜群で、ひとつ口に入れただけで飛び上がるほどの刺激があります。エルブリのエレクトリックカクテルに使われたそうです。刺激があるため、唾液の分泌を促進し、口の中を清浄に保つ作用もあるそうです。
<赤い葉っぱ>
フレッシュなグリーンアップル味のアップルブロッサム。
<緑の大きな葉っぱ>
大きな葉は、ベジタリアンのための牡蠣と言われるオイスターリーフ。その葉っぱの上にのっている細長い指のような葉は、塩味のソルティフィンガー。一緒に食べることで、海から穫ってきたばかりの牡蠣を食べているような錯覚に陥ります。
この可憐な紫のつぼみがついたロックチャイブスは、なんとニンニクの味!
コッパートクレス社特製の青汁、ウィートグラスジュース。最近「地球上でもっともデトックス効果のある食べ物」として注目されているウィートグラス は、土壌に含まれる92種類のミネラルのうち82種類も含んでいるスーパーフード。毎日ちょっとずつ飲むのがおすすめだそうです。ミランダ・カーがファッションショーの前に必ず飲むことでも知られています。
コッパートクレス社と提携している村上農園
次は、ダッチデザインを堪能できる素敵なホテルをご紹介。
◎ オーガニック農園のあるホテル‘ヴィラ・アウグストゥス’
ダッチデザインをいろいろ見ましたが、一番好きだった建物がこのホテル!まるでおとぎ話のようなメルヘン風味にエッジの効いたポップさを加えたデザインで作られた’ヴィラ・アウグストゥス’。
4つの川が交錯する中州に建てられた貯水場をリノベーションしたユニークな外観が特長です。
1866年、ヨーロッパでコレラが猛威を振るったとき、コレラの蔓延を防ぐために清浄な水を確保しようと、巨大な貯水場が作られました。1883年に完成した建物は、500,000リットルの水を確保できる設備を備え、当時は4組の家族が住み込み、24時間交代制で水を浄化したそうです。
敷地には広大なオーガニック農園があり、多くの野菜やハーブが摘みたての状態でレストランに運ばれます。レストランのモットーは地産地消。できるだけ顔の見える地元の生産者から購入した安心で安全な食材を使っています。
ホテルのパンフレットや各部屋に置いてあるステーショナリーに書かれたウサギの絵は、オーナーのひとりが趣味で描いているイラストだそうです!
宿泊したお部屋はこんな感じ。
ショップもあり、ホテル特製のジャムやお土産に最適な小物を買うことができます。
今回の旅で一番好きだったホテル。夏になったら、もう一度滞在したいと思っています。
次は、オランダの人達の企業愛について一考します。
◎強風時の操縦に強いKLMのパイロットたち
オランダの旅で印象的だったのは、取材した先々で「今の会社が大好き」という人が多いことでした。ゴーダチーズを作っているベームスター社、コッパートクレス社のみなさまのお話から
「この会社が好き。ここで作っている製品が大好き」
という気持ちが伝わって来て、私はひそかに感動で震えておりました。
KLMもそんな企業のひとつでした。
KLMについて教えてください、とお話した客室乗務員のみなさま全員が
「こんな良い会社はないと思います。みんなで集まると「この会社に入れて良かったね」と言い合うくらい大好きな会社です」とニコニコ。
そんな風に従業員に愛されている会社、なかなかあるものではありません。クルーの人たちも仲が良くて、居心地の良いフライトを楽しむことができます。
明るく元気なキャビンアテンダントの田中理沙さん 「KLMはクルーを大切にしてくれるので感謝しています。同僚と「こんな良い会社ないよね」といつも言いあっているくらい好きです!」
斎藤さんとマーゴットさん。齊藤さんは勤続42年。「もうじき、愛する会社を退職するということが信じられません」往復ともご一緒した齊藤さんのあたたかできめ細やかなサービスに大変お世話になりました。
ベテラン乗務員の斎藤さんによれば
風の国オランダで訓練されたパイロットたちは、とくに強風時の離着陸に強いそうです。
「オランダ人にとって強風はよくあることなので、強風時の操縦が上手なパイロットがたくさんいます。また、KLMのハブ空港であるスキポール空港は、6つの滑走路があり、風の向きや強さによって離着陸しやすい滑走路を選ぶことができます」
◎KLMのビジネスクラスにオトクに乗る裏ワザ
KLMの座席は、長距離路線には、ワールドビジネスクラスとエコノミークラス、ちょっと足下のスペースが広いエコノミーコンフォートゾーンがあります。 ちょっと足下の広いエコノミーコンフォート席を指定したい、と思ったときは、空席があるときは120ユーロ(日本路線の場合。諸条件により値段は変動)の支払いで変更可能。
さらに! 旅の疲れで、帰りはビジネスクラスに乗りたい!という場合、空席があれば所定の追加料金を支払ってビジネスクラスにアップグレードできます。アップグレードの申し込みは、空港の発券カウンターでも機内でもできるという手軽にできるところがKLMの良いところです!!
帰国したら翌日から仕事、という場合、帰りくらいはビジネスクラスのフルフラットシートでゆったりと眠って帰りたいですよね。
◎KLMのビジネスクラスにしかないコレクター垂涎のアイテムとは
KLMビジネスクラスの写真 KLMのビジネスクラスだけにしかない特典と言えば、デルフトブルーのミニチュアハウス。 こんなに可愛い置き物なんです!
実際にあった伝統的な家を元にして作られたミニチュアハウスは、毎年10月7日のKLMオランダ航空設立記念日に新しいモデルが発表されます。 容器の中にはジンの元祖といわれる蒸留酒ジュネヴァが入っています。揮発しやすいため、なるべく早めに飲まないと、なくなってしまうこともあるそうです。
コレクターの中には
「81番か88番ない?」とか
「7番、ある?あれだけがないんだ!」
と指定する人もたくさんいるそうです。
中でも斎藤さんのおすすめは、運河沿いに実在するおうち‘2番’とフェルメール展を記念して作られた‘76番’だそうです。 稀少モデルのためなかなか手に入らないそうですが・・。
KLMオランダ航空へのサービスをもっと知りたい方はウエッブサイトの情報をご覧ください。
3回にわたってオランダを語ってまいりましたが・・・・・。
春の旅行には、ぜひオランダへ行ってくださいね!
キューケンホフ公園で春の香りを胸いっぱいに嗅ぎ、ちょっと足を伸ばして小都市を回り(アムステルダムから日帰りで行ける小都市がたくさんあります)、一泊はヴィラ・アウグストゥスへ宿泊。地産地消をモットーに美食の国として生まれ変わろうとしているオランダのダッチキュイジーヌを楽しむこともお忘れなく。
オランダについての詳しい情報は、こちらのウエッブサイトの情報をご覧ください。
オランダ&ベルギー・フランダース 政府観光局の共同オフィシャルサイト
取材協力 オランダ政府観光局 ベルギー・フランダース政府観光局 KLMオランダ航空
井原美紀ブログ 旅の記録 Let’s GO TO SEE THE WORLD!
http://ameblo.jp/surpriseenterprise/