姿勢と頭蓋骨を整え、小顔の土台を作った前回。そして今回はいよいよ、大人世代の宿敵ともいえる顔全体についた贅肉=「顔デブ」を退治します。
“最近、むくみが取れずに顔に残っている気がする”、“女子会で撮った写真を送ってもらったら、以前よりもムッチリと肉厚になっている顔に驚いた”など、大人の「顔デブ」自覚症状は数知れず。NORIKOさん、私たち40代~50代のツラ構えは、このまま分厚くなっていくのでしょうか…。
「大人の『顔デブ』の一番の原因は脂肪です。さらにその脂肪が蓄積されると、顔にある表情筋の動きも悪くなってしまうんですね。そして、固まった表情筋の上にまた脂肪がのる…の繰り返しで大人の顔デブは加速する、と思ってください。顔デブからの卒業、それにはまず表情筋をストレッチし、ほぐすところから始めましょう。今回は顔全体を動かしますよ~! でも、とっても簡単。隙間時間にやってくださいね」
まずは「ウー」の動きで顔の筋肉をすぼめ、縮める!
ということで、さっそく「顔デブ」卒業に向けて、ストレッチを開始!
1.目を軽く閉じ、「ウー」と声に出しながら口元をすぼめていく。
2.そのまま、顔のパーツをギュッと中心に集める。このとき、眉間にシワを寄せすぎないようにする。
「『ウー』の口の形をしながら顔の筋肉をすぼめ、中心に寄せることで、目のまわり、頰、口のまわりと、顔全体にある筋肉が自然とストレッチされていきます」
続いて「アー」の動きで、顔の筋肉を伸ばす!
今度は、縮めた筋肉を大きく動かして伸ばしていきます。
目を見開き、「アー」という口の形をしながら口まわりはもちろん、顔全体の筋肉を、思いっ切り外側に伸ばしていく。このとき、おでこにシワを寄せないようにする。顎関節症など、あごにトラブルを抱えている人は無理に口を開けすぎないように。可能な範囲でOK。
「『ウー』、『アー』の動きは、セットで行って。素早くできなくても大丈夫ですよ。最初はゆっくりでもいいので、固まった表情筋を確実にほぐしていきましょう。慣れて表情筋が柔らかくなったら、動かせる速度も上がっていきます。『アー』の口の形の動きで、どうしてもおでこや眉間だけに力が入る人は、前髪をつかみ、手で優しくおでこの表皮を引っ張って。顔全体にバランスよく力が入ると思います」
人差し指を添え、左右の口まわり~頰肉の「顔デブ」を撃退!
さらに顔の左右の筋肉も柔らかくしていきます。
1.頰の右側、ほうれい線が出るラインに人差し指を当て、優しく横方向へ引っ張る。
2.そのまま両目を右方向に向け、人差し指を添えている口元を中心に、頰の肉もギュッと右側へ寄せる。指を当てていない側の頰~口まわりの筋肉が動いていると感じられたらOK。
左側も同様に。このとき、どちらも眉間や額に力を入れすぎないこと。
開閉と左右のストレッチ、どちらもNORIKOさんのように顔と首~体全体は正面を向いたままをキープ。肩が上がらないように注意して。
「左右の顔デブ卒業ストレッチは、口まわりや頰の筋肉、視線のどこかに動かしにくい方向があるはず。動かしにくい=表情筋が固まっている証拠なので、念入りにほぐしていきましょう! 」
【今回のエクササイズ、全部ワンセットで行うとこんな感じ】
顔の筋肉を引き締め&伸ばし、さらに左右に動かすストレッチ。シンプルな動きなのに、これだけでも“運動した”感が。すっきりとして「顔デブ」に活を入れることができた気分に!
「顔も体と同じ。脂肪がつくのを防ぎながら、気持ちよく動かしていきましょう。次回は、ストレッチの先にある“筋トレ”で、引き続き大人の顔の脂肪を退治していきますよ」
というわけで、連載3回目は「顔デブ」の変化形であるお悩み、頰まわりの筋肉がゲッソリと衰えて下ぶくれになる、「顔ゲソ」問題に対処していきます!
【教えていただいた方】
スペイン・バルセロナ在住。骨格矯正メソッド・ヤムナボディローリングとピラティスが専門。モットーは、アラフィフから健康でいるための体作り。Instagram、YouTubeを中心に、大人のボディ&フェイスを快適に整えるエクササイズを発信している。書籍『更年期世代の不調を取り去る 大人ピラティス』(KADOKAWA)も好評発売中。
撮影/藤澤由加 取材・文/石井絵里