【教えていただいた方】
スペイン・バルセロナ在住。骨格矯正メソッド・ヤムナボディローリングとピラティスが専門。モットーは、アラフィフから健康でいるための体作り。Instagram、YouTubeを中心に、大人のボディ&フェイスを快適に整えるエクササイズを発信している。書籍『更年期世代の不調を取り去る 大人ピラティス』(KADOKAWA)も好評発売中。
40代、50代が抱えがちな顔の悩み。
その原因は「骨の衰え」にあった!
「大人がはつらつとした表情をつくるには、まずは皮膚の下にある骨を整え、さらにエクササイズで筋力を鍛えることが大切です」とNORIKOさん。また40代を過ぎると、なぜフェイスまわりの悩みが急増するのか、という問いにも、ズバッと答えてくれました。
「人間の顔は、20代を越えたくらいから少しずつ骨密度が落ち、骨全体が小さく縮んできます。最初はゆっくりとした速度で落ちていくのですが、このスピードが加速し、自分でも明らかに変化を感じるのが、40代を過ぎてから。これには更年期も関係しています。
女性は更年期に入ると、骨の質や筋肉のボリュームを保ってくれるホルモン、エストロゲンの分泌が減少。そうなると、顔のたるみや目のくぼみなどが一気に目立ってくるようになるんです」
また現代人ならではのライフスタイルも「大人のドンヨリ顔を加速させています」とも。
「PC、スマホ操作などでうつむく姿勢が続くと、頭頂部からおでこにかけての骨にどんどん重力がかかり、顔全体が下がっていきます。人間の頭って、想像以上に重たいんですよ。うつむき姿勢でいると、特に重力がかかるのが、額の部分にある骨・前頭骨(ぜんとうこつ)。今、私が骨格標本を手で触っている部分です。
この前頭骨は、頭頂部から眼窩(がんか)と鼻の間の部分までをつないでいる大きな骨。前頭骨が加齢で萎縮したり、重力で下がってくると、若い頃は卵形だったフェイスも、こめかみ部分のふくらみがそげ、顔全体が下に伸びて四角い輪郭に。
また目が小さくなる、鼻が大きくなってくるなど、輪郭だけではなくてパーツもどんどん変化してしまうんですね。そこで私のメソッドでは、まず“前頭骨を伸ばし、顔全体を引き上げる”のを大事にしています。前頭骨はたくさんの骨とつながっているので、ここを動かすと、他の部分の骨も少しずつ動くようになってくるんです」
大人になっても骨は整えられる!10秒でできる!
脱・ドンヨリ顔の基本メソッド、前頭骨のエクササイズ
「え、骨って動くのでしょうか?」という疑問に「動きますよ~!」とNORIKOさん。
「それも両手を使って、簡単に動かし、ほぐしていくことができます。手にかける圧は本当に少しでOK。またフェイスクリームなどを使うと、油分で手が滑り、皮膚に力がかかりすぎてしまうので、何も塗らなくて大丈夫です。以下のエクササイズで、まずは早速、前頭骨を上げてみましょう。本当にとっても簡単ですよ!」
1.片手を後頭部の下に添える。あごを引き、正面を向く。
2.もう片方の手のひらをおでこに当て、両手で頭をサンドイッチのように挟む。そのまま上に優しく引き上げる。皮膚はこすらないように。肩は下げて。ゆっくりと10秒カウント。
【NGポーズ】
後頭部に手を添えず、おでこだけを片方の手のひらで上げてしまうのはNG。このポーズだとあごが上がって頭全体が後ろに倒れ、頸椎に負担がかかってしまう!
前頭骨と頸椎を引き上げると、お肌もふっくら&もちもちに!
「前頭骨引き上げ」エクササイズを行うと、おでこだけではなく、首の後ろの頸椎も心地よく伸びるのがわかるはず。
「前頭骨と頸椎の位置を整えると、背中から頭蓋骨に向かって流れている、脳脊髄液(のうせきずいえき)の巡りもよくなります。脳脊髄液は別名・“天然の美容液”とも言われていて。この滞りが解消されると、それだけで体の内側から潤うような感覚が出てくるんですよ」
このエクササイズは、いつやってもOK。
「例えば夜、寝る前にほんの少しやるだけでも、翌日はお肌がふっくら&もちもち状態に。体の内側から天然の美容液が出てくることで顔全体の血色もよくなり、笑顔も晴れやかに。ぜひやってみてくださいね!」
次回からはこのエクササイズを基本に、パーツごとのお悩み解消エクササイズを紹介していただきます!
指導・モデル/NORIKO 取材・文/石井絵里